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2024年3月 18きっぷの旅、会津柳津~土湯温泉

前の週に、18きっぷを握りしめ、常磐線を北上したが、暴風のため運休区間多発につき、続行すること断念。今回は上越線から只見線、さらに福島へと2泊3日のプランを立てた。
まずは、柏から上野、そして高崎へ。朝メシを食べたいし、長く乗るのでここはグリーン車。が、スイカグリーン代が値上がりして、高崎までだと1550円になってしまった。100㎞をちょっとだけはみ出すのだ。そこで、ひとつ手前の倉賀野まで1000円チャージ。
たぶん高崎まで乗っていても問題なさそうだったが、席上のランプが赤に変わってるのを見咎められるのもいやなので、倉賀野で普通車に移動した。
水上で乗り継ぎ。平日のため18きっぷ客はさほど多くなく、余裕で乗り換え。

水上ではホームに雪がびっしり。この先、積雪量は増えていく。

トンネルを抜け新潟県へ入ると、積雪量はさらに増す。

土樽駅ホームはどっさり雪が積もっていた。

越後湯沢周辺にもそこそこ積雪量。六日町あたりで田んぼの雪がやっと消えた。
実は高崎駅で乗り換え列車を待つ時に、ホームに気になる人がいた。被っている帽子、その容姿、少し前屈みの姿勢、そして何より横顔。宮脇俊三さんにそっくりなのだ。ちょうど国内各地や世界中をご一緒して歩いていた頃の、お姿に実に雰囲気が似ている。へえ、こんなことがあるんだなあと思っていたら、水上で乗り換えた後、間近な席に座っておられた。

失礼ながら1枚撮らせていただいた。お許しを。30年ほどタイムスリップしたような錯覚。
帽子、パーカー、黒い靴、黒いザック、どれも宮脇さんが身につけていたものに酷似。
そして、何よりメガネをかけたお顔。とりわけ下唇や顎のあたり。

小出駅で下車。長い乗り継ぎ待合せがある。橋を渡って、町の中心部へ。以前にも寄ったことがある蕎麦屋でランチ。

富永。たまたまカウンターで隣り合わせたのは、いずれも男一人客。みなビールを飲む。
もちろん、ぼくもビール。サッポロラガー大瓶。本日の蕎麦ランチ。満足なり。

これまた寄ったことのあるスーパーで少々買い出しをして、駅へ戻る。

魚野川にかかる橋からは、八海山だろうか真っ白な雪に覆われた山並みが見えた。
駅近くの幟が賑やかな店でコーヒーを1杯。店内は撮影禁止で場末のスナックのような風情。
バアさんがひとりで切り盛りしてる。他に客はナシ。コーヒーは豆から挽いて淹れてくれたが、まあまあの味。こんな店で、なんと1杯640円もする。

さて、小出駅からは只見線。詳細は別項で。

小出駅発会津若松行きの列車は2両編成だった。

3時間あまり、ローカル線の沿線景色を楽しませてもらい、会津柳津駅で下車。他には誰も下りなかった。今日の宿は駅から歩いて10分ちょっと。

崖の上に立つのは真冬の裸詣りで有名な園蔵寺。15年前に、やはり只見線に乗りに来て、途中下車してお詣りしたことがある。今日はすでに拝観時間が終わっていた。
圓蔵寺下はメインストリート。その名も赤べこ通り。会津の民芸品、赤べこはこのあたりで生み出されたという。

お宿は、会津柳津温泉、花ホテル滝のや。お寺周辺にも宿は数軒あったが、どこも閑古鳥が鳴いていたのに、ここだけは繁盛しているようだ。部屋は3階の紅葉。まずは温泉に入って温まりたい。

屋上の露天風呂は1時間単位で貸切制。左の大きな浴槽は熱すぎて水で埋めても入れず。
右の小さな方にだけ体を沈めた。
内湯もやはり温度は高め。そして塩分が濃い。湯上がり時にシャワーで、せっかくの温泉成分をついつい洗い流してしまう。まあ、しかしよく温もるわ。おかげさまで独泉。

風呂上がりに持参の缶ビールをグビリした後、夕食は部屋で。宿主が日本酒好きらしく、日本酒の銘柄別説明ガイドがフロントに置いてあった。3種飲み比べと、コップ酒1杯を注文しておいた。ボトルの写真を撮りたいので、部屋へ持ってくる前に階下へ呼んでと頼んでおいた。

飲み比べのひとつは、天明の純米大吟、一火閏号。飲んだことない。それもそのはず、4年に一度、閏年の時にだけ仕込まれる酒。いつもの天明より、華やかで甘みのある味わい。こりゃ旨いわ。
天ぷらは、エビ、フキノトウ、マイタケ、カボチャなど。揚げたてで香りよい。この膳の他にメインが寄せ鍋。
飲み比べは、先の天明の他、寫楽純吟、奈良萬おりがらみ。コップ酒は花泉酒造のロ万純吟。ロ万が食中酒としてはバツグンに相性よかった。

一服した後、また温泉に浸かり、まったりモード。寝酒をいただき、熟睡。

一夜明けると、天気予報通り、雨が降っていた。

朝風呂の後、朝食をいただき、階下でコーヒーなどいただき、只見線の時刻に合わせて、駅へ送っていただいた。
会津柳津から終点会津若松まで車窓風景を楽しみ、その後は、郡山で東北本線へ乗り継ぎ、福島駅から送迎バスで土湯温泉へ向かった。駅ではミゾレだったが、山へ入る頃には雪。温泉街は数㎝雪が積もっていた。

今夜の宿は、YUNOMORI ONSEN HOSTEL。老舗の山水閣が、廃業宿をリノベして経営する。
天井の高い食堂ホールの奥には大きな書棚。向こうの方は洋書ばかり。

部屋は10畳で、広縁、トイレ、洗面所付き。トイレはもちろんウォシュレット。シンプルながら広々と快適。せっかくなので温泉街を散歩。長靴と傘を借りられるので安心。

橋のたもとの大きなこけしにも雪が積もっている。
おしゃれなカフェ、おららのコミセ。食事なしプランだったら、こういう店で食べるのが楽しそう。まあ、雪だったから大変だったかな。
昨日までは暖かくて、雪も消えていたのに、とのことだった。

部屋は3階、まずは、目の前の大浴場へ。おお、熱すぎず適温のお湯。これは心地よい。クセのないやさしいお湯。また後で入りに来よう。

風呂上がりには、缶ビールの後、一昨年暮れに蔵見学で訪れた大七のカップ酒。ここは生酛造りでしっかり仕込まれるので、カップ酒でも十分美味しい。

大きな本棚がある食堂ホールは昼間はカフェ、夜はバー営業している。夕食はワンプレートディナー。
脇にはシェアキッチンもあり、アジア系の若者がふたりあれこれ料理していた。

温泉街では麹を使った土産なども売られている。麹漬けのポークは旨い。このお皿の他にたっぷりのスープが付いて、1100円はリーズナブル。
クラフトビール飲み比べ。よなよなのIPA青鬼はいつも飲んでるが、アフターダークが一番美味しく感じた。

雪のため、部屋のテレビの地デジが3局ぐらいしか入らず。そんなこともあるんだな。一服後、また温泉に入り、今度は独泉。

翌朝、目覚めてみれば、雪は止み、青空が広がっていた。これまた予報通り。
大浴場、朝は昨日とは男女が入れ替わっていた。こっちの方が浴槽が広い。のびのび独泉。

朝食も食堂で。

パンが2種。焼いてある。サラダ横のハーブチキンは自家製。これで950円。これまたリーズナブルと思った。ちなみに部屋代は6000円。なかなか費用対効果は高いと思う。
こちらがシェアキッチン。朝は別の男性が、手の込んでいそうな朝食を作っていた。

昔は山水閣へは台湾からのお客さんがけっこう来ていたようだが、今はこちらのHOSTELに、1日に必ず1組以上は欧米のお客さんが泊まっているという。宿はもちろん、温泉街としても積極的に誘致している姿勢が随所に見られた。
10時には、送迎バスで福島駅まで送ってもらう。無料送迎付きというのも列車で旅する者には非常にありがたい。

送迎車の車窓に吾妻小富士かな、雪を被った山が見えた。

福島からはこまめに列車を乗り継ぎ、ひたすら帰路の旅。

郡山駅でおにぎりかパンを買いたくて、改札外に出たが、買えずじまい。
利根川を渡る頃には、昨日の雪景色は夢の中の出来事だったかのように………。

さて、次は夏の18きっぷ、どこへ行こうかな。


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