「地方創生=地域同士のバトルロイヤル」という考え方と戦いのその先にあるもの

最近自分が当たり前のように思っていることが案外他の人にとっては新しかったり、面白かったりする場合もあることに気づいたのでちょっとずつ思考の言語化をしていこうかなと思っています。


今回のテーマは「地方創生の抱える問題と差別化のあり方」についてです。

目次
・「地方創生=いいこと」なのか
・地域間連携の可能性
・まとめ


◇「地方創生=いいこと」なのか

地方創生って「地方を盛り上げること」、「地方にお金を落とすこと」、「地方の人口を増やすこと」など一般的には"いいこと"として捉えられることが多いです。

ただ別の側面もあると思うので今回は地方創生の抱える"わるいこと"の部分について書きます。


地方創生や地域活性の話になるとよく言われるのがこの言葉。

「地域の個性を生かして他との差別化をしましょう」


この考え方自体はとてもいいと思っていて間違いなく必要なことだと思います。

他にはない独自の取り組みによってうまく差別化をし、活性化した事例も多く出てくるようになりました。

とはいえまだそんな地域は少数派なのが現状です。

地域間での格差が徐々に生まれ始めているのが今な気がしています。

少し仮想のA市とB市の事例で考えていきたいと思います。

【情報】
A市:差別化に成功している
B市:まだ取り組みがうまくいっていない
A市とB市は隣町

おそらくA市には移住者などが現れ人口減少に歯止めがかかり始めているでしょう。産業も盛り上がっているかもしれません。

ではB市の方はどうでしょうか。

若い子育て世代の人たちはA市の方が支援体制がいいからと移り住むかもしれません。A市の企業に務める人も増えるかもしれません。


考えてみれば当たり前ですが、ある地域に移住する人が増えれば別の地域では人が減っています。(しかも日本全体で見た時の人口の変化は±0です。)

なので特定の地域で移住者が増えて活性化したということはどこかで人口減少が加速した地域があるということになります。


うまく差別化した地域は活性化し、うまくできなかった地域は衰退が加速する。

強者だけが生き残り、弱者が消える。

まるで地域同士のバトルロイヤルのように


これが自分の思う"わるいこと"の1つです。

実際自分の生まれ育った市では隣町の市役所との連携があまり取られていません。どうしても"周りは敵"という思いがあるそうです。


でも味方がいない状態で戦えるほど今の地方の現状は良くありません。

「周りは敵だ!!」と思っている間に全く別の地域に人を持って行かれてしまいます。

じゃあどうしたらいいのか?ということで次の項目に移ります!


*ちなみに次の項目は完全に自分の想像の話です。

◇地域間連携の可能性

このままバトルロイヤルの構図を抜け出せないままだと一部以外の地域は淘汰されてしまいます。

なのでまずは"周りは敵ではない"と思うところから始めないといけません。

ただもし周りは敵ではないと思えたならある選択肢が生まれます。

それが"地域間連携"です。


苦手なことは他のまちに任せて、自分たちは得意なことをするという選択肢も出てきます。

そもそも観光に不向きな町が観光をしようとしても難しいので、観光に向いた隣町向けに名産品を作るとか、都市部と地方のまちで連携して最新のテクノロジーで地域課題を解決するとか。

まちって聞くとどうしてもその中で全てが揃っているイメージがしてしまうと思うんですがもはやそんな時代ではないのではないかと思っています。

まちに必要な機能は人間の移動手段の変化に合わせて変わってきました。

移動が徒歩だった頃は歩いていける範囲の中に八百屋があったり、肉屋があったりしました。

それが自転車の登場により移動できる距離が伸びると活動範囲が広がり、分散していた店が集まり商店街のようなものも出てきました。

車や電車、飛行機の登場によりさらに移動距離は伸び、活動範囲も大きくなりました。

だからすでに人間の活動範囲は現在の"まち"という単位を超えていると思うんです。

人間の活動範囲内に必要な機能が揃っていればいいのであれば、1つのまちのなかで全てを揃えようとしなくて良くなります。

複数のまちでこれまで求められていた"まち"の機能を揃えればいいんです。

得意なことで地域同士が協力し合うからこそそれぞれの地域の色が生まれる。

これこそがこれからの"差別化"のあり方なんじゃないかなと思います。


長くなりましたが今回はこの辺りにしておきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!



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