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苦しんでいる人達に手を差し伸べること

孔子と彼の高弟の言行を記した「論語」の中に以下の一文がある。

「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず(おそれず)」
 ※知恵を備えた者は、道理をわきまえているので事をなすにあたって迷わないし、仁徳の備わった者は、ものの道理に従って行動するので心配することが無く、勇気がある者は、信念を持って行動するのでどのような事態にも臆することがない。

真に優れた人は「智・仁・勇」の三つを兼備しているという。

何をするにも、智と勇が無くては成功しない。成功者が皆、仁を有するというと首を傾げたくなる成功者も中にはいるかもしれない。

しかし、仁を重視しなかった成功者の『自身の形勢が良いときにいた周りの人たちが、形勢が悪くなった途端に離れていった』というのはよく聞く話だ。

安土桃山時代の武将、小早川隆景はこう述べている。

「分別の肝要は仁愛なり」

仁愛を基に判断をすれば、万一思惑が外れてもそう大きくは間違えないという意味だ。
人々が決断に迷った時、仁の有無が決め手になることは往々にしてある。

また、孔子は次の様にも述べている

「速やかならんことを欲することなく、小利を見ることなかれ、速やかならんことを欲すれば達せず、小利を見れば大事ならず」
  ※早く成果をあげたいと思わないこと。目先の小さな利益に気をとられないこと。早く成果を上げたいとあせれば達成できないし、目先の利益に目がくらむと大きな事を成し遂げることはできない。

自分たちの生活を守るという小利のために、日本の皆の生活を守るという大事を見失ってはいけない。

今、僕ら個々人が成し遂げるべきことは、平常を取り戻すこと、コロナショックで失ったものによって苦しんでいる人達の苦痛を取り除くことだと僕は思う。

コロナショックによって受けた傷が比較的軽傷な人が重傷な人に躊躇無く手を差し伸べる。これが仁愛だ。

経済が止まった4月~6月の影響が出てくるのはこれからだ。
既に瀕死状態の業界や職を失った非正規労働の人達を横目に「自分たちは影響が少なくて良かった」と思っている人達は考えを改めるべきだ。

大企業の収入が減ったということはこれからその支出が絞られ、中小企業、個人事業主が次々と窒息死していく。風が吹いたら桶屋が儲かるという言葉にあるように世の中の財布の紐が閉まればあらゆる業界に波及する。

苦しんでいる人達に手を差し伸べよう。
皆で「智・仁・勇」をもってこの難局を乗り越えよう。

『情けは人の為ならず』

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