ブラック小話。

これは本当のような嘘の話。

定時退社

私が働いている会社は最悪だ。
というのも、私の働く会社には絶対遵守のルールがあり、その中でも以下の3つに我々は苦しめられている。

・定時になったら速やかに退社しなけれならない。
・仕事を家に持って帰ってはならない。
・休憩中に仕事をしてはいけない。

どうだい？恐ろしいだろう？
ん？こんなのホワイト企業じゃないかって？とんでもない、キミも働いてみたら分かるよ。

僕達は今までサービス残業は当たり前だったし、休憩中にも仕事をしていて、それでも終わらなければ家でやるのが当たり前だったんだ。

それが今じゃ家や休憩中は仕事しちゃいけないし、残業も出来ないんだ。
みんな仕事以外で時間をどう使えば良いのか忘れちゃった。

最年長のKさんは勤続40年以上で、仕事がした過ぎて休憩中なんかいつも叫び声をあげながら走り回ってる。　
あそこのMさんは家じゃやることがなくてずっと壁に頭を打ち付けてるらしいぜ。

私がどうやって時間を使っているかって？
そういえば、僕はどうやって時間を使っているんだっけ？
俺はさっきまで何してたんだろうな。

そう言うと彼は大きな笑い声をあげながら泣いた。