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アツさの違いでみる鋳造の世界

みなさんこんにちは!
しずおか鋳物の会社、「栗田産業(KURITA)」です。

安定しないお天気の続いていますが、それでも晴れ間はまだまだ夏の陽気。少し外に出ただけで暑さでクタクタになってしまいますね。みなさん体調管理には引き続きお気をつけください。

暑さでいえば、わたしたちのように、製造に関わる人間にとって「熱さ」は日常茶飯事なこと。今回は「栗田産業」の鋳造(ちゅうぞう)の現場における温度についてご紹介します。

こちらは「栗田産業」御前崎工場の様子。
おもに工業用製品の製造において、このように大きな溶解炉を用いて金属を溶かし、鋳造を行います。「鋳造」の工程については別の記事でも紹介していますが、下記のようにいくつもの工程を経て完成させます。

[木型づくり→砂型造型→かぶせ(砂型を合わせること)→溶解→注湯→解枠・仕上げ・塗装→品質検査]

このうち、製品の元となる“元湯”をつくる作業が「溶解」の工程。大量の金属を溶かすこの工程、温度はおよそ1500℃ほど。職人たちはゴーグル・マスクなどの装備をしたうえで作業を行います。金属を溶解炉に入れ、「注湯」とよばれる型に流し込める作業に入るまでの数時間は、この熱さとの戦いになります。

一方こちらは、しずおか鋳物「重太郎(JUTARO)」に用いられる錫(すず)の鋳造シーン。さきほどとは打って変わって、だいぶ静かな印象です。錫は金属のなかでも比較的「融点」(個体が液体になりはじめる温度)が低いですが、それでも231.96 ℃と高温であることには変わりありません。

ちなみに、身近な金属の融点は下記の通り。
・金 1064.43 ℃
・銀 961.93 ℃
・銅 1084.5 ℃
・プラチナ 1769 ℃
・鉄 1536 ℃
・アルミニウム 660 ℃
また、金属で一番融点が高いのは「タングステン」で3407 ℃だそう。金属によって融点に大きな温度差があるのもおもしろいですね。

「重太郎(JUTARO)」のうち、鋳製プロダクトは「ネオトライダガーZMC 香炉(こうろ)」や「サンコウチョウの栓抜き」。錫製プロダクトは「ビアグラス」や「ぐい呑み」などがあります。

いかがでしたでしょうか。このように、わたしたちの制作現場はつねに熱さにあふれています。製造の世界は、決してラクでカンタンなものではありませんが、それでも、製品ができたときの喜びはひとしお。ましてやそれが身近な暮らしの現場から、世界のさまざまな現場で活躍すると思うと、とても感慨深い気持ちになります。

もちろん、わたしたちの鋳造に駆ける想いも、製造現場の熱さに負けないくらいのアツさで満ちあふれています。
そんなアツい現場で生まれた、わたしたちの製品の数々。ぜひ一度お手にとってみてくださいね。

栗田産業が手がける しずおか鋳物「重太郎」


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