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熱くメッセージを届ける ~【櫻坂46】紅白歌唱曲の発表を受けて~

 紅白出場にあたり、各アーティストの歌唱曲が発表された。

 櫻坂46は、「流れ弾」で出場するようだ。
 欅坂46時代から、紅白ではいつも好待遇を受けているのだが、今回もかなり攻めた楽曲の披露が許されたと言えるだろう。
 「サイレントマジョリティー」「不協和音」「ガラスを割れ」と、今まで紅白で披露してきた楽曲は、世間に対して強いメッセージを投げかけるものが多い。
 今回の「流れ弾」も、この流れにある楽曲である。
 これは、櫻坂46に改名した後も、グループが持つ高いパフォーマンス力によって、楽曲の世界観とメッセージを力強く伝えてくれることが期待されていると言えるだろう。

 「流れ弾」の歌詞は、SNS上の炎上やどこから飛び火してくるか分からない批判や誹謗中傷などが題材として扱われているが、その描写がかなり直接的である。こんなに微に入り細に入り表現しなくても良いのに・・・と思えるほどSNS上の言動を表す歌詞が延々と続いている。
 作詞の秋元さんが、日頃からSNS上で受けている仕打ちに対して、いろいろと思うところが多いのだろう。書き始めたら筆が走りすぎて、止まらなくなってしまったのが、なんとなく伝わってくるほどの熱量である。
 社会にある現実などを歌で表現する時には、直接的な表現を避けて、婉曲表現をしていくことが多いのだが、今回は、かなり具体的に書いている。
 これは、もう婉曲表現を使っていたのでは収まらないレベルまで、SNSをとりまく環境が悪化している現状に対して、秋元さんが非常に危惧していることの表れであるのかもしれない。
 作詞家が持っている語彙力を駆使して、「あなたたちがやっていることは、こういうことですよ」と的確な言葉で表現していくことで、それらの行動の無慈悲さを示した結果が歌詞になっていると思えるからだ。

 今回の歌詞は、この部分が多いことから、誤解を招きやすい要素が揃っているとも言えるが、それでも、言いたいことはハッキリしている。
 歌詞の中でも、わざわざ「Wait a sec」と周りを静かにさせた後に、「言いたいこと 言わせてくれ!」という形で、自分の主張を発表している。

語り合おう 見つめ合おう 愛がなくちゃ世界は終わる

「流れ弾」より抜粋

 この一言にたどり着くまでが長い。途中がもう少しなんとかならなかったのかと思ってしまうのだが、秋元さんの場合は、伝えたい気持ちが高まってしまうと、歌詞が長くなる傾向がある。長年のファンは、この歌詞の分量で、秋元さんのやる気を推し量るバロメーターにしているくらいである。
 その意味では、櫻坂46に対して、興味を持って取り組んでいることが伝わってくる。

 紅白では、この最後のメッセージをしっかりと世間に伝えてくれることだろう。
 日本国内はもちろん、世界にも配信されている番組だけに、このメッセージを伝える意義は大きい。

 毎回、全身全霊で楽曲の世界とメッセージを届けてくれる彼女たち。
 彼女たちのパフォーマンスが、世界に向けた愛と救いのメッセージとして、広く伝わっていくことを大いに期待したい。



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