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表現者たち ~【櫻坂46】メンバー同士の会話を聞いて~

最近のファンクラブ限定配信ラジオ『さくみみ』では、1月に開催された「BACKS LIVE!!」の話題になることが多い。
出演しているメンバーが、そのライブに出ていることもあり、様々なエピソードを聞くことができる。

彼女たちが楽しそうに話しているのを聞いているだけでも、素敵な時間が過ごせるわけだが、その中に出てくる話に、思わず釘付けになることもしばしばである。
特に感心を引くのは、パフォーマンスの話である。
それは、BACKSライブに留まらず、昨年のライブや欅坂46時代のライブにまで及んでしまうことも少なくない。
有料コンテンツなので、詳細はお話できないのだが、そこで話をしている彼女たちの饒舌さに、非常に驚かされる。
その熱がこもった話しぶりに、「やっぱりライブ好きなんだなぁ」と思ってしまう。
同時に、彼女たちがパフォーマンスの最中でも、様々なことを考えながら、楽曲を披露していることがわかる。

観客側からは、一心不乱に、全身全霊をかけてパフォーマンスをしているようにしか観えないのだが、実際の彼女たちは、実にいろいろと考えながら、パフォーマンスをしているというのだ。
歌詞の意味、振付、フォーメーション移動、次への展開・・・などなど。
「そんなことまで考えながらしているのかぁ~」と心底感心させられることばかりである。
実はこれ、歌手の世界ではよくある話らしい。
世界的に活躍しているオペラ歌手から直接教えてもらった話なのだが、やはり彼も、同じようなことを言っていたことを思い出す。
櫻坂46ほどダンスをするわけでもなく、それほど動きがあるわけでもないのだが、頭の中では、実にさまざまなことを考えながら歌っているというのだ。
そのコンサートの観客であった自分は、彼の歌に思わず涙することもあったのだが、そんな歌の最中でも、彼の頭の中では、音程やテンポ、声の出し方や姿勢など、実に緻密な計算をしていると言う。
逆に、歌詞に思いを乗せて、自分が酔いしれながら歌っても、人を感動させることは出来ないというのだ。
それが出来るか否かが、プロとアマチュアとの分岐点なのかもしれない。

そんな彼の話に、「表現者」としての奥深さを感じたのだが、最近の彼女たちの話には、これに通じるものを感じることが多い。
これこそ、超一流のパフォーマーであるTAKAHIRO先生が、彼女たちに伝えたかったことなのだろう。
彼女たちの話を聞いていると、意外にも、振りが任されている部分が沢山あるようだ。その時間は、表現する本人たちに任されているのだ。
その日のコンディションやテンション、全体の流れなどによって、変更することが許されているので、表現者としてのクリエイティビティーが問われることになる。
そのギリギリの瀬戸際に立たされた時、自分でも予期していなかったような力が湧き出すこともあるのだろう。
その瞬間こそ、一流の指導者でもあるTAKAHIRO先生が、与えたかった経験なのかもしれない。

多くのライブの積み重ねの中で、彼女たちの「試み」の時間は、確実に覚醒を促すものとなるだろう。
目の前にある壁を必死に乗り越えることで、成長を続けている彼女たちの未来は、明るくまぶしいものとなることだけは間違いない。

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