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おっさんずラブ、まさかの展開。視聴者と公式の認識の乖離。


先日からおっさんずラブシーズン2が話題になっている。
先日映画を絶賛した私だが、今回は絶賛とはいかない。まだ見ていないが、もう少しなんとかなったのではないか?という気持ちでこの記事を書いている。
それと、ラインニュースで「ファンは公式発表に喜んでいるが林遣都ファンは続編にいないことにショック」という文脈で記事が書かれているがこの認識はお門違いであると言える。春田と牧の恋愛を応援してきたファンからの失望というのが今回の真相だ。林遣都ファンももちろんショックだろうが、彼のファンに限ったことではないだろう。

ところで元記事を貼ろうとしたら無くなっていた。見失ってしまったか、ブーイングがあって下げられたかどちらだろうか。

映画での春田と牧の描かれ方

そもそもあの映画は粗はあるがそれ以上に役者の演技が楽しく脚本の隙間を埋めるその巧みさに舌を巻く内容であったと思う。
私はそこを評価していたし、互いを思い合う春田と牧の情感が伝わる演技に、他の熱烈なファンが口にしていた不満、例えばもっといちゃついてほしいとか、牧のご飯をお腹いっぱい食べて欲しかったとか、結婚式はとか、指輪の交換シーンはとか、新居探しとか、親への紹介とか…新婚シーンもなくシンガポールへ行くのは辛いとか。
挙げればきりがないほどある。確かに私もあったら嬉しいなと思っていたけれど、なくても仕方がないなと思っていた。だって映画だから。そう言う細かなあれこれって、絵的に地味な感じがするから。それって連ドラ向きでは?と思っていた。
また、そのシーンを書くならば、瑠東監督ではなく、他2人の監督の方が向いているだろうと。
しかし、続編で牧が居らず、かつ、部長は続投し、春田は別のキャラクターと恋愛をしてしまうという情報が出た以上、この映画は物足りないと言うしかない。
私が間違っていた。
この状況、不完全燃焼が過ぎるのでは?
せめて、春田と牧の今後が描かれず、春田は新キャラクターや黒澤と恋愛をすると言うのであれば、これまでのファンが成仏できるくらい完璧に幸せな二人を目一杯描いて欲しかったと思う。

続編と現状のファンの戸惑い

そもそも、続編について、明るい展開を予想していたファンはそんなにいないのではないかと思う。
全キャストとっかえなのではとか。
牧だけでないのではとか。
私としては、この二つであれば特に今のような不満は抱かなかった。
全キャストをかえて、新しいおっさんのラブを描くと言うのであればそれはそれで製作陣の手腕が楽しみなドラマになったと思う。天空不動産のメンバーがいないのは寂しいが、その後を想像して楽しむことはできる。武川さんや部長は幸せになるのかとかマロと蝶子のその後を見せてくれとか、言いたいことはあるが素直に応援しただろう。
また、牧だけがでない場合。これはシンガポールに転勤しているから仕方ない。事務所の都合だとか囁かれていたけれど、それはそれで、時々春田が牧どうしてっかなぁ、と寂しがったり電話したりするそぶりを見せつつお仕事を頑張ってくれたらよかったのである。不動産のメンバーはみんないるし、達者なメンツばかりだし、部長と武川さんとか、マロと蝶子とか、ちずの新しい彼氏とか、かけることはいっぱいあるし、そんなラブに囲まれて巻き込まれ体質の春田が右往左往する楽しいドラマになっただろう。さらに続編とかができたらいつか牧が戻ってくる可能性だってあるし。

しかし、現実は違った。
春田と部長だけが、職業を変え、名前だけは続投し、またラブストーリーを展開するのだ。
おそらく春田の相手は新キャストの面々で、しかもその相手がクールで優秀だったり料理上手なキャラという牧を彷彿とさせる感じのキャラ設定なのだ。機長役の黒澤はおそらくまた春田に恋をし、振られてしまうのだろう。まだはじまっていないから、実際は全然違うかもしれないけれど、突然のキスシーンもあるようだし、おそらく見た人に牧の突然のキスシーンをオーバーラップさせてしまつのではという予想もしてしまって今から憂鬱だ。
そもそも、一体何度似た展開を見れば良いのか、と思ってしまう。寅さんのように、というたとえ話がキャストから出ているが、そんなお約束の展開を恋愛に絡めないでほしい。お約束が許されるのはお仕事系ドラマか勧善懲悪系ドラマくらいなものである。
演じる役者さん達には何の罪もなく、頑張ってほしいとは思うが、連ドラから応援していたおっさんずラブファンにすっと飲み込みにくい状況であると思う。
単発からのファンの一部からは、ハセだって消えてたから同じだよ、というような声が聞こえたりもするが、それとこれとはだいぶ状況が違うのでは、と個人的には思う。
なぜなら単発の話の内容はしっかり恋人として成立して終わっているわけではないが、一方連ドラ版および映画では結婚というワードが出た、しっかり成立したカップルなのである。一生を共にする家族として。もちろんハセファンの悲しさは大変によくわかるので、その悲しみを否定するものではない。

おっさんずラブ、これまでの主軸と認識のズレ

春田と黒澤の面白おかしいラブコメディシリーズ、もしくは報われなくとも春田のためという純愛を表現したかったのであれば、連ドラから映画までの牧というキャラクターは大失敗であろう。
春田は誰ともはっきりした恋愛エンドを迎えるべきではなく、惚れた女性もしくは男性といい感じになるが成立はしないルパンの不二子エンドか、完全に振られてしまう逆展開にしてしまえば新たな恋愛を求めて次のシリーズへ行けたのだ。
それなのに連ドラでは牧と春田の恋愛をシリアスをしっかり描き、視聴者は牧に感情移入し、おっさんずラブを「春田と牧の純愛ドラマ」を主軸に視聴してしまった。
それでは次のシリーズでは春田は別の人に恋をします、と言われても、牧と春田の結婚を祝福したばかりの視聴者は置いてけぼりの気分になるのは当然である。
そもそも少女漫画や恋愛ドラマで恋人達がくっついた後に主役が別の人に恋をする同名ドラマを開始してブーイングしない人はそうそういないのではなかろうか。


現在公式ツイッターアカウントおよびインスタグラムで、シーズン2についての内容はアカウントを分けてほしい、という要望が多く寄せられている。
フォロワー数も多いし、継続したいという商売的な意図もあると思うが、続編のタイミングといい、上層部と現場との動きにズレがあるのでは?と思わされる状況だ。
映画もロングラン上映中、春田と牧の恋愛を応援しているファンに、牧のいない続編を織り交ぜて宣伝することがプラスになるとは思えない。
期待されていなかったコンテンツが努力した現場により人気作になり、それを金の成る木と見た上層部や外部が腐らせてしまうのはよくある話である。どうか世の偉い方々はそのまま現場に任せるのが大正解なのだということを自覚していただきたいものだ。
きっとシーズン2もスタッフ陣、キャストの努力により面白いものになるだろうし、そう信じたい。オリジナルドラマが少なく、人気原作付きという安パイのものが多い昨今、おっさんずラブは輝いて見えた。シーズン2、すでに焼き直し感があり不安もあるが、全く違う、前作を振り切るような活躍を期待したい。
そうした心持ちで心から応援できるまで、しばらくはかかってしまうけれど…
映画の円盤発売まで待てなかったのかしら?と思うくらいは許していただきたいものだ。
願わくばシーズン2が終わるまでに、視聴したくなるような評判が聞こえて来ると良いなと思う。

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