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ボーイスカウトが活性化するための「無力感」の払拭 #boyscoutj(初出2011年09月05日)

メールマガジンをきっかけとして、下記のページを拝見しました。

学習性無力感を打破し自己効力感を高める「制度的リーダーシップ」
―ローソンの改革に見る従業員の元気の回復―
神戸大学大学院経営学研究科教授 平野光俊

これを読んでいくと「おにぎり」をきっかけに、ローソン新浪社長さんがどのように組織的な無力感を払拭していったかが書いてあります。

この状況、まさに今の日本のボーイスカウトにも適用できるのじゃないかと考えています。世界ジャンボリーをきっかけに「日本のボーイスカウトの無力感」を払拭するという感じ。

これまでも、これからも、団・隊を運営する団委員、隊指導者には、フリーハンドで得られる自由はない。各組織ごとに様々な制約があり、ちょっと指導者を経験した人なら、いつだって「予算が足りない」とか「指導者が足りない」とか「スカウトが足りない」とか悩んできたはずだし、その悩みを解決する場として研修が設置されていたはず。

しかし、現在の日本のボーイスカウトは、それらがこの記事で出てくる「無力感」につながってしまっているように思えます。何かでこの無力感を払拭する必要がある。このところ、スカウト会館移転など、様々な変革が行われているわけですが、これらを批判するだけではなく「これをきっかけに何を変えることができるのか」を、現場レベルで具体的に議論していかなければならないはずだと私は考えています。

この「無力感の払拭」のためには、トップマネジメントはもちろん現場を意識しなければならないはずですが、団・隊などのスカウトを指導する現場での情報を共有し、できることを少しずつでも改善していかなければ、無理。

たとえば、文部科学省が大学の運営で進める「GP(グッドプラクティス=よき実践)」のような、現場で使えるネタを現場で作って共有することはとても有益であると思われます。日本の生産現場ではこれまでも「QC活動」や「かんばん方式」などにより、現場ががんばって作り上げてきたものがいくつもあるのですから、現場の情報を共有できる仕組みを作って、現場での「改善」を考えていった方がいいんじゃないかなあ。ツールもQCとかのものを使えるわけだし。

9月17、18日に開催されるユースフォーラムでは、事前にFACEBOOKページを設置し、今後参加できないローバー諸君も含めて連携を取る話になっています。また、当日はUSTREAMで生中継も考えています。

(どこまでできるのか不安ですが、生中継を私が担当することになっています。日本連盟のアカウントが取れなさそうなので、埼玉県連盟のアカウントで実施予定。来週あたりに実験しようかなと思っています。ちなみに、この技術的には次のページをテキストとして利用しています。http://aseed-tv.org/?page_id=1649

これらをきっかけに、FACEBOOKなど「情報ネットワークを活用した活動の展開」を進められるもんなら進めてみたいと思います。

ただ不安なのは、これらの情報ネットワークの活用が進んでいくと「情報の共有」ではなく、「単なるはけ口」になってしまう可能性がある。こうなっては何もならない。批判だけに終わってしまってはまさに「無力感」が増すだけになるからです。

「自分にはこれができる。だから、組織としてこのような対応をしてほしい」という話にならないと、結局組織におんぶにだっこになってしまいます。組織批判だけでは「お上意識」まるだし。まず自分がどう変われるかが問われているにもかかわらずです。

実はユースフォーラムの実行委員会の中でも同じようにお願いしています。最終的にはユースフォーラムの参加者がフォーラムでの議論の結果を提言していくわけですが、その際に「日本連盟は○○してほしい」というのを集めたところで主体性がないままに終わることは自明。だから、少なくとも半分は「ローバーは○○をやる」という部分を自分たちで設定し「だから組織は○○をやってほしい」という形にするのはどうだろうと実行委員会で提案しました。

そうすれば、ローバーが率先して自分たちの作業を進めていけば、提言先の日本連盟、各県連盟などはやらざるを得なくなるし、その比較が組織の「実行力」の評価につながるはず。

建設的に語れる場を、ローバーにも指導者にも確保していくようにできたらいいなあ。いや、スカウティング研究センターでは、研究集会を実施し、これまでも対話の場を作ってきたんですけどね・・・。

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