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新メンバーに望まれているもの ~【櫻坂46】募集方法から推測できる「人物像」~

櫻坂46の新メンバー募集は、とても静かに始まった。
彼女たちの冠番組「そこ曲がったら、櫻坂?」の中で、突然、募集CMが流された。
思えば、日向坂46の四期生募集も、似たような流れだったような気がする。
これまでは、皆の注目が集まるライブの最後などで、特報として発表される形をとっていたが、全国放送ではない番組のCMが、最初の告知というのは、今までにないスタイルである。

このような形で募集することになったのは、「現在のグループの状態が良い」ことが理由の一つとしてあるからだろう。
2年目に入り、ライブなどを通じて、一緒に活動をする期間が多くなっているためか、一期生と二期生の絆が深まっていることが、外から観ていても伝わってくる。
二期生が加入した時から、人数の関係で、それまでの「全員選抜」という形が採用できなくなった。
人数が増えたことで、グループ内に少し緊張が生まれ、切磋琢磨していくきっかけとなっていったようだが、それでも、一期生のアドバンテージは大きかったはずである。
しかも、最初に加入してきた二期生9名は、気配りが出来るメンバーが多く、期の違いを乗り越えてまで、自分を主張しようという気持ちもなかったのだろう。それは、彼女たちが一期生を見る時の「尊敬と憧れの眼差し」をみていれば、誰でも気づくことである。

その関係性が大きく動いたのは、やはり『BACKS LIVE』の時だったのかもしれない。
自分たちだけの力で、目前にある難題を超えなければいけない状況となったため、一期生と二期生の垣根を跳び越えて、互いに協力しながら、リハーサルに取り組まなければいけなくなったからだ。
しかし、この経験は、グループにとって、進化のための大きな契機となったことは間違いない。
その後、ツアーやアニバーサリーライブなどの経験を重ねることで、その関係性は堅固なものとなっていく。

そのような活動の中で、「櫻坂46」としてのスタイルが確立していったわけだが、逆にそのことが、一期生の卒業を促すことになってしまったのは、ある意味皮肉なことだと言えるかもしれない。
今年の1月には「23名」いたメンバーも、尾関さんが卒業してしまうと、「20名」となってしまう。
欅坂46時代のように、全員選抜に戻すということも可能だったはずだが、運営は、「未来への準備を開始すること」を選択した。
そこには、二期生メンバーの年齢層が、意外に高いことも要因の一つとしてあげることができるだろう。
グループとして長く活動をつづけていくためにも、10代メンバーの加入は必須である。

次に想定されている要素は、「グループのファンであること」ではないだろうか。
そうでなければ、全国放送ではない日曜深夜の番組の中で、「メンバー募集」を発表しないだろう。
元々、彼女たちのファンであり、彼女たちの番組を観ている人の中から、メンバーを選びたいという、運営側の意図が強く感じられる。
これは、現在のグループのスタイルを「正常進化させていきたい」という戦略が反映された結果と言うことも出来るだろう。
進化や創造には、少なからず、「現状の破壊」という要素が含まれる。
欅坂46時代、東京ドーム公演のライブ映像がリリースされる時、「破壊と再生」というコピーがCMとして流されていた。
そのため、「欅坂46」から「櫻坂46」に改名することは、まさに「破壊と再生」を具現化したものとして捉えられることも多かったのだが、その認識は間違っている。
今の「櫻坂46」の活動を観ていればわかることだが、
改名したことは、決して「破壊」ではない。
櫻坂46として活動することは、「再生」でもない。
なぜなら、「欅坂46」の魂を胸に宿したまま、大きく進化を続けているのが、現在の「櫻坂46」だからだ。
これこそ、「正常進化」と言えるだろう。
当然、運営側も、この進化の流れをより加速してくれるような人材が、応募してくれることを期待しているはずである。

SHOWROOM審査がないことや、研修期間を経てから、加入メンバーを発表するのも、無限の可能性を秘めた将来有望な人材を、不用意な形で世間に晒してしまうことを避けているからだろう。
結果は、11月に発表される。
それまでの間、いくつものライブやフェスを経験することで、「櫻坂46」のスタイルは、より盤石で魅力的なものとなっていくだろう。
新メンバーが加入することで、どのような化学変化を起こしてくれるのか、彼女たちの3年目は、もはや希望しかない。






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