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過去について話す意味 ~【櫻坂46】それぞれの思い~

現在発売されている「BUBKA8月号」では、二期生全員のインタビューが掲載されている。
誌上ドキュメンタリーという位置づけで、4万字にも及ぶ力作となっているようだ。
記事の一部はWebでも公開されているが、ファンであれば、是非とも実際に手にとって、中身を確認するべきであろう。
これまで語られることがなかったメンバーの気持ちや、それぞれの関係性がわかり、彼女たちの過去・現在・未来を知ることができるものとなるだろう。

しかし、このような特集は、どちらかと言えば、ファン向けというより、メンバー同士の関係性を深めるきっかけとなる場合の方が多い。
面と向かって言うことが出来なかったことを、口にすることで、言った本人の気持ちが楽になるのはもちろん、話題にされた側も、発言されることによって、その真意を知ることが出来る。

グループで活動している時、一番怖いのは「疑心暗鬼」である。
お互いにそのような気持ちで過ごしていると、早晩「内部崩壊」の道を辿ることになってしまうだろう。
それを無くすための一番の解決策は、お互いに腹を割って話し合うことである。
しかし、グループで一緒にいる時間が長くなってくると、かえって、そのような機会を持つのが難しくなってくる。
誰しも、グループの中でバランスをとりながら過ごすようになるため、そのバランスを崩すようなことはやらなくなるからだ。

お互いにとって「共通の課題」であれば、言い合う場面となっても、すぐにバランスを取り戻すことが可能であっても、双方が当事者となって、相手のことを言う場合では、そうはいかない。
パフォーマンスや番組の中での振る舞いについてであれば、お互いに切磋琢磨する同士であることから、意見を言い合っても傷つくことはほとんどないだろう。
しかし、プライベートな場面などでは、なかなか意見や感想を言うことすらしないだろう。
そうなってくると、お互いの言動について、誤解してしまう可能性を増えてくるため、どうしても「疑心暗鬼」が生まれる場面が増えてくる。
一般的に、仲が良いことは、プラスであることの方が多いが、仲が良いからこそ、相手の気持ちを慮って、感じたことを素直に伝えることが出来なくなってしまう場合もある。
そんな些細なことでも、一緒に長く過ごすようになると、積もり積もって、意外に大きなしこりとなることもあるだろう。
その場ですぐに聞いてしまえば、すぐに解決できるものでも、時が経つことで、聞けなくなってしまった経験は誰しもあるだろう。

第三者的な存在がいて、客観的な立場から質問されることで、かえって素直な気持ちが話せるようになる場合もある。
今回のインタビュー記事が、まさにそれである。
アルバム制作やライブなど、二期生が中心となった活動が本格化している二年目の今こそ、一旦、それぞれの気持ちをリセットする意味で、このような特集が組まれたことは、グループにとって、とても良い方向に働きそうである。
11月に三期生が入ってくる前に、グループの結束をより強固にする意味でも、今回の誌上ドキュメンタリーの機会が設けられた意義は大きい。


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