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自分たちを見つめ直して得たもの ~【櫻坂46】パフォーマンスの進化~

 音楽番組での「流れ弾」披露が、一通り終わった。
 MVの段階でも、かなりのレベルまで達していたことから、TV番組向けのパフォーマンスをとても楽しみにしていたのだが、しっかりと期待を超えるものを見せてくれたことが嬉しい。

 雑誌やWebのインタビュー記事を読んでも、彼女たち自身、2ndシングルまでの状況に全く満足せず、「何か足りない」「届いていない」という現状分析のもと、さまざまな模索を続けていたようだ。

 その一つの答えが、3rdシングル『流れ弾』であるわけなのだが、櫻坂46として、今までやってきたことから取捨選択して、次のステージに行くために進化しようとしているのが、画面からもひしひしと伝わってくる。

 これは、ひとえに「人々の気持ちに少しでも寄り添いたい」「苦しんだり悲しんだりしている人を応援したい」という純粋な気持ちから生まれてきている。
 彼女たちのそんな思いから、楽曲が生まれ、振付が生まれ、衣装やアートワークが生み出されている。彼女たちの存在が、周りにいるプロの創造力を刺激しているのだろう。
 今回のシングルを見ても、『チーム櫻坂』全体から、「人々を気持ちを明るく元気にしようとする情熱」が強く感じられる。

 彼女たち自身も、変わっていこうとしている姿をそのまま見せることで、世間の共感が得られることを学んだのかもしれない。恥をかくことを怖れなくなり、何にでもチャレンジしている様子が見られるようになってきた。
 彼女たちが、精一杯、がむしゃらに取り組む姿は、とても清々しい。

 今までは、どうしても悪目立ちしたくないという気持ちが強すぎて、個性を発揮することを極力避けてきたように感じられた。パフォーマンスでも、物語の役に徹することは良いのだが、それに慣れてしまったせいか、全体を意識しすぎて、消極的になってしまう傾向があった。
 グループとして輝けば、個々が輝くか否かは二の次と考えていたのかもしれないが、今は、大きく変わっているのではないだろうか。

 衣装も、一人ひとり、形や色合いを変えたものが採用されることが増えている。全体としては、まとまりがあるが、以前のように画一的な制服ではない。
 パフォーマンスをしている時も、前までは、それぞれのメンバーが、自分の役割を果すことで、全体として、一つの物語を形成していたが、今は、一人に注目しても、全体の物語やメッセージを感じることができる。
 以前は、各々が、1枚の絵を表す1ピースのような存在であったが、今は、一部分に全体の情報を含むホログラムのように、個々のメンバーから、楽曲全体のメッセージが、しっかりと伝わってくる。

 このようなスタイルの変化が、どこまで世間に受け入れられるかわからないが、変えようと努力している姿は、とても頼もしく、我々に大切なことを教えてくれているように思う。

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