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30年たっても古びない『テルマ&ルイーズ』に見る女子の生き方

✨100本投稿記念✨【映画のおとな女子】

あなたが女子ならきっと見て損はしない。フェミニズム映画の金字塔であり、クライムアクション&ロードムービーのすかっとするエンターテインメント。

30年もたつのに全く古びない。それは逆に女子の置かれた状況が変わっていないということかも。そんな今だからこそ、この映画をおすすめします。 
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まず、2人の女優がはまり役。くわえタバコが似合うウエートレスのルイーズ(スーザン・サランドン)とモラハラ夫に言いなりの専業主婦テルマ(ジーナ・デービス)。こんな普通の女2人が主役のハリウッド映画なんて当時なかった。(今もないかな?)

親友同士でプチバカンスに向け、車で出発。立ち寄った酒場で、テルマを誘い一緒に踊る男。悪酔いしたところをレイプされかけるテルマ。助けたルイーズは、ひわいな捨て台詞を吐いたそいつを銃で撃ってしまう。

どうもルイーズは過去に同じような被害に遭ったらしい。その傷をえぐられてとっさに発砲したのだ。ここで警察に行けばよかったのだけど、「信じてなんかもらえない」と、行くあてのない逃避行に出るはめに。

このレイプ犯はじめ、出てくる男たちがいかにもいそうな人ばかり。浮気しているモラハラ夫とか、気持ち悪い声をかけてくるトラックの運ちゃんとか、金めあてで誘惑する泥棒常習犯とか(セクシーな若きブラッド・ピット)。

もちろんいい男もいる。異変を察して飛行機で飛んできてプロポーズするルイーズの恋人や、2人をなんとか助けようとする警部。このあたりの優しさが最後の悲劇をより浮かび上がらせてしまうんだけど。

そして、追い詰められるうちに2人が変わっていく描写がうまい。それまで強気でリードしたルイーズが、金を奪われてもうだめだと初めて泣いた。それを見て、なんでもまかせていたテルマは覚醒し、強い女になる。

ひとりでコンビニ強盗しちゃうし、捕まえにきた警察官まで鮮やかに撃退してしまうのだ。悲惨な状況なのに、爽快なので笑ってしまう。

そして、映画史に残るラストシーンは、衝撃とともに何とも言えない解放感に包まれる。荒涼としたアメリカ・モニュメントバレーの崖から飛び出す車のストップモーション。

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当時も話題になったけど、性被害を含め、女子として強く生きるのは今も難しい。それでも、自分が主役となって人生を生きるすがすがしさと、女の友情のかっこよさを教えてくれた映画だ。

(実は今日は私の誕生日。100本目のnoteと重なっていいことありそうです✨)
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リドリー・スコット監督(『エイリアン』『ブレードランナー』など)1991年公開作品。

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