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自然と芸術とフンデルトヴァッサー

オーストリア・ウィーン生まれの画家・建築家にフンデルトヴァッサーという方がいらっしゃいます。『フンデルトヴァッサー』という名前は、ドイツ語からそのまま訳すと、『百水』。百変化ひゃくへんげする水、でしょうか?彼は、『自然の中に直線は無い』ということで、曲線を多用しました。

『千の風になって』という歌がありますが、風も水も、ずっと直線、まっすぐではありません。色々な形に変化していきます。自然は、私たちをおびやかすこともありますが、寄り添って、感動を与えてくれることもあります。フンデルトヴァッサーの絵や建築は、自然に寄り添いながら、曲線と、夢のような色使いで、私たちをおとぎ話の世界に連れて行ってくれます。

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写真は、ちょうど感染症騒ぎになる前の、オーストリア・ウィーンにあるフンデルトヴァッサーハウス。なんと、個人宅ではなく、公共住宅なんです。オーストリアの文化遺産になっています。

さて、フンデルトヴァッサー。本名はFridrich Stowasser(フリードリッヒ・シュト―ヴァッサー)。そして、雅号がごう、もしくは、ペンネームは、Friedennsreich Regentag Dunkelbunt Hundertwassar(フリーデンスライヒ・レーゲンスターク・ドゥンケルブント・フンデルトヴァッサー)。絵や建築物もお茶目ですが、ペンネームもお茶目です。意味は、『平和的・雨の日・ダークカラー・百水』。

彼にこんな作品を創らせた大元おおもとのインスピレーションは、第2次世界大戦後に行った北アフリカの、床も壁も赤い土で出来た伝統的な土の家から。自然と共に暮らす、そんな生き方に共感したのでした。今でこそ、SDGsといわれる中で、自然環境の大切さが言われていますが、ちょうど彼が北アフリカから帰ってきたころは、戦後の建設ラッシュ。灰色で直線的、無機質で画一的な建物が、刑務所のように思えたのでした。(これは、現代のどこかの国にも当てはまっているような😅。)

建てられた当初は、専門家の中からは、悪趣味だという意見もありましたが、入居希望者が殺到。一般市民からは大好評でした。

子供の頃の秘密基地を思い起こさせないでしょうか?私も、機会があるなら、住んでみたいです。

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彼は、ウィーンに生まれ、オーストリアやドイツに建築物を創りましたが、日本人の奥様がいらしたこともあるくらい、日本にも興味を持ち、日本に建築物を残してくれました。工場や、ゴミ処理場等創ってくださいましたが、まるでアミューズメントパークのよう。ワクワクして、仕事ができそうです。

人は、パンの為だけに生きるにあらず。自然や芸術も生活の一部でありたいものです。

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