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#15. おもてなしの心レースクイーン_瀬谷ひかる


宣材写真

名前
 瀬谷 ひかる
職種
 レースクイーン
備考
 2016年専修大学ネットワーク情報学部卒業。そして、私たちのプロジェクトを担当してくださっている栗芝先生と共にプロジェクト活動を行なっていたそうです。今回はレースクイーンという仕事についてたくさんお話ししていただきました。

1. レースクイーンとしての一日


レースの日 予選(SUPERGT)
レースの日 決勝(SUPERGT)

── 本日はよろしくお願いします。さっそくなんですけど、レースクイーンというお仕事の一日の流れから教えていただけますでしょうか?

 そうですね。レースクイーンという仕事はモータースポーツのレースと共にあるので、一週間の動きから変わってきます。
 大抵週末にレースがあるのですが、サーキットが全国各地にあるので、木曜・金曜あたりからサーキットに入っています。コロナ前では、海外でレースを行う時もありました。その上で、今回は予選の時と決勝の時の一日を紹介したいと思います。
 メディア対応やスポンサー関連の業務、SNSの更新などが基本的に分単位で、細かく入っています。あとは特徴的なのでいうと、ピットウォークというお客さんが各チームのピットを見学できたり、ドライバーや私たちレースクイーンと写真を撮ったり、サインを書いたりできるという、ファンイベントがあります。その後、レースを行う流れになりますね。レース中は、基本的にチームのサポートと応援になります。

2. レースクイーンというお仕事

(撮影:松永和浩)

── 改めて、レースクイーンというお仕事について教えていただいでもよろしいでしょうか?

 レースクイーンというのは、基本的にモータスポーツのチームに所属しています。仕事内容としては、まずチームの広告塔という役割を担っており、メディア対応やSNSでの発信などを中心に行っています。そして、レース中はドライバーさんのサポートをしたり、ドライバーアピアランスといって、ドライバーさんとレースクイーンでチーム紹介を行なったりします。

── ドライバーさんとはかなり近い距離感でお仕事されているんですね。

 そうですね。色々とお話をする機会も多いです。ドライバーさんはやっぱりトップアスリートなので、実際にお話ししてみると、人間性やメンタルの部分、オーラといったところが全然違うなと感じます。あとは、若い頃から出資という意味で金銭面的にも期待という意味でもチームやサポーターの人の支えの中で戦ってきた方々なので、エンターテイナーとして、お客さんやスポンサーの期待に応える楽しませるという事をとても大切にしている人が多いと感じています。

── 働き方という点では、どういった特徴があるのでしょうか?

 そうですね。むしろレースクイーンのお仕事は、年齢の関係もあり、今しかできない職業であると思っているので、むしろそこはやりがいとして捉えています。また、仕事内容の幅自体は結構広いので、色々な現場で仕事ができるというのも魅力であると思っています。
 あとやっぱりモータースポーツはプロスポーツなので、勝った時の喜びは変えられないものですよね。そんな試合を一番近くで見ることができるというのすごい幸せなことなんだなって感じます。自分の所属しているチームが予選1位になることをポールポジションと言うんですけど、決勝でグリットに着く際に、予選2位以降のチームが並び終えた後に、ポールポジションの車がグリッドまでやってくるんですよ。その時にレースクイーンは看板を持って先頭で待ってるんですけど、去年私が所属していたチームが予選1位になった時に、実際に看板を持って立たせてもらいました。その先頭で待っている時に見えた景色というのは、一生忘れないなって思います。そう言った環境で働くことができるというのは、ものすごい貴重で魅力的なことだと思っています。

所属チームがポールポジションを取り、看板を持って立った(撮影:松永和浩)

3. 仕事で大切にしていること

──レースクイーンとして働くことに意識していることなどはありますか?

 やはりレースクイーンという職業は、チームの顔としていろんな人に知ってもらって応援してもらうことが目的なので、サービス精神というのはとても大事にしています。どんな瞬間に見てもらえているのかわかりませんので、いつ見られても笑顔で明るくて元気をもらえるような存在でいようというのは意識していました。

── なるほど、お客さんに喜んでもらうことというのを大切にしていたんですね。何か瀬谷さんにとって仕事をする上で欠かせないモノとかってありますか?

 欠かせないモノっていうのはあまりないんですけど、大事にしていることはあります。サーキットに行ってレーシングカーの音を聞くことです。サーキットに来てレーシングカーの音を聴くと、その音をきいて「今日も仕事に来たぞ」とスイッチを入れてボルテージが上げています。逆に、日曜にレースが終わって、毎週放送されていたモータースポーツの特集番組を見ると、仕事が終わったという感覚になります。

── 仕事としてだけでなくモータースポーツというものを大切にしているんですね。

 はい! みんながみんなそうというわけではないとも思うのですが、私はチームの一員として応援していくなかで、もっと知りたいと思うようになりました。そこで、もっと好きになって自分の仕事にも反映されて、相乗効果になっています。私の中で、スポーツチームに携わっている異様は、自分が一番のファンになんだというくらいの気持ちで誰よりも楽しんで応援することが大切だと思っていて、ファンの人たちと心の底から一緒に楽しんで、楽しみを共有するということを大事にしてます。一番近くであんなに素晴らしいものを応援していたら好きにならざる得ないですよ。すごい魅力的だからこそ、自分が一番熱狂してチームの魅力を伝えられるようにしたいなって思っています。

── 一番のファンとして応援し続ける。すごい素敵な考え方だと思います。

4. バックグラウンド

── ここまで、レースクイーンとしてのお仕事について色々と聞かせていただいたのですが、レースクイーンを目指すようになったきっかけを聞かせてもらってもよろしいでしょうか?

 そうですね。そもそも、卒業後すぐにレースクイーンになったわけではなく大学を卒業したあとは営業職として企業に就職しました。最初はプレス(PR・広報)の仕事につきたくて化粧品会社などを見ていたんですけど、そこには行くことができず、内定をもらっていたIT系のベンチャー企業にOLとして入社しました。
 営業を2ヶ月くらいしてから、本社の方に異動になってそこで2年間くらい働いていたのですが、就業時間が長いということもあって、体を壊してしまい休職したんですよ。その時にメンタルもやられてしまって体もボロボロで、転職を考え始めました。そんな時にたまたま知人がレースクイーンとして働くことが決まったので、応援がてらイベントに一緒について行ったら、そこでスカウトしてもらったので、それを機に事務所と契約することになりました。

── そうなんですね。先ほどお話ししていただいた、レースクイーンのお仕事以外ではどのようなことをやられているのでしょうか?

 元々高校の頃は、人に伝える仕事というのをやってみたい気持ちがあって、アナウンサーや声優などの声の仕事というのも意識していたんですよ。そういうこともあって、イベントのMCなどもやらせてもらっています。ただ回ってくる仕事というわけではなくて、オーディションに参加して選ばれないといけないんですよね。

── オーディションなんですね! どのような雰囲気で行われているのでしょうか?

 オーディションは、数十人から一人に選ばれないといけないわけで、取り繕ってしまうとバレてしまうんですよね。だから、いかに自分の気持ちを伝えるか、伝えた上で私が一番相応しいというプレゼンテーションができるかどうかにかかっているんですよ。就職活動と似ているかもしれませんが、そういったところもこの仕事の特徴だと思います。普通じゃ通用しない世界で、いかに自分だけの魅力をアピールポイントとして伝えないといけない。そういった意味では、一番普通からかけ離れた仕事だと思います。

(撮影:松永和浩)

5. 瀬谷さんにとってのふつうとは

── 最後になるんですが、瀬谷さんにとってのふつうとはどういったものになるでしょうか?

 そうですね。私の仕事っていうのは接客業の究極だと思っていて、接客業っていうのは相手がいて初めて成り立つことだと思っているので、相手に気持ちよくなってもらったりプラスの気持ちになってもらうことが大事だと思っています。そのため、相手のふつうを感じ、そのふつうの世界の中でおもてなしをするという事が、この仕事のふつうであり大切な事です。そして、相手に気持ちよくなってもらい、楽しかったなと思ってもらえることが、この仕事の一番のやりがいだと思います。

── ありがとうございました。

サーキットの風景写真

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