リサオ君の葛藤は継続中？　～【櫻坂46】「僕のジレンマ」音源初解禁～

2月27日の「こち星」では、4枚目シングルの共通カップリング曲「僕のジレンマ」の音源が初解禁された。
この曲は、卒業を控えた理佐さんがセンターを務めている。
「櫻坂の詩」以来の全員曲となっており、理佐さんと原田さんをセンター・裏センターに配置し、その周りを一期生が固めるというフォーメーションが話題となった。
今回の「こち星」ゲストでもあった理佐さんから、振付の中に、メンバー1人ひとりと絡む部分が用意されているという情報もあり、文字通り、卒業曲にふさわしい演出が施されているようである。
MVやライブで早くパフォーマンスを観たいのだが、涙腺崩壊せずに観ることができるか、今から心配している。

ところで、今回の楽曲のタイトルにある「ジレンマ」という言葉が、少し引っかかった。
秋元さんは、作詞の際、違和感を覚える言葉をあえて使うことで、聞き手の印象に残るようにすることが多いのだが、今回は、タイトルにもある「ジレンマ」がそれに該当するようだ。

「ジレンマ」とは、「2つある選択肢のどちらを取っても、苦しい状況になること」であり、かなりネガティブな意味を持つ言葉である。
「板挟み」と表現すると、より分かりやすいかもしれない。
類語である「葛藤」は、「心」の状態を表すのに比べ、「ジレンマ」や「板挟み」は、置かれた「状況」を示す言葉である。

歌詞自体を読んでみると、卒業する理佐さんや原田さんに対して、ストレートに「背中を押す形となっていない」ことに気がつく。

夢を追う代償は残酷に過ぎてく時間だ
何を捨てて何を得るつもりか
答えが見えない
僕が僕でいるために僕じゃなくなる

櫻坂46「僕のジレンマ」（筆者書き起こし）より抜粋

この楽曲の主人公は、まだかなり迷っている。
周りからは、かなりきついことも言われているようだ。

人生で大切なのは選択することだ
すべてを手に入れようなんて虫が良すぎるってこと

櫻坂46「僕のジレンマ」（筆者書き起こし）より抜粋

そして、最後には、一歩踏み出すことを止めてしまっている。

そんな僕の身勝手な「さよなら」でさえ
「仕方ないね」と君にそっと微笑まれて
白旗揚げた
無理だよ
もう僕はどこへも行かない
優柔不断
そういわれても構わない
無理だよ
どちらかを一つだけ選べというならば
ここに残って後悔しよう
（中略）
ジレンマ
今すぐに行かなきゃいけない
わかっているのに足が動かないんだ
ジレンマ
でも君を一人だけ残していけない
心が引き裂かれるくらい
どっちへ進めばいいかわからない

櫻坂46「僕のジレンマ」（筆者書き起こし）より抜粋

このような歌詞が与えられていることに、何かしらの意図を感じてしまうのは、自分だけだろうか。
「本当に卒業してしまうの？」
「まだ櫻坂46にいても、やれることがあるんじゃない？」
というメッセージが、歌詞の奥底から聞こえてくるようだ。

どちらにしても、「卒業」は、ファンやメンバーにとって、「心が引き裂かれるくらい」の出来事であることに変わりはないだろう。
グループで一二を争うイケメン＝「リサオ」君の葛藤は、まだまだ続いているのかもしれない。