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演ずること
人は、色々な役割を演じています。
例えば、母親であっても、その母から見れば子供であり、祖母から見れば孫であり。いくら平凡な人生を生きている、といっても、一人でいくつかの役割を演じています。
演ずる、と言っても、嘘を生きているわけではありません。
『日の名残り』
以前、カズオ•イシグロさんの『日の名残り』という本を読んだことがあります。昨日、映画を見ました。
https://www.amazon.co.jp/日の名残り-ハヤカワepi文庫-カズオ・イシグロ-ebook/dp/B009DEMAKM
小学校の読書感想文が苦手だったので、下手な読書感想文を書くつもりはありません。
イギリスの大きなお屋敷の執事(お屋敷の家事や事務を取り仕切る人)が主人公です。歴史に翻弄されて、そのお屋敷は、最初の持ち主から、別の人の手に渡るのですが、そこでも執事を務めることになります。
屋敷の持ち主ではなく、裏舞台を取り仕切る執事が主人公、というのが面白い設定だと思います。
時折、心の弱さも描かれますが、自分の政治的心情や、恋心を押さえ、見事に、執事という役割を演じていきます。そこには、使用人という役割を越えた気高さがありました。
「本音」と「建て前」という言葉があります。自分の気持ちとは違う、その場面を演ずることによって、仕事や人間関係を円滑にしていく、という、日常の芸術作品を、誰もが演じているのではないでしょうか?
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