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2023年3月 18きっぷの旅、飯坂温泉

いさぜん旅館を出ると、曇り空で寒い。駅まではすぐ。

ちょっと坂を登った所に駅舎が立っている。
待合室にはコケシを題材にしたカワイイ作品が多数。

ほどなく、列車がやってきた。昨夜から今朝にかけて、部屋のすぐ脇を走る列車の音を何度も聞いていた。

奥の細道、と車両先頭に描かれた列車に乗る。
小牛田駅で乗り換え。

小牛田から塩釜へ。ここで、仙石線に乗り換え。

寒風に吹きさらされた塩釜のホーム。10分余りの待ち時間の間に上下それぞれ長い編成の貨物列車が通過。ヤマトの貨車が数両ずつ入ってた。

仙石線の車窓は見逃せない。松島湾の風景。

車窓には穏やかな海。

と、空に煙で模様が描かれる。そうか、この近くにブルーインパルスの基地があるんだ。

煙で輪が描かれた。
編隊を組んで飛ぶのも難しそう。撮影できなかったが、列車の真上を1機飛んでいった。

終点、石巻。折り返しの間に、改札を出て、駅舎を眺める。40年ほど前、駆け出し編集者の頃、宮脇俊三さんに同行して石巻へ来た時、地元の方から、石巻には駅がふたつある、電車駅と汽車駅、と聞かされた。今でも覚えている。もちろん、宮脇さんの「終着駅へ行ってきます」にも書かれている。

石巻は今やすっかりマンガの町。駅前のモニュメント。
こちらがかつての汽車駅。今は閉ざされてるのかな。
こちらが電車駅で昔は仙石線専用だったと思う。
石ノ森章太郎の故郷、キャラクターは町中に置かれている。

さて、仙石線を引き返し、仙台へ。もうお昼。昨日もらった地域クーポンで土産を買った後、駅を出て、エデンという新しい施設へ。そこにある餃子の店でランチ。

庭を囲むように飲食店が配置されているエデン。餃子STANDカワグチへ。
今夜の宿は夕食の量が多いと口コミで皆さん書き込んでいるので、軽めに餃子1皿と生ビール。

仙台からは東北本線を白石乗り換え、福島へ。短い乗り換え時間で慌ただしく、福島交通飯坂線へ乗り換えた。車内には可愛いペイントや温泉の暖簾。

飯坂温泉駅から見た温泉街の様子。やっぱり、温泉街には川がよく似合う。

駅構内隣接のコンビニで缶ビールなど買って、今夜の宿へ。歩いてすぐ。平野屋旅館。1泊2食5000円で泊まれるが、今回はお任せ料理7700円で予約。もちろん全国割適用のため、6000円ちょっと、さらにポイント使って5000円台。さてどんな宿かな。見た目は古そう。

建て付けのやや悪いガラス戸を引いて入ると、ご主人夫妻がすぐに出迎えてくれた。
案内された十二号室。8畳の畳は擦り切れてる。和式だがトイレも付いていて、冷蔵庫、洗面所もある。
なんと、庭に面して広縁もあった。
廊下は所々たわんでいて、歩くのに注意。階段を登ると巨大な鏡があった。

まずは、外湯を巡ろうと思う。先ほどから小雨が降っているので、傘と履き物を借りて、外へ。目の前に波来湯があるが、ここは後で。飯坂温泉には前に泊まったことがある入舟という古くて安い宿があったが、廃業したみたい。残念だなあ。少し歩くと、飯坂のランドマーク、鯖湖湯。何度か入ったことあるのでパス。大きな神社は八幡神社。仁義を切ってお参り。その近くに目指す八幡(やはた)の湯。

八幡神社。けんか祭りで知られるらしい。
自販機で200円の入浴券を買って入る。
丸い湯船が中央に。先客3名。

そもそも飯坂温泉の湯は熱い。ここはどうだろうか。こんにちわ、と挨拶して中へ。体をよく洗ってから、恐る恐る湯温を確かめると、めっちゃ熱いわ。やっぱり。足だけ入れても我慢できない。その様子を見て、水入れたらいい、と言って下さる。ありがたや。少し水を入れさせてもらい、その近くに思い切って身を沈めた。浸かればなんとかなる、はずだったが、1分ももたず、出た。足が火傷したみたいにヒリヒリする。常連さんは平気そうにどっぷり浸かってる。ただ、1人のお客さんは今日はちょっとピリピリするかなあ、と。よし、もう一度。やはりすぐ外へ。3回目で少しだけ慣れたかな。もう限界と、お先に失礼します、ありがとうございました、と声をかけたら、1人の人が、旅で来てるの? それでここに入ったんなら大したもんや、と褒めてくれた。嬉しいねえ。

脱衣所のホワイトボードには、46.9℃。そりゃ熱い訳だわ。

浴舎を出ると、外気が体を冷やしてくれて気持ちいい。見晴らしのいい公園があった。かつての城跡だと看板。

古舘の跡、という説明板があった。

雨はまだ降っている。宿の前の波来湯は、新しく建て替えたみたい。階段を降りて、川面レベルに受付。

新しいせいかここは300円と、ちと高い。
浴室内もピカピカにきれい。若いお客さんが多い。熱い湯45℃、温い湯42℃。それくらいは全然平気だよ。

少し物足りない気分で風呂から上がり、宿へ戻った。さて、今度は宿の内湯。どのくらい熱いかなあ。源泉掛け流しと言ってたからなあ。

シンプルな浴槽にお湯が流れ続けてる。ぬるい! あれ、これは好みの湯温だわ。長湯OK。
ここが湯口。

脱衣所の成分表を見ると源泉温度60℃とあったが、後でご主人に確認したら、冬はあれぐらいの温度に自然になってしまう、夏は熱いんですよとのことだった。夏でなくて良かった。風呂上がりのビール、プッハー。
18時半、夕食が運ばれた。噂通り、すごい量だなあ。2人で切り盛りしてるから、当然、冷めてる皿もある。熱い皿は、タラとキノコのホイル焼き、茶碗蒸し、固形燃料に点火した陶板焼き、だけ。ま、しょうがないかな。

刺身はカツオたたき、冷えたナス田楽や煮物、ブリ照り焼き、天ぷらは不味かった。温かいおかずはそれなりに美味しかった。が、量は多過ぎる。冷めた料理を出すくらいなら、酒肴を出してくれたらいいのにと翌朝、ご主人に伝えた。
これはサービスと、グラス1杯注いでくれた。すっきり旨い。

ついでに日本酒も注文。にいだしぜんしゅの80%磨きがあるというのでそれにした。

ここの蔵は昨年、見学候補にあげたが今は見学やっておらず。
なかなか好ましい色合い。しっかり米の旨みを出していて美味かった。
ついでにこれもサービスしてくれた。すっきり系。

1時間半ほどして空いた食器を片付けられ、あとはそのままにしておいてと言われた。ここはやはり基本の5000円で泊まるのが正解。差額2700円は、翌朝口コミの写真をチェックすると、ブリ照り焼き、煮物ぐらい。あとはグラスの酒か。いずれにせよ、そこまでの価値はないと見た。
寝る前にもう一度、ゆっくり温泉に浸かった。昨夜に引き続き、花粉症がひどく、夜中に何度か目が痒くて目が覚めた。
翌朝、ご主人によれば粉雪が舞っていたそうな。5時過ぎに風呂へ行くと先客。
7時から朝食。

ご飯はなかなか美味しかった。

朝食後、名残りの一風呂。朝ドラを観てからチェックアウト。

飯坂温泉駅前の芭蕉像。
芭蕉の隣に朝食にも出ていたラジウム卵の像。

列車を待っていると背景の山の頂上は雪で真っ白だった。

今朝は気温が低く寒かった。

さて鈍行乗り継いで帰ろうか。

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