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「寄り添う心」と「乗り越えようとする気持ち」 ~【櫻坂46】パフォーマンスの原点~

櫻坂46は、楽曲をとても大切にするグループである。
秋元氏をはじめ、プロの手で作られ与えられるというスタイルはとっているが、楽曲が生み出される端緒は、すべて彼女たちの中にある。
それを知っているからこそ、一曲ずつ丁寧にパフォーマンスすることに全身全霊を傾けているのだ。

欅坂46時代、中学生~大学生という年齢層のメンバーがパフォーマンスをすることで、楽曲が伝えられてきた。
櫻坂46となってからは、メンバーが年齢を重ねたことで、高校生から20代後半までをカバーできるようになってきている。
そのため、楽曲に登場する主人公たちも、恋愛をしたり、仕事に就いたり・・・というように、少し大人として登場するようになった。

欅坂46では、センターが固定していたので、平手さんを通して表現されるものがオリジナルとなる。
しかし、櫻坂46となってからは、センターが複数となったことから、楽曲の解釈も、メンバーごとに彩りを増してきている。
パフォーマンスをするに当たって、歌詞を読み込み、楽曲に込められたメッセージを彼女たちなりに解釈しているはずである。
その気持ちや解釈が元になって、楽曲が披露されることで、櫻坂46としての独自のスタイルが出来つつあるというのが、彼女たちの現在である。

センターを担っているメンバーをみると、比較的視野が広く、感受性が強い人が選ばれているように感じる。
ライブなどでのパフォーマンスはもちろん、外番組などでドラマやコントに出ている様子を見ていても、ナチュラルな演技をみせてくれるメンバーが多い。
これは、普段から人間観察をしっかりとしていて、人の気持ちを慮ることができることを表していると言えるだろう。
楽曲を披露する時も、ファンの目線や気持ちをしっかりと考えながら、パフォーマンスができないと、観ている側に寄り添ったものとはならない。
自分の気持ちをただぶつけているだけでは、相手に届かないのである。

先日発表された理佐さんの卒業について、メンバーの皆さんがブログやトークで、それぞれの気持ちを表している。
そこでは、理佐さんがいなくなって寂しいという感情と共に、「ファンの皆さんがこれからも応援してくれるのか」「グループとしてやっていけるのか」を心配する声もあるようだ。
これは、元々、欅坂46のファンでもあった二期生たちの正直な気持ちなのだろう。
欅坂46の象徴的なメンバーが次々と卒業することで、「グループが存続できるのか」というのは、ファンであれば誰しも考えるところである。
そんなファンの気持ちに寄り添える繊細な感受性は、センターに必要な資質と言えるだろう。

しかし、センターを務める彼女たちには、そんな気持ちを乗り越えて、グループやファンを新しい未来に牽引していくという大切な役目がある。
危機的状況に遭遇しても、自分たちが、グループや楽曲の主人公になるという気概と根性をもって、これからの櫻坂46を満開にするべく、凜々しく力強く活動を続けていってくれることを願うばかりである。
それこそが、グループをこよなく愛している理佐さんが一番望んでいることではないだろうか。
普段のメンバーたちの様子をみていて、それが可能だと確信したからこそ、彼女は「卒業」という選択をしたはずである。
理佐さんをはじめ、卒業したメンバーがライブを観るために海外に行かなければならない未来は、もうすぐそこまで来ている。
自分たちのポテンシャルを信じて、これからも素晴らしいパフォーマンスを見せ続けてくれることを心から願っている。

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