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Mac Pro 2013を最強スペックにしましたが... ベンチマークはあくまで数値上?というお話。(音楽、映像制作用途)

2020年半ば頃から、同時にではないのですが表題の通りアップグレードしてみました。具体的には以下の感じです。先に結論を書くと多少早くなりましたが体感的には数値ほど変わってない気がしましたという話です。


アップグレード項目

・CPU 6コア → 12コア
Intel Xeon E5-1650 v2 @ 3.5 GHz (6 cores 12 thread)
Intel Xeon E5-2697 v2 @ 2.7 GHz (12 cores 24 thread)

・メモリ 16GB → 64GB

・GPU AMD FirePro D500x2 → Radeon RX 580
Macは基本GPU交換出来ないのですがeGPU(後述)を使っています。

・内蔵SSDは250GBのままです

MacPro 2013は筐体が2012以前よりだいぶスリムになった反面、拡張性に乏しいので恐らくこれが限界。

アップグレードした理由

まずスペックを上げようとした理由は映像制作です。本業の音楽制作に関しては以前のままでもさほど問題はありませんでした。映像は4Kや4:2:2 10bitで撮り始めた事で再生でコマ落ちする頻度が高まったので、えいやとアップグレードしました。

メモリ

大容量のオケ系音源を多用したいときはメモリ不足感はありましたが、芸風的にロックメインなのでオケ系楽器が登場する場合はサブのMacMini 2012をVienna Ensemble Proで連携していました。それで使っていくうちに2台使うのが手間になり、やがて使わなくなる頻度が高くなっていったので、もう1台にまとめようと思ってメモリ64GBにしました。

MacPro 2013はメモリスロットが4つしかなくデフォルトでは4GBx4枚となっています。交換は偶数単位だったかで変えないといけないので、16GBx2買うなら x4もあんまり変わらんだろうという事で、一気に64GBヘ。

購入元は普通にAmazonです。自分が買ったとき(2020年3月)は¥38,964でした。交換は簡単だったので誰でも自分で出来ると思います。

音楽制作において64GBフル活用するような曲を自分が作ることはあまりないのですが、余裕があった方がパフォーマンスもよくなるようなので損はなかったと思います。映像制作に関してはあまり変化を感じないです。

CPU

これは自分で出来なくは無いようなのですが、YouTubeでハウトゥを見た感じバラすのが相当難しそうだったので、業者さんにお願いしました。色々ネットで探しましたが都内近郊でお願いできる業者さんは意外と少ないです。自分は渋谷の、Mac修理専門店「愛Mac」さんにご依頼しました。

http://www.aimac.biz

修理専門店とのことですがこのようなアップグレード改造も行っていただけます。メールのやり取りもとても親切丁寧で非常におすすめです。

今回はCPUの改造なのでまずはパーツ自体を入手しないといけないのですが、その購入もまとめてご依頼出来ました。間違ったパーツやハズレを掴む心配も無くて安心ですね。ちなみにパーツ自体の価格も個人で買うより安いと思います。

費用内訳はこちら。
 工賃: 10,000円
 部品(CPU): 45,000円
 消費税: 5,500円
 合計: 60,500円

ちなみにCPU交換しても、システムのSSDはそのままなら普通に起動も出来、音楽&映像関係のプラグインも再オーサライズ不要でそのまま使えました。

GPU

映像制作においてGPUアップグレードは重要です。本来MacのGPUは交換不可な場合がほとんどなのですが、近年のMacではeGPU(外部接続のシャーシ)で別のGPUカードを動かす事が可能です。

Thunderbolt 3 (USB3.0)で接続するのでTB2までしか付いてないMacPro 2013は非対応なのですが、実は裏技でTB2接続でもeGPUを動かす事が出来ます。ただし転送速度は幾分か落ちるのでパフォーマンスも本領発揮は出来ないはずです。それでもベンチマークや口コミを見たら数値上は2倍くらい違う!というわけで購入。

シャーシはRazor Core X。オプションとしてハブ機能やLEDライトが付いてるChroma、どちらもeGPUとしての役割は同じです。

GPUはAMD Radeon RX 580にしました。

設定方法はこちらの記事等を参考にしました。最初はちょっとやっかいなのですが、一度設定できれば問題なく普通に使えています。相性とかもあるっぽいので全てがうまくいくとも限らないのでご注意ください。

https://egpu.io/forums/builds/late-2013-mac-pro-radeon-pro-58016gbps-tb2-blackmagic-egpu-macos10-13-6-itsage/

ベンチマークテスト

CPUとGPUは同時期に設定したのでどのくらい変化したのか意気揚々とこちらのベンチマークテストしてみました。

まずはCPUこちらが6 core。

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そしてこちらが12 core。

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シングルコアのスコアは少し落ちるものの、マルチコアのスコアは約1.7倍!これはiMacProやMacPro 2019、そして2020年最新機種にも匹敵するスコア!(本当なのか?)

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真相はさておき続いてGPUのスコア。

こちらが元の内蔵GPU。

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こちらがeGPU + AMD Radeon RX 580

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TB2経由なので本気出せてないと心配していましたが、なんと2倍以上のスコア!100%の力を出せていないというのにこの戦闘力とは、往年のジャンプ漫画なのでしょうか。

実際使ってみての所感

さて、これまではあくまで机上のスコアでした。実際使ってみてどうなのかというところですが...

音楽制作においては、もともとストレスあったわけでは無いのでさほど変化はありません。通常CPUが早くなると曲データを開くのが早くなる!というのがあるはずなのですが、実感はあまりありません。あと曲再生中にCPUオーバーロードが減るというのも若干期待していたのですが、CPUオーバーロードはむしろ増えたような気がします。とりわけ音楽制作、Logic Pro Xがシングルコアのパフォーマンスの方が重要なのかもしれません。LogicにあるCPUメーターをみてもやたら一つのスレッドだけがピークに達している時もままありまして、ここは残念ポイント。

GPUに関してはSuperior Drummer 3.0のGUIを表示中はフェーダーがカクつくというのがあったのですが、eGPUにしてからはそれは解消しました。しかし、たまにですがOzone 9など特定のプラグイン表示中に再生するとGUIが若干ピカピカちらつくことあります。毎回では無いのであまり気にしないようにしてますが、このあたりは相性でしょうか。あと起動時たまーに(数十回に1回くらい)画面が1個つかなかったりします笑 ここもたまーになので再起動するということで許しています。

映像制作において、こちらの方がむしろ本命だったのですが、正直大きく変化した!という感じはありません。使用ソフトはFinal Cut Pro Xで、たしかに4K撮影した素材再生や書き出しのスピードは多少上がったかなとは思うのですが、軽くエフェクトかけたりするとすぐにカクつきます。カクつき度合いが減っただけマシかなとも思いつつ、ベンチマークの数値(約2倍)になった感じはしません。

結論

あくまで延命措置。コスト抑えて少しだけアップグレードする、という意味では価格相応。自分のようにMacPro 2013への愛着、なんだかんだ言いつつ見た目が好きになってしまった、という変わり者以外は素直に買い替えした方が劇的な変化を期待できるでしょう。eGPUはMac買い替えても使えるはずなので損はなかったかなと。

ベンチマークの数値上はM1 MacMiniがこのスペックに匹敵してるので本当かなと思いつつ、むしろM1機種の方がトータルのパフォーマンスは上のような気がします。筐体の大きさが違うので排熱処理とかも変わってくるとは思うのですが。スペックは上を見始めるとキリがなく、毎年買い替えないといけなくなるので、どこかで納得する、妥協する事が大事ですね。

買い替えどき難しすぎです。

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