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スルー力(するーりょく)

申し訳ないです。「するーか」に見えますが、私がお話ししたいのは、「するーりょく」です。なんじゃそれ、と思った方はぜひお付き合いを。

SNSなどで頻繁に見かけると思いますが、誰かから批判されたときに、それに反対意見や抗議をすることで、いわゆる「口喧嘩」の状態になることがあります。多人数が喧嘩になると、いわゆる「炎上」に発展することもあるでしょう。

SNSには「口」も「耳」もないのに、口喧嘩とは、これまたおかしなことが起こるものです。

Aさん: 「Bさん、それおかしい」
Bさん: 「おかしくないよ、おかしいのはAさん」
Aさん: 「何言っているの、頭おかしいの?」
Bさん: 「おかしいのはそっち」
Aさん: 「狂ってるわ」
Bさん: 「それはおまえじゃ」
Aさん: 「ばーか」
Bさん: 「もう死んでくれ」
Aさん: 「おまえのツレ、Cも頭おかしいな」
Cさん: 「ちょっとちょっと、何言うねん、おまえこそ腐ってる」
Bさん: 「そうだ、そうだ」
Aさん: 「おまえら全員、どっかいけ」

さて、これを見ていてお気づきかと思いますが、このバトルは基本的にどちらかが折れるか、しっぽを巻いて逃げるまでは、永遠に続きそうですよね。
さらにこれを繰り返せば、しだいにエスカレートする、というのも間違いなさそうです。

普通に考えて、例えばAさんがひとこと、

Aさん: 「申し訳ない、言い過ぎたわ。俺が悪かった。ごめん謝る」

と言い出せば、Bさんの怒りはやがて収まる可能性もありますが、行きつくところまでエスカレートした状態では、簡単に収まる可能性が少なそうなのは明らかですよね。

こういったやり取りは、時間ばかり浪費して何一つ得るものがなく、お互いにマイナスでしかありません。

そこでタイトルのスルー力(するーりょく)になるのですが、これは何か攻撃的な意見を言われたときに、それを「スルー」(いろいろな訳ができると思いますが受け流しとかが良さそう)するということが、こういった場面では重要です。

具体的に上記の例ですと、

Aさん: 「Bさん、それおかしい」
Bさん: (心の中で「そんなことないんだけどなー」と思いつつも)
   「なるほど、貴重なご意見ありがとうございます。」

で終わります。
このたった一つ、「心の中で反論」しつつも、「直接的な言葉でこたえない」、ここが大事なところですね。
すなわち「受け流す」ことが重要ということです。

これができないということは、「おれはジャイアンだ。俺は絶対で間違えない。俺の意見に文句言うやつはぶっとばす」といいそうな、剛田君とおなじですよね。
剛田君は愛らしい面も持つキャラだと思いますが、皆から嫌われる可能性が高いのはすぐわかります。

翻って考え直してみると、

個人的に思うのは、最近、こうしたスルー、受け流しができない人が増えているように思います。
これは多分に、学校や家庭の教育の過程で、人との交渉(ディベート)的なことをほとんど教えないことが大きな要素だと思います。
10人の人が集まれば、10人の意見があるのが普通ですので、そこで自分の意見を押し通そうとすれば、誰かと衝突するのは容易に想像できます。
こうした意見の対立が起こった時、どうすると解決に向かうのか、という方法・テクニックを学んでいないということが根本的な原因の一つなのかもしれません。

あなたが知性と理解のある大人であるなら、あるいはなりたいのであれば、このスルー力を常に磨いて、どんな状況であっても、冷静に対応できるようになること、これを目指しましょう。
こういう対応をすれば、相手がどう応えるかだろうかと少し考えること(予測すること)ができれば、そんなに難しい話でありません。

仮に相手が繰り返し指摘・攻撃をしてきたとしても、それに正面からぶつかるのは賢明ではありません。それは時間の無駄であるばかりでなく、自分自身の評価を落とすだけの、まったく意味のない行為です。

一部のずるがしこい連中は、あなたが反論してくるのを狙って、攻撃的な言葉をぶつけてくるときもあるでしょう。これにまともに応えることは、まさに相手の思うつぼ、まんまと罠にはまる、ということになります。

世の中の皆が、こういったとても簡単なことを理解していれば、世界は争いのない平和な世界になるかもしれませんけどね・・・。

長文おつきあいありがとうございました。

Nov 20, 2022


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