見出し画像

誰でもプロと同じ環境でレースができる。e-Motorsportとは?3-1

今回は主なシリーズについての説明。手軽に開催される反面、開催スパンも短いものが多く、現在は既に開催終了しているものも含めて紹介。今回はモータースポーツの各シリーズ公式で実施されているもの。

1:F1 Virtual Grand Prix(現在開催中)

4/20現在、中国GP(実際の第3戦相当)まで開催され、実際のグランプリの開催までは恐らく開催される気配が濃厚なシリーズ。挙動がゲームと酷評されながら、現役F1ドライバーが続々と参戦中。並行して、e-sportsのドライバーたちのみのレースも開催されており、レベルとしてはもちろんこちらの方が高い。レースの長さは実際のレースの50%程度に設定されているため、全体の展開も速いし、ダメージ設定もないため現実よりもアグレッシブなレースが展開されているので、見ている分には楽しい。しかし、これがレベルが高いレースなのかと言われるとまた別の話。公式画面以外の映像がないのもe-Motorsports的には少しマイナス(詳しくはまた別で説明)。

2:Indy car iRacing Challenge(現在開催中)

恐らく現在のe-Motorsportsでは最も豪華な取り組みのインディカーの公式シリーズ。NBCのネットワークでも放映され、インディカーに参戦しているほぼ全員のドライバーに加え、NASCARからもカイルブッシュや、ジミージョンソンといったトップドライバーが参戦してきている。日本人ドライバーの佐藤琢磨も先日の第4戦のもてぎから遂に参戦を開始。日本のGAORAでもその模様が中継されるなど、e-Motorsportsのみならず、e-Sportsとしてもテレビで放映されるという功績を残した。このシリーズは実際のインディカーのカレンダーとは連動せず、ランダムに様々なコースを使って走ることでバーチャルの利点を最大限に活用していることが特徴として挙げられる。また、参戦している何名かのドライバーは自身でも配信を行っている。このドライバー毎に個別に配信を行うスタイルはe-Motorsports、ひいてはe-Sportsの大きな特徴の1つであり、レースを多角的に観戦するために非常に有効な手段となっている。

※インディカードライバーの配信チャンネルとして有名なのはペンスキーに所属するジョセフニューガーデン。レース中のエンジニアとの会話などすべてを配信しているので、実際のレースを見るより情報量も多く楽しみやすい。


3:eNASCAR PRO Invitational(現在開催中)

これもインディカーのシリーズ同様にiRacingを活用しNASCARが公式で開催しているシリーズ。こちらは実際のシリーズ同様現在はFOXが中継を担当し、コメンタリークルーも実際のシリーズと同様のメンバーをそろえて配信している。ただ、NASCARに関しては後ろ向きなニュースが先行しており、キレ落ちしたドライバーがスポンサー契約解除とか、人種差別発言で解雇とか、元々乱闘騒ぎなども多く、若干粗暴な印象があるNASCARの印象そのままのイメージがバーチャル上でも展開されている。そんなNASCARシリーズもドライバーの何人かはYouTubeでチャンネルを開設しており、悪童と名高いカイルブッシュもその一人。ただ、生配信は行わず、ハイライトが中心の模様。

4:Esports WTCR 2020(現在開催中)

元々2年ほど前からひっそりと開催されていたWTCR公式シリーズ。レースシムとしては若干マイナーなRaceRoomという機材を使用している。これまではeSportsのレーサーを中心にしたシリーズだったが、今年は実際にWTCRに参戦しているレーサー中心のシリーズとして開催されている。WTCRのレースフォーマットが元々周回数も短く、スプリント色が強く、且つ接触も比較的寛容的なため、リアルなレース同様非常に迫力のあるレースが展開されている。しかし、そもそものシリーズの知名度があまり高くないため、実際の視聴者数、参加者数ともに見劣りする印象が強い。

5:SRO CHARITY CHALLENGE(休止中)

GT3、GT4 カーを中心に展開する旧ブランパン耐久シリーズを運営するSROが公式に行ったチャリティレース。このシリーズ公認ソフトであるアセットコルサコンペティツィオーネを使用。元々のエントラント数が膨大かつ、ドライバー数も膨大にいる、且つアジアはアジアでサテライトシリーズもあるということでそこまで入れると非常に多くのエントラントを抱えるため、このeSports上ではそれらのエントラントというより、一部の抜粋と、eSportsレーサーたちの混合チャリティレースを開催。

平行して、散発的にシリーズ戦もどうやら開催されている模様。とにかくグラフィックと音の再現度が高いので、純粋に見てるだけで楽しい。


6:FIA GRAN TURISMO CHAMPIONSHIP

唯一のPS4使用シリーズでありながら唯一のFIA公認の世界選手権シリーズ。参戦の敷居の低さも相まって、様々なプレーヤーが自身のオンボード映像を配信(PS4から簡単な設定だけでライブ配信が可能)をしており、e-Motorsportsという意味では最も身近なシリーズ。一部では挙動に対して批判的な意見も見られたが、このシリーズでの結果を認められ、実際のレースでも結果を出すことができたドライバーがレッドブルの育成に抜擢されたこと、過去にも何名ものプロレースドライバーを発掘しているなど、実績の面ではパソコンのシミュレーターにも引けを取っていないシリーズ。

次回はカテゴリーの枠を越えて様々なドライバーが参戦したプライベートシリーズについて紹介予定。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?