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映画の話

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#映画感想

『ドライブ・マイ・カー』感想

見ました。

世間では日本初のアカデミー賞作品賞ノミネートの話題で持ち切り。そういう作品に限って公開当時は話題にならないのは、なんだか納得してしまうところがある。

で、私も例に漏れず海外で賞をとって初めて知った一人。気になるなあと思っていたら、たまたま最寄りの映画館で再上映をしていた。あとは見に行くだけだけど踏ん切りがつかないと思っていたら、ちょうどアカデミー賞の作品賞にノミネートされた。

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『ウエスト・サイド・ストーリー』感想

観ました。

映画好きなら誰もが知るところであろう、スティーブン・スピルバーグ監督の最新作。アーサー・ローレンツによって書かれたミュージカル『ウエスト・サイド物語』をもとにした作品で、なんでも監督は子どもの頃からこのミュージカルの音楽が大好きだったんだとか。

実は私はスピルバーグ監督作品をちゃんと鑑賞したことがないんですよね。金ローでジュラシック・パークちょっと見たかなって程度。バック・トゥ・ザ

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『グッバイ、ドン・グリーズ!』感想

16歳、真夏の大冒険。

この映画を一言で表すならそんな感じである。

16歳という年齢は、人生において特に難しい時期のように思う。

子どもと言うには歳をとり、大人と言うには若すぎる。大学とか就職とか、その先の人生とか、未来が少しずつ近づいてくるけど、その先は相変わらずボヤけたままで、確証を持って進めず足踏みしてしまう。そんな、どこか不安定な時期だ。

主人公のロウマ、トト、ドロップは、ひょんな

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傷を抉って、背中を押す『すずめの戸締まり』

傷を抉って、背中を押す『すずめの戸締まり』

2016年、2つの映画が公開された。『シン・ゴジラ』と『君の名は。』である。

過去と現在、2つの時間軸と男女の入れ替わりを通して、ティアマト彗星で死ぬ多くの人の運命を変えようとする『君の名は。』。
現代の日本を舞台に、ゴジラと人々の戦いを描いた『シン・ゴジラ』。

「ティアマト彗星」「ゴジラ」という虚構を用いているが、どちらも「東日本大震災」がモチーフになっていたのは明らかだ。当時は震災から5年

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