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カルト‐1世から「2世問題」まで

タイトル画像は「破壊的カルト」に入会してしまうと、組織の部品になってしまうよ…という意味を込めて…ネジにしてみました...。

今から、もう30年も前の話(実話)になります。

わたしの、異性の友人が、とある自己啓発系の団体に加入し、周囲の友人へ「勧誘」を繰り返すようになりました...。

わたしは、フーゴ・シュタム氏の書いた本により(※本書には、サイエントロジーが「カルト」だと書かれていた)、これを「破壊的カルト」と思い、友人に、その団体から遠ざかるよう、いろいろとサインを本人へ送りましたが、逆に「ミイラ取りがミイラになる」寸前で、自分も、この団体から離れました。

サイエントロジー東京の本部は、当時、五反田にあり、わたしは、そこで「しあわせへの道」という講座を受講したのを、うっすらと記憶しています。今では、その講座のテキストは、Amazonでも購入できます。

今から約30年前、1990年代は、オウム真理教による「地下鉄サリン事件」のあった頃と、時代背景が重なります。

カルト」という言葉が、時代のキーワードでした。

自己啓発系のカルト教団から、友人を救い出すこともできず、逆に「手負い」の状態になっていた…そんな私は、当時、まだ創設されたばかりの「日本脱カルト研究会(※現在は「日本脱カルト協会」と名称を変更)に、脱会信者のカウンセリング活動を、有志で「お手伝い」することによって、自分の傷を癒していました。

そこで出会ったのが、今は故人となってしまわれた、平岡正幸牧師(ルーテル派牧師)先生で、彼のもとで、脱会カウンセリングの「お手伝い」をさせて頂いておりました。わたしが20代半ばの頃、まだ若かった頃の出来事です。

脱会カウンセリングの活動を通じて、オウム真理教、統一教会、エホバの証人、ヤマギシ会、あとは雨後のタケノコさながらに、あちこちに芽吹いていた「自己啓発系」のカルト団体からの脱会者と、その家族に、多くの接点を持つことができました。

そこで、気が付いたことがありました。

まずは、キリスト教系の「カルト」である場合、脱会信者は、その後、正統とされるキリスト教の教団への入会が目立ちました。これは傍目から見ていると、信者獲得を、カルト教団から脱会させて、自分たちの教団に勧誘しているようにも映りました。つまりは「逆洗脳」という問題です。

あとは、脱会信者にも、カルト教団に入会した理由が、ちゃんとある…ということでした。

サイエントロジーへ入会した、わたしの友人は、職場の上司から受けたレイプ事件のあと、信じられるものがなくなって、絶望の最中、藁にもすがる気持ちで、自らの人生、その刷新を求めてのものでしたし、オウム真理教の脱会者の方は、DV被害にあっていた当時に、その付き合っていた彼氏から逃げるために、シェルター代わりにオウム真理教に入信していました。

統一教会やエホバの証人に入会した脱会者たちは、キリスト教は「良いもの」という先入観から、なんの疑いもなく入会した先が、たまたま「破壊的カルト」と呼ばれる教団だっただけです。

ヤマギシ会に入会した方は、自分が幼児虐待を受けた経験から、自分も、我が子を虐待してしまうのではないか?と恐れて(※虐待は負の連鎖があるので…)、子供を集団で預かって育ててくれるヤマギシ会に、とても魅力を感じての入会だったとのことでした。

自己啓発系のセミナーに両親ともに加入してしまい、そこで多額の寄付をして、家族は離散状態となり、居場所がなくなって脱会者になった方々もありました。

そんな20代半ばの「脱会カウンセリング」、そのボランティア活動も終えて、わたしは、平岡牧師のもとを離れましたが、その後、氏は、一冊の本、その出版に熱意を燃やした後…

還暦を迎えることなく、その早すぎる生涯を閉じたのでした。

今日、そのカルトに入会した男女が家庭を設けて、そこで生まれ育った子供たち…という「カルト2世問題」が、元首相であった安部氏が凶弾に倒れるという、殺人事件を引き起こすまでに至っています。

カルト問題は「カルト2世問題」に引き継がれた感があります。

昨今では、これに関連する書籍も、たくさん出版されました。

カルト問題は、第一世代から、第二世代の「2世問題」へと引き継がれて、現代に至っています。

カルトのマインドコントロールは、もし3年間、入信していたら、そこから脱会するためには6年かかる…入信していた倍の時間がかかる…と言われています。

それが親子関係のなかで「家族」という共同体のなかで培われた「心の傷」を含むものであれば、いったい、本人たち、2世の脱会者による回復までの道程は、いかほどのものか…想像を絶するものがあります。

これが、わたしたちの社会が抱える…現代の闇、その一部なのです。

以上、わたしの「脱会カウンセリング」という自己体験と、「2世問題」についての指摘でした。

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