自分も役に立てることがあるかもしれない(「マイノリティデザイン」を読んで)

会社の先輩の教えていただき出会えた本です。
「マイノリティデザイン」著者は澤田智洋さん。

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本の言葉を引用しながら、自分が考えたことを書いていきます。

僕ら夫婦に1人の息子が生まれました。よくミルクを飲んで、よく泣いて、よく笑う。寝不足の日々が始まりましたが、かわいくてしかたがありませんでした。でも、3か月ほど経った頃、息子の目が見えないことがわかりました。終わった、思った。

自分には想像し得ないですが、澤田さんのその時の衝撃の大きさは十二分に伝わってきます。ただ、澤田さんは様々な方から話を聞きにいきます。そして

いわゆる「社会的弱者」は「発明の母」になり得る、と知ったのです。

本の中で紹介されている通り、タイプライターは、紙に文字が書けなくても片腕で文字が打ち込めるように、という想いから発明され、また、ライターは、マッチのように両手を使わなくても片腕でも火を起こせるようにというアイデアから今の形になり、また、曲がるストローは、寝たきりの人が手を使わなくても飲めるようにするために、生まれたそうです。(諸説あるようです)

弱さが(もはや弱さではないと思いますが。)発明を生み出し、それが広く社会に役立てられているということに私自身ははじめて気が付きました。そして澤田さんはこのようにも書いています。

弱さは無理に克服しなくていい。あなたの弱さは、だれかの強さを引き出す力だから。

弱さがあるから、(相対的な)強さがあるとも言えるのかもしれません。自分の強みを活かし、強みに基づいて貢献しようということはイメージしやすいですが、弱さが、弱さこそが、誰かの強さを引き出すという発想。

澤田さんは、福祉の領域でこれまでのコピーライターのスキルを活かし貢献したご経験から、「才能の使い道」のスライドさせることについても述べています。

①広告(本業)で得た力を、広告(本業以外)に生かす
②マス(だれか)ではなく、ひとり(あなた)のために
③使い捨てのファストアイデアではなく、持続可能なアイデアへ。

スキルを身につけ、磨くことを意識すればするほど、その武器を活かしたいと思うあまりに、視野が狭くなってしまう。。。そんな時にはこの才能の使い方のスライドを思い返したいと思う言葉です。

そして、仕事における「運命の人」についても本の後半で述べられています。

仕事における「運命の人」を見つけたとき、その才能は花開いて、だれもがもっともっといい仕事ができる。

さらに

実は、自分の中にいるマイノリティこそが「運命の人」かもしれないんです。

自分宛に自分で企画書を書く、という方法が示されています。自分に向き合うことは、普段しているようで、なかなか難しい。できていない。と痛感します。その難しさを澤田さんも肯定してくださります。

自分のことを静かに見つめる機会なんて、大事件や大事故に遭わないかぎり、自然に生きていてもありません。だからこそ、実際に手を動かして、時間をかけて、企画書をつくるという「不自然」なことをやる意味があります。

自分の過去を振り返り、現在を知り、未来を創る。その、当たり前ではあるが、「不自然」な作業に時間をかけながら取り組んでいきたいと思いました。(不自然な作業とわかっていると、少し頑張れそうな気がします)

「SDGs」の外へ。18番目の目標は、自分の中にある。

本の「おわりに」あるこのフレーズが強く印象に残りました。
自分がやらなければ誰がやるのか、そう思えるようなものを自分の中から見つけていきたいと思います。

良い社会をつくるために、自分にも何かできるのではないか、そのように思える本でした。

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