マスクと共に生きる

　マスク、マスク。みんなこのご時世で世界中が顔の半分以上を覆い隠す時代になりましたね。わたしは小学生の頃、給食当番でマスクをしなくてはいけないことが嫌で嫌でたまらなかったのを思い出します。小学校を卒業してやっとマスクから解放された！と思っていたことを思い出します。まさか大人になって世界中がマスクをして生活をしなければいけない日が来るなんてその時は思ってもいませんでした。しかもマスク嫌いなんて言っている場合じゃないくらい怖く、不安で深刻な世の中。

でも今日はあえてそんな生活に欠かせなくなった『マスク』について思ったことを綴っていこうと思います。

　以前お伝えしたように、私たちは2月1日に長かったNY生活に終止符を打ち、日本での暮らしをスタートさせました。その頃はギグにレッスンにレコーディングに子供の学校に引越しの荷造りにバタバタで、テレビは見てないし、インターネットでのニュースもそこまでチェックしてませんでした。アジア系のマーケットでマスクをした中国人の人たちや韓国人の人たちがいたので、友人に最近アジアでマスク流行り始めたんだね。なんて話してたら「何言ってんの？！今、コロナウイルスって病気が流行りはじめて大変なことになってるんだよ」と。まだNYもあんな大惨事になるなんて誰も想像がつかなかったことでしょう。すっかり流行りのファッションだと思っていたわたし。

　帰国してみるとやはり、マスク文化の日本人はみんなマスク姿。違和感なく。2月に帰国して3月から新居がある東京都八王子市に来たわけですが、「初めまして」と出会う新しい顔は全て半分以上がマスクで覆われた顔。知っている顔が３分の２隠れているならなんの問題もないのに、初めましての顔が３分の１しか出ていないのです。もう目と声と風貌で人を覚えていくしかない。

　なので毎日幼稚園のバス停で顔を合わすママ友の顔ももれなく、目元しか知りません。よく話すほど仲良くなってきたのに不思議な感じ。マスクの下は一体どんな顔をしているのだろう？！

　ある時、その謎が解明できる瞬間が来たのです。そのママ友とマスクの話になり、「阿部さん（私のことね）って、そういう口元してるんだね！私の顔って見たことないでしょ？」ってまるで口裂け女がマスクを取る瞬間の様な緊張感で（話をちょっと盛ってみた）彼女の顔を覗き込む。。。

ハキハキした先輩ママはキョロリとした目が印象的な方。話し方からしてはっきりとした発色の口紅が似合いそうな、口は大きな方なのかと思っていたら、あれれ？と思うほどアゴが丸くて口も優しさが溢れる感じの小さなお口でした。あの時のギャップといったらなんと表現したらいいものか。皆さんもそういう経験最近ありませんか？このご時世ならではの『あるある』ですよね。人は目元だけで勝手に残り３分の２の顔を想像しちゃっているのですね。不思議です。

　また、私は人のマスクのチョイスにも興味が湧いてきて、日々みんながどんなマスクをつけているのか観察をしています。はい。暇人です。使い捨てのマスクをしている人もいれば、おしゃれな花柄、チェック柄、オーガニックコットンの素材であったり、レースのあしらったマスクであったり、夏場は蒸れない様に冷却マスクなんてのもね。まさに多種多様。みんないろんなマスクをしていますね。

そこで私は「人のマスクのチョイスはパンツ（下着の方ね）のチョイスと似ているのではないか？」という新しい説を考える様になりました。（何を馬鹿なことを考えているんだか。黙っているとよく真面目でおとなしい人だと思われるんだけど、頭の中はいつもこんな感じ〜）

だってそうじゃない？レースのマスクなんてつけているご婦人を見たら、もう恥ずかしくて目を背けちゃうのは私だけでしょうか？ぴったりしたフィット感マスクつけている男の人見るとブリーフ派かしら？とか思うのは私だけ？そんな私もマスク選びはオーガニックコットンとか自然な素材のマスクないかな、使い捨ては嫌だし、、、とか書いたら自分のパンツばらしちゃいそうになりますね。自分と自分の家族以外のパンツは調べようがないので『マスクとパンツ説』のリサーチは私の妄想止まりですが、暗く生きるより、馬鹿なことを考えて乗り越えよーというのが今の私のモットーです。

　そんな中、日本国民が太っ腹な政府からプレゼントしてもらったあのマスク。見事に誰もつけていませんね。つけている人まだ見たことないな。テレビをつけるとただ一人、つけている人がいますが、彼のパンツはどんなのだろう？なんてちょっと考えてやめました。