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天才と天才の協力物語~ノーベル賞の妻は共同研究者~ その4 終わりに

 さてさて長くなりましたが私が好きな三組のノーベル賞受賞者とその奥様の物語はいかがだったでしょうか?

 内助の功?
 男は女に助けられて初めて良い仕事ができる?
 男は女より上?

 この三組をみるだけで「いやいや何をおっしゃいますか」と言いたくなる私の気持ちを分かっていただけるでしょう。
 
 なにせ天才が天才と調和し、協力し、初めて大事というのはなすことができるのです。
 
 そこには性差での能力の差など皆無であると思います。

 ただ今も昔も社会的なしがらみによって男女ともに才能を押さえ込まれることは間違いありません。

 しかしそれを乗り越え、活躍する世界を代表する天才たちの物語がノーベル賞にはあります。

 さて最後に蛇足になりますが私が夫と結婚する時に夫の恩師である教授の奥様に言われたことを書きたいと思います。

 私の夫は大学を出て博士号を持ち、研究所に勤める研究者です。対して私は鍼灸教員資格は持てど専門卒だし、そのうえ定時制高校出身というしがない身。

 結婚する際に教授ご夫婦にご挨拶をと言われ、さあどんな嫌みを言われるんだろうなぁと低学歴なことをからかわれることが多い私はやや緊張しておりました。

 しかしお会いした教授も奥様も素敵な方で、私のことを受け入れてくださいました。夫くんが結婚できて良かった良かったと心からも喜んでくださいました。

 その上で奥様に言われたことが今でも身に染みついています。
 それは

研究者の家族になる上で大切なのが、自分が大事にする、自分の世界を手放してはいけない

と言うことでした。

 奥様曰く、研究者は鉄砲玉。一回気になりだしたらどこへ行くか分からない、その時に一緒に鉄砲玉になってもいけないし、かといってずっと待っていてはいけない。
 旦那様を待つだけの女性では研究者の妻というのは辛すぎる。
 だからこそ女性が自分が大事にする、自分の世界を持っていることが大事だと。

 それが仕事でも良いし、ボランティアでもいい。趣味でもかまわない。
 そういうものがあり、その自分の世界で自分で何かを発見する喜びを知っていれば夫が鉄砲玉になっても何かを発見して帰ってきたときにその発見を一緒に喜べる。

 そのためにも決して自分の世界を手放してはいけないし、夫も手放させてはいけない。妻という世界にだけいてはいけない。
 
 あなたは鍼灸というお仕事もある。とても良い自分の世界がある、もちろん他の趣味でも良い。その自分の世界をどうかそれを大事にして欲しいと・・・

 そうか、なるほど・・・と静かに納得したことを今も覚えています。

 結婚して数年経ちますが、お互いに敬意を持ち、尊敬し合い、尊重し合え、仲良くやっていられるのもこの考えがあるからかもしれません。

 さてそれを踏まえてまたノーベル賞の妻たちを見るとやはり自分の世界がある人が多いように見えます。
 だからこそ互いに研鑽し、励まし合い、協力できたのだと思います。


 そんな努力や愛や尊敬の物語を勝手に安っぽい男女の上下関係で当てはめて納得しては、せっかくの面白い人物伝の魅力は半減以下です。

 どうぞ古くさい「内助の功」「女は男に仕えるべき」だとかの妄想を取り払い、ノーベル賞受賞者の物語を紐解いてみてください。

 もっと生き生きとした人生を研究と夢にかけた天才とその天才と同じくらいの天才が綴る物語が始まります。

 きっとあなたが大好きになる受賞者の物語もあると思います。

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