そろそろ津田でのまちづくりの話をさせてください
毎年恒例の1年の振り返りです。
直接お会いできていない人からすると、今何をしているのかよくわからない状況になっているのではないかと思うので、改めて今取り組んでいることやまちの現状についてこの機会に書ければと思います。
特にまちの現状やこれからの展望などはなかなか発信できていなかったのでその辺りを厚めに書きます。
今何をしているのか?
2020年に地元にUターン&起業してから約2年半、さぬき市津田地区のまちづくりにフルコミットしています。
「会社は実験場であり、事業は自分が立てた仮説を検証すること」というスタンスは創業時から変わらずですが、この2年半で地域内に一緒にチャレンジする仲間が増え実験場は会社という枠組みを超えて地域全体に広がりつつあります。
https://note.com/kuro_local/n/nb62984514166#P4GiV
まちづくりの基盤を整備した2年半
まちづくりに本腰を入れるにあたってまず着手したのが、会社として重要度が高いが結果が出るのが遅い取り組みをするための体制を作ることでした。
具体的には月の半分以上を暇な状態にする&自分が生きていくのに困らない稼ぎを生むことを実現することで、相性の良かった一棟貸し形式の宿泊事業をスタートしました。
コロナの影響を受けつつも、何とか宿泊施設として最低限の売上が立ち始めたころ、タイミングよく津田地区が農水省の農泊推進事業(2年間)に採択され、さぬき市津田地区漁業活性化協議会が設立(2020年11月)され、宿泊事業者としてお声かけいただきました。
このような協議会が設立されること自体は珍しいことではない(そもそも採択にあたり協議会を設立することが条件になっている)のですが、会話の中で「この協議会が津田地区の最後の砦だと思う」というワードが出ていたのは印象的でした。(中学校の廃校、病院の廃院、銀行の支店の撤退、高校の統廃合による移転など長年まちの衰退の様子を目の当たりにしていたからこそ全員が危機感を持てたのだと思います。)
事業者間の繋がりと地域ビジョンの誕生
食・体験・宿泊それぞれの部会や全体会議を通じて事業者間の繋がりが強まったものの「どういう方向性をまちとして目指すか?」という問いに対する解がない限り具体的に進めることが難しくなってきました。
日本の渚百選に選ばれる浜辺や瀬戸内海国立公園に指定されている松原などがあることからエリアとしては海辺がいいのではというところまでは共通認識になっていたものの、いわゆる*地域ビジョンの必要性を協議会全体として感じ始めていました。
そこで、2021年の4月に津田地区の海辺におけるマスタープラン(津田地区の現状やポテンシャルを示した上で今後の計画を具体化するための叩き台となる37ページの資料)が完成しました。(都市計画の研究室にいたからこその学びが生きた瞬間でもありました。)
簡単にマスタープランの内容を要約すると「津田地区(特に海辺)に点在する高い潜在力を有した観光資源、または観光資源になりうる“モノ”や“コト”など 街全体のリノベーションを図り、人を呼び、経済を回し、自立した持続可能な地域への転換を目指す」というものです。
地域ビジョンの効果としては、目指すべき場所までの距離感とそこまでの道のりが見える化されたことにあったのではないかと思っています。(まちを良くしたいという思いは同じでも、目指す場所がマルシェを開くことなのか、お店が増えることなのか、産業を作ることなのかでは全く違う。)
難易度は高いが、面白いと思える道へと進み始めたのがこのタイミングでした。
また本格的に地域ビジョンの実現に向けて活動するために、2022年1月に協議会は任意団体から一般社団法人さぬき市津田地区まちづくり協議会へと法人化しました。(理事の1人として関わっています。)
*ここでいう地域ビジョンは、行政が作る総合計画のような網羅的かつエリアの広いものを指すのではなく、限定的(特定の分野に関するもの)かつエリアの狭いものを指します。
地域外から人を呼び込むフェーズに
目指す方向性が決まったので、地域おこし協力隊制度を活用しつつ空き漁業倉庫を活用したピザ屋をオープンするプロジェクトがスタートしました。
店長の募集には1ヶ月で44人の方から問い合わせがあるなど大きな反響をいただくことができ、複数回の面接や現地でのフィールドワークを経て素晴らしい方に出会うことができました。(1月からクラウドファンディングにチャレンジ予定なのでぜひ応援よろしくお願いします。)
ピザ屋のインスタはこちら↓
https://www.instagram.com/portopizza_tsuda/
また採用を通じて出会った方が一般社団法人の1人目の社員になっていただいたり、すでに移住をしてくださったりなど、単なる地域おこし協力隊の採用の枠を越えた嬉しい結果となりました。
また田舎ホームステイを通じて、2週間〜3ヶ月単位で長期滞在しに来てくれる大学生が増え、移住に限定されることなく地域に来てくれた人を迎え入れる空気感ができてきました。(遊びに連れて行っていただいたり、BBQやご飯に誘っていただいた地域の皆様、本当にありがとうございました🙇♂️)
行政の制度も少しずつ変化が
また地域おこし協力隊制度を、今回のような起業を支援する形で使えるようにしていただいたことを筆頭に、さぬき市さんの制度をより民間でまちづくりに取り組む方が使いやすい形へと変更をお願いしてきました。
地域おこし協力隊制度以外にも、ふるさと納税を活用した制度も今年度形にしていただきました。
提案のしすぎで嫌われてないか不安ですが、官民連携の第一歩は形だけの包括協定ではなく、より良い形の提案をすることだと信じて「不満を言う前に提案する」を徹底しています。
2023年は津田の変化が目に見える年に
「地域内での中間支援組織」「地域ビジョンの策定」「外から人を呼び込む体制づくり」「提案をベースとした官民連携の形」等、これまで数十年かけて失っていったまちにとって必要な機能を急ピッチで整備してきました。
特に人の部分では、偶然に偶然が重なり、この2年半で20~30代を中心に面白いメンバーが集まってきていることは本当に幸運でした。
ここまでの話は全てごく一部の人だけにしか見えていない変化でしたが、2023年はまちの風景・メディアへの露出共に津田の変化が目に見えてわかるようになってくる予定です。
年明けからのクラファンラッシュに加え、春から夏にかけて海辺の店舗のオープンが続くなど楽しみな話題に尽きませんので、ぜひ遊びに来てください笑。
ゲンナイとしての2022年
ここまで長々と津田の話をしてきたのですが、株式会社ゲンナイとしての2022年は「名刺代わりになる仕事ができた年」のように感じています。
2021年から9ヶ月間に渡って進めていた地域おこし協力隊のプロジェクトが何とか形になり、運よく反響もいただけたことで様々な方とのご縁や機会をいただくことが一気に増えた1年になりました。
また観光自体もだいぶ復活し、繁忙期の嬉しい悲鳴をようやくあげることができました笑。
また2店舗となる物件を3月からお借りし、片付け&DIYを進めています。(とてつもなく大家さんが寛大な方で容赦無く壁や床や天井を壊させていただいています。)
2023年の抱負
来年は、2店舗目となる「うみの図書館」のクラファンから始まり、免許留学の受け入れ、うみの図書館のオープンと怒涛の春になりそうです。
会社としてはうみの図書館のオープンもあり、個人からチームへと変わる年になりそうです。(興味を持った方いればぜひお話ししましょう)
引き続き面白いチャレンジをしていければと思いますので、お力をお借りする機会が今以上に増えるかもしれませんが、来年もよろしくお願いいたします。
【おまけ】津田面白そうやんとなった皆様へ
まだまだ関わり方の選択肢が少ないのですが、関わり方をまとめておりますのでチェックしてみてください。
春休みの間瀬戸内にプチ移住したい人におすすめ
ワーケーションや地域に飛び込みたいと言う人におすすめ
図書館に本を寄贈してもいいよと思った方へ
空き家改修のDIYに興味がある方はインスタでDMください!(泊まる場所は準備するのでお力をお貸しください🙇♂️)
https://www.instagram.com/umi_tosho/
地域おこし協力隊に興味がある方へ(SMOUTでお気に入り追加していただければ募集の際に通知が行くはずです!)
津田のまちづくりに興味を持った方やゲンナイに興味のある方がいれば気軽にご連絡ください!
https://twitter.com/625Kuro
過去の振り返りたち
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