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アメリカで介護保険税導入が始まる。
少し前の記事『リタイアメント口座に潜むリスク』シリーズで、
アメリカ国家財政を圧迫する社会保障について書きました。
社会保障制度の中でもMedicaidと呼ばれる、低所得者の医療を保障する制度が危機的な状況に置かれています。
それは何故か・・・・・・介護、Long Term Careのコストです。
国民が長生きすることによって、Long term careを必要とする人口も増加。
Long Term Care Cost(介護費用)の多くをMedicaidがカバーしている状況。
そこで各州で検討が進められているのが、Long Term Care Cost(介護費用)を補うための税金の導入です。
第1号はワシントン州
![](https://assets.st-note.com/img/1683139695234-mjCuYteEjs.png?width=800)
まず、ワシントン州がLong Term Care Taxの導入を開始予定。
次に導入を検討しているのが、私の住むカリフォルニア州。
それに続き、上の図のオレンジの12州も導入を計画中です。
ワシントン州から学ぶカリフォルニア州
カリフォルニア州はワシントン州での導入例を参考に仮プランを設計中。
そして、ワシントン州より人口が5倍以上いるカリフォルニア州の動向を
続く12州が注目しているところです。
まずはワシントン州を見ていきましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1683163390206-ktvr84kE8c.png?width=800)
当初2022年1月からの導入を計画、しかし現在2023年6月まで導入を延期。
延期の背景は訴訟対応。
Portability(他州での受給可かどうか)
ワシントン州はIncome Taxがない為、Long Term Care TaxはPayroll Taxとして課税されます。しかしLong Term Case Benefitの受給はワシントン州内のみ。
(上の図参照)
つまり、近隣の州に住み、ワシントン州で働いている場合、
Payroll TaxからLong Term Care Taxをワシントン州に払うが、
自分の住む州でのLong Term Case Benefitは受給はできない。
そういった背景でワシントン州のでは訴訟が起きているため、
カリフォルニア州は他州での受給を可能にする方向で進んでいます。
Opt-out Period(課税対象外となれる期限)
ワシントン州は2019年にLong Term Care Tax導入の法案が通り、
翌々年の2022年1月からの導入を発表。 (それが今は2023年6月からの導入)
2019年の法案成立後、2021年11月までに個人で介護保険を保有している人は、2022年1月に施行されるLong Term Care Taxは課税されないという
Opt-out Periodを設けました。
法案成立からOpt-out Periodの期間どうなるか・・・・・・
課税を逃れるため、必要最低限&一番安い介護保険を買いに走る人続出。
とある保険会社では1日に3ヵ月分の申し込みが殺到、対応に追われました。
州としても課税対象者を逃す結果に。
では、カリフォルニア州はどうするか・・・・・・
法案成立前にOpt-out Periodを設け、できるだけ多くの人を課税対象に。
例えば、2025年1月にLong Term Care Tax導入の法案が成立、
Opt-out Periodは法案成立より前の2024年1月。
つまり法案成立の1年前にすでに個人で介護保険を保有しいない場合課税。
もし、法案成立後に個人で介護保険に加入した場合は幾分か減税の可能性。
そして、介護保険の保有を毎年証明することが盛り込まれると思われます。
Taxable amount (課税対象)
ワシントン州はPayroll Taxの一部としてSocial Security, Medicare/Medicidと
同様に被雇用者のW2から0.58%を課税。
W2での収入が$100,000の人は、年間$580をLong Term Care Taxとして納めることに。
課税の上限はなく、W2で$1 million の収入がある場合、$5,800に。
カリフォルニア州はより多くの人口に課税するため、Payroll Taxではなく、
Income Taxへの課税を検討中。
つまり、お給料だろうが、年金だろうが、不労所得だろうが、課税対象に。
税率は0.4~1%前後、課税の上限を設けるのか設けないのかいくつかのパターンが検討されているようです。
州のLong Term Case Benefit
最大の問題は、受給するベネフィットだけで自分の介護費用は十分なのか。
ワシントン州は受給できるベネフィットは1日$100、上限$36,500と設定。
つまり、1日$100で看てくれる施設に1年365日滞在可能な計算。
しかし、ワシントン州の平均介護費は1ヵ月$7,000、1日$200越え。
つまり、納税したとしても自費負担は必須。
カリフォルニア州は5つの仮プランを立て検討中。
その中でもベネフィットの上限は$36,000 ~ $144,000だろうかと・・・
1ヵ月の平均介護費が$10,000のカリフォルニア。足りるのか?!
私の介護保険加入計画スタート
私たち夫婦は共に現在40代。
このLong Term Care Tax導入の流れを受けて、現在介護保険加入を検討中。
現在いくつか介護保険を見ていますが、40代は介護保険業界では若い方。
多少良い気分にさせてもらっています。
ビジネスオーナーにとっては介護保険のプレミアムが税額控除になる場合もあり、その辺りの詳細を私の介護保険加入計画の進捗と共に次回に!
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