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あえて強みを前面に出さないスタイル ~【櫻坂46】初アルバム「As you know?」を手にして~

リリース日前日であるが、予約していた「As you know?」が届いた。
いわゆるフラゲ(フライングゲット)状態である。
昨日のSHOWROOMで菅井さんが何度も口にしていたのが印象的であったが、やはり実際に手に取って楽しめるのが実に嬉しい。
早速、新曲を確認したり、特典映像のライブを鑑賞したりと、彼女たちを堪能している。

今回のアルバムジャケットも、実に芸術的だ。
「青写真」をモチーフとしているため、その雰囲気を再現するために紙質まで拘っているのが、チーム櫻坂らしい仕事である。
あえてマットコートを使用しているためか、本物の青写真を観ているような気分が味わえる。
加えて、青いモノトーンで撮影されているメンバーの皆さんが美しい。
元々、高いビジュアルが櫻坂46の魅力であるが、それをあえて鮮明とはならない手法で撮影されているのが斬新である。
このような方法で撮影することが出来ること自体、彼女たちの美しさの証明である。
4枚目シングル「五月雨よ」の時も、ジャケット写真などが、何か梅雨空のどんよりとした中に咲く花々のような妖艶さが印象的であった。
今回も、わざわざ沖縄まで行って、その強い外光を最大限利用する形で、「青写真」撮影が敢行されている。
あえて単色にすることで、かえってさまざまな色合いが見えてくる。

ブックレットも非常に力が入っている。
はじけるような笑顔も、幻想的な表情も、普段は見せないものばかりである。
詳しくは、実物を観て確かめていただきたい。
たぶん、ファンが知らない彼女たちが、そこにいる。
まさに夢か現実か、
過去なのか未来なのか、
時空を超え、場所の感覚も曖昧になり、どこか別の場所に連れて行かれたような気分になる。
アルバム全体をさらに不鮮明なスリーブで包んでいるのも面白い。
これによって、アルバム全体の世界観がキュッとまとまる感じがする。
アートワークチームの素晴らしい仕事が光っている。

そんなブックレットを子細に眺めながら、アルバムに収録されている楽曲を聴いていると、完全に彼女たちの世界に没入することができる。
これこそ、フィジカルメディアの魅力と言えるだろう。
電子書籍で本を読むことが当たり前になった今でも、やはり書籍の魅力は薄れることはない。
美しい装丁や紙質、フォントや紙面レイアウトなど、何人ものプロたちが関わることで、一つの媒体が作られていく。
このアナログにこだわる姿勢は、彼女たちのアルバムやシングルからも感じることができる。
藤吉さんや森田さん、山﨑さんや田村さんなど、制作期間が一番好きと公言しているメンバーが大勢いるのが、このグループの素晴らしさである。
完全生産限定盤のブックレットなどは、もう機械で作るのが難しい手法をあえて採用している。
どのくらいの部数が作られているのかは知らないが、これだけ手間をかけたアルバムを出そうという姿勢から、櫻坂46が初アルバムにかける意気込みを感じることができる。

ふと気がつくと、ジャケットやブックレットなど、「外側」の話ばかりしてしまった。
新曲や特典映像などについては、もう少し鑑賞してから、お話してみたい。
このアルバムは、「櫻坂46」の今を詰め込んだ渾身の力作であることだけは間違いない。


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