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人生ブランコ

 実は先週、息子が濃厚接触者になってしまい、家族みんな10日ほど自宅待機をしていました。検査の結果、陰性で何事もなかったのですが、外に出られると知っていて出ないのと、極力出ない方がいい、というのではまるで違いますね。特にわたしは出歩くのが大好きな性分なので、日が経つにつれてモヤモヤとしていくではありませんか。

 でも外出が解禁になった瞬間、外の世界から歓迎されているかの如く、素晴らしい春景色。桜は満開で桜の他にもたくさんの花が咲いていて、蝶が舞っている、そして暖かい日差しにウグイスのさえずりまで聞こえてくるではありませんか。全てが優しいパステルカラーの世界。天国ってこんな場所なのかも〜、なんて思うほど心地の良い素敵な景色でした。

 でも待てよ。こんなに感動できたのも家の外から出られないってことがあったからなのかもしれない、と思ったのです。何かの本に書いてあったな。マイナスがあるからプラスがある。ブランコも上がるから下がれる。下がるから上がれる。いいことを感じられるのも、ついてないことを経験しているから。闇があるから光もある。ずっとあの天国のような陽気にいられたとしても、ここまでの感動はきっと味わえなかったのかもしれません。雨があるから晴れの日がありがたい。まずいものに出会ったから美味しいものがありがたく感じる。全てのことに言えるのではないでしょうか。

 今からすると、NYの冬はキツかったな。雪が降ってくれたら楽しいし、神秘的な景色がきれいだけど、降らない日が多いからめちゃくちゃ寒いし、冬が長い。最後に住んでいたブルックリンの家なんて北側の一階、しかも築100年位の家だったから、隙間風に天井は高いうえに暖房はセントラルヒーティングが主流なはずが、日本で使うようなエアコン。それがなかなか暖まらないんだな。電気代も物凄く高くなるのです。なので節約もしました。

 写真はダイニングの窓。冷蔵庫の中ではありません。古いステンドグラスの隙間から冷気が入ってきてこんな感じ。

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今となってはいい思い出です。でも、あの冬があったからこそ、NYの短い春はとてもありがたく感じていました。夏なんて最高です。無料の野外コンサートがたくさん楽しめるし、うちは海にも近かったので、暇があったらビーチでのんびりしたり。あの冬眠から覚めた感じ。こっちではないかも。

 こんなことを書き始めたら終わりがなくなるけど、NYで味噌を1パックを手に入れるために片道300円近く電車賃を払い、小一時間かけてお店へ行き、8、900円出して買っていたからこそ、今、近所のスーパーで買える300円の市販の味噌や、今は幼稚園で手作りをした味噌のありがたみを噛み締められるのです!(手作りの味噌ってなんてこんなに美味しいのでしょうね)

 洗濯だって、何年もサンタさんのようにランドリーバッグに洋服詰めてランドリーまで2時間くらいかけて洗いにいくのも、今ではピピ!と2回ボタンを押すだけですからね。この感動を一年経っても当たり前には感じません。

 20代半ばの頃、NYのど真ん中で孤独を感じ、レギュラーの仕事も無くなって貯金も使い果たし、どん底を味わっていた時。通りすがりの占い師に励まされるほどマイナスのオーラを漂わせていた私。でもその頃の自分がいたから今、大好きな家族に恵まれてありがたみを感じられる自分がいるのでしょう。

 まさに人生はブランコのようです。

あれ?どこからこんな話になったんだっけ?

そうそう、近所の公園は春がいっぱいで最高でしたよ〜!ってことを話そうとしてたのでした。

まあ、いっか。

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