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奈良・石上神宮

物部氏という古代軍事氏族が祀る場所は、とても穏やかだった。

 奈良の古い街並みから外れて、少し小高いところに出ると天理教の教会本部である神殿やその関係の巨大な施設が目に入り込む。別の世界に迷い込んだような気持ちになった。しかし、石上神宮に近づくと、田圃があり、空き地があり、川があり、山を見れば人工的でない原生林が広がる。そんな日本の原風景が見られた。

田んぼの奥には立派な天理教の宗教施設

 車を停めてから参道を歩いていく。ここから神の領域ですと、目印もないのに肌でそれを感じることができる。空気が一瞬で変わる。

鳥居の下の正円は、神さまの通りみち。
お寺と神社が合体したような楼門

 往年は鐘楼門として鐘が吊ってあったが、神仏分離令にて取り外された。楼門を見上げると「萬古猶新(ばんこゆうしん)」と書かれた木額。この文字は山縣有朋の筆。

「萬古猶新(ばんこゆうしん)」

 この神宮の神のおつかいはニワトリ。放し飼いにされたニワトリがかなり賑やかに鳴き続けていた。

元気なニワトリたち

 荘厳な雰囲気の中で響き渡る「コッケコッッコー!」は、なかなかインパクトがある。最初は微笑ましく聴いていたが、徐々に不謹慎ながらも笑いが止まらなくなる。それくらい「コッケコッッコー!」は愉快だったのだ。これだけでこの神宮が好きになった。

かっこいい
Googleマップよりスクリーンショット:赤丸が石上神宮、手前が天理教施設。

 社の山側に回り込んでみると、本当に気持ちの良い森が広がっていて、歩いていても気持ちがいい。これだから奈良は再び訪れたくなる。


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