見出し画像

創造的な姿勢 ~センター適性①【櫻坂46】~

 櫻坂さくらざか46となってから、メンバーのインタビュー記事を読んでいて、面白い傾向があることに気がついた。

 ふつうは、ライブパフォーマンスの時のエピソードや感想、フォーメーション発表の時の感想などを話す場合が多い。ファンとしては、そのあたりは、なかなか表に出ないところなので、是非とも聞きたい部分であることは間違いない。

 そんな中、センターを経験している二期生4人(森田さん、藤吉さん、山﨑さん、田村さん)は、いつも共通した話題をあげる。
 彼女たちに、活動をしていて楽しいことは何かと尋ねると、「制作をしているときが一番楽しい」ということを口を揃えて言うのだ。
 一昨年、欅坂けやきざか46のころ、9thシングルの制作期間に、センター平手さんの不参加が決まり、発売されないまま終わってしまうことがあった。二期生としては、初めて参加するCDやMVの制作だったことから、当時のことを思い出しながら、かなりがっかりしたことを話している。
 櫻坂46となってから、オリジナルメンバーとして、制作活動に参加できるのが、本当に嬉しいようだ。

 欅坂46の時、総合プロデューサーの秋元氏が、平手さんのクリエイティブな一面を話題にあげたことがあった。
 彼が平手さんにLINEで連絡すると、どんなに深夜でも返事がくると話している。このことから、平手さんと秋元氏が頻繁に連絡をとりあっていることがわかる。そのようなやりとりの中で、平手さんからダンスやMVのアイデアを頻繁に提案してくるらしい。
 秋元氏が、「平手は寝ないんですよ」と嬉しそうに日頃の様子を話ながら、平手さんが、年齢ゆえに少ない知識を補うように、寝る暇も惜しんで、さまざまなアーティストや音楽ジャンルに触れることで、新しいものを貪欲に吸収していることを明かしている。
 2ndシングル『世界には愛しかない』のMV冒頭シーンにある平手さんが叫ぶシーンなども、彼女のクリエイティブな面を現す有名なエピソードである。奇しくも、今回の「流れ弾」と同じ池田監督が、当時のことについて、次のように話している。

もともと振り付けの中に平手さんが叫ぶシーンは入っていたんですが、楽曲自体には叫び声は入っていないので、表情だけうまく使おうと思っていました。でも、実際カメラが回ると魂で叫んでいるかのような圧倒的なパフォーマンスで。どうしてもあの叫びを入れたいと思って。ガイド用にカメラのマイクで録れてた音をミックスしました。あれは震えました。

~BRODY 2016年10月号~

 MVなどの制作はもちろん、ライブのセットリストや演出にも、スタッフに対して、意見を言うことも多かったようだ。
 『欅坂46デビュー1周年記念ライブ』の時、シングルの発売順に曲を披露するセットリストだったことに対して、納得がいかず、かなり抗議したという話もよく知られている。恒例の野外ライブの名前を「欅共和国」としたのも、平手さんの発案である。

 欅坂46時代から振付を担当しているTAKAHIRO氏が、スターの共通点について、次のように記している。

 彼らが誰よりも歌が上手だったり、誰よりも演技力があったり、何かが他の人よりも桁違いに勝っているからスターになれたわけではない。
 スターに共通して言えることは、自分の携わる制作物に対して、誰よりも向き合っていることだった。
 作品と向き合い、お客さんにこれをどのように伝えたらいいだろうかと、さらに向き合う。スターは作品を信じ向き合う人だった。その姿勢が見る人を惹きつける大きな魅力を生むのだと思う。

~『ゼロは最強』TAKAHIRO著 光文社~

 このように、楽曲が与えられ、制作期間に入ったとき、楽曲をより素晴らしいものにするために、積極的に取り組み、自分たちの意見を伝え、提案できるメンバーが、センター適性(=スター特性)のある人と言えるだろう。

 その意味で、櫻坂46になってから、センターを任されているメンバーが、制作に興味をもって活動をしていることが、この上もなく頼もしい。
 彼女たちに、思う存分、創造力を発揮できる場が与えられることを大いに期待したい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?