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小説 オーズ Anything Goes! 8

復活のコアメダルの続きを(勝手に)描いた2次創作です。あくまで続編であることをご理解下さい

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天ノ川学園高校

「そろそろミツルが来る時間だ、校門前に行こう」

私は如月弦太郎と共に校門の前へと向かった。もうすぐでミツルくんに逢える。気持ちの昂りが止まらない

そして数分後、1人の青年が私達の手前で立ち止まった

「如月先生、ご無沙汰してます」
「おお、ミツル!元気にしてたか?」

私は最初それがミツルくんだとは気付かなかった。本当に大きくなったな…

「はい!それと…テディ、だよね?久しぶり!」
「ああ!立派になったな、ミツルくん」

ミツルくんに抱きしめられ、目を瞑る。あの日のことが鮮明に思い出される

「ミツル、今は親父さんの仕事手伝ってんのか?」

「はい、父さんの研究を手伝ってます!テディに会ったって言ったらきっと喜ぶよ!」

「ナオキくんにも宜しく伝えておいてくれ」

そんな時だった、聞き馴染みのある音が鳴り響き、デンライナーがこちらへ向かってやってきた。幸太郎が2051年から帰ってきたようだ

「え、デンライナーだ!ってことは!!」

ミツルくんの声と共に幸太郎とモモタロスが降りてきた

「テディ…やっと見つけたぞ、風都に行っても居ないし、こんな所で何やってんだよ。それにアンクは?」

「すまない、幸太郎。アンクくんの件はまた後で話す」

私の言葉に反応してミツルくんが口を挟んだ

「やっぱりそうだ!幸太郎さんもモモタロスも覚えてる?僕だよ、ミツル!」

その言葉に幸太郎とモモタロスは驚いた

「ミツル?ミツル…ミツル…あ、嘘だろ?お前ミツルなのか!でっかくなったなァ!」

「本当に久し振りだな!ナオキは元気か?」

「うん、テディだけじゃなくて皆に逢えるなんて思ってなかったよ!父さんに言ったら絶対羨ましがると思うなあ」

私は幸太郎達になぜ私がミツルくんと一緒に居るのかを説明した

「そういうことか、デンライナーで会いたい人が居ると言ってたのはミツルのことだったんだな。で、彼がミツルの担任の先生か?」

幸太郎が如月弦太郎を見詰め尋ねると、ようやく話を振られた彼は嬉しそうに話し始めた

「俺、全ての仮面ライダーと友達になる男!如月弦太郎だ!今はここでライダー部の顧問をしている!お前も仮面ライダーなら今から俺のダチだ!宜しく!!」

「なァにが友達だ。忙しねェ野郎だぜ、ったくよォ」

呆れながらモモタロスが愚痴を言っている隣で、如月弦太郎と幸太郎は友達の印を交わした

「お前もってことは、アンタも仮面ライダーか?」
「元々な、今は訳あって変身出来ねぇんだ」

私も事情は知らないが、ミツルくんは知っていそうな雰囲気だった

「ねぇ、幸太郎さん、テディ。さっきアンクのこと話してたよね?アンクにも会ったの?」

「ああ、アンクくんは今、大天空寺に向かうと言って、ダブルの2人と行動している」

「丁度いい。ミツルもテディもアンタも、取り敢えずデンライナーに入ってくれ。会わせたい人が居る」

そう言って私達3人はデンライナーへと乗り込んだ。そこには青い服の見慣れない男性が座っていた

「っ、あ…えっと、湊ミハルです。宜しく」

「テディ、話せば長いんだが、アンクの言葉に嘘は無かったんだ。彼は仮面ライダーアクア、湊ミハル。2051年から2011年にやってきた彼は未来のコアメダルをオーズに渡している」

そんな時、如月弦太郎が驚いたように湊ミハルに話しかけた

「ああ!!もしかして、あん時の?」
「えっと…どこかでお会いしましたか?」
「ほら、伝説の7人ライダーと一緒に居た!!」
「もしかして、あの白い宇宙飛行士の人!?」

なんと如月弦太郎は湊ミハルと火野映司くんが接触したその場に居たらしい。全員が椅子に腰掛けると幸太郎が口を開いた

「凄い偶然だが、ここに居る皆に共通点があるとすれば、オーズかアンク、そのどちらかと接点を持っているということだ」

そこで私とミツルくん、如月弦太郎は幸太郎と湊ミハルから彼らに関する真実を聞いた

私がさっきまで接触していたアンクくんが時間だけでなく、世界を超えてきた存在であること。そしてそれはオーズの運命を変えるためであること。そして幸太郎達がアンクくんの想いに応えようとしていること

「そんな…オーズが?そんなの絶対に嫌だ」

「映司さんは、俺の初めての仮面ライダーの友達だ。絶対に、絶対に死なせたりはしねぇ!」

「私も勿論、幸太郎達に付き合おう」

それぞれが自分の想いを口にする

「ここに居る全員気持ちは同じだ。オーズも、アンクも絶対に俺達が守り抜く。そうと決まればまずは足取りが分からないオーズを探すべきか…」

「幸太郎、ちょっと待ってくれ…ミツルくん。少し聞きたい事が…」

そう言って私は仮面ライダー部の部室から持参した1つの資料をミツルくんに見せた

「仮面ライダーオーズについて、これを纏めた若葉駿という子についてだが…」


アンクSide

どのくらい時間が経っただろう。黒い男がバイクを停めた。目の前には大きな寺が見える。これがゴーストが居るとかいう寺、大天空寺か

「翔太郎にお寺は全く似合わないねぇ」
「うるせぇよ!ほら、とっとと行くぞ」

寺の階段を登ると、そこには箒を持って掃除をしている若い男が居た。男は俺達に気付き、先頭に居た黒い男に話しかけた

「あ、えっと、修行の見学ですか…?」
「あぁ、いや、違うんだ。実はな、ゴー…」

言葉を言い掛けた黒い男を緑の男が引き寄せる

「翔太郎。ゴーストと言って住職さんに伝わるはずがないでしょ」

「今ゴーストって仰いましたか?皆さん、俺のことを知っているんですか…?」

男の言葉に俺達は驚いた。何と目の前に居る男こそ、仮面ライダーゴースト張本人だったらしい。本当にこんな寺に仮面ライダーが居たとは…

「俺は仮面ライダーダブル、左翔太郎。そんでこいつが相棒のフィリップだ。で、こいつが」

「アンクだ」

黒い男に流されるまま自己紹介を済ませた俺は早速本題を尋ねた

「お前に聞きたいことがある。お前、青い龍の仮面ライダーに変身できるか?」

「青い龍…?もしかして龍馬のこと?それがどうしたの?」

男の問に黒い男が続ける

「俺達は探偵、そんでこいつは俺達の依頼人だ。こいつは今、ある仮面ライダーを探している。それが青い龍の仮面ライダーだ」

「そのライダーはある人の命を救う手掛かりになるかもしれないんだ。ゴースト、申し訳ないが一度変身して彼にその姿を見せてあげれないだろうか」

緑の男の命という言葉に強く反応した男は深く頷いた

「同じ仮面ライダーの頼みで、誰かの命を救えるのなら喜んで引き受けるよ」

俺達が一歩下がると、男は腹部に両手を翳した。刹那、男の腰にドライバーが浮き上がる。何やら青い球体状のアイテムを開いたドライバーにセットすると、そこからフードのようなものが飛び出した

「カイガン!リョウマ!
       目覚めよ日本!夜明けぜよ!」

男はそのフードを被り込み、仮面ライダーへと変身した。これがゴースト、確かに青い龍の仮面ライダーだが…

「アンク、どうだ?」
「違うな」

そう、俺があの夢、つまり4年前に見たのはこいつではない。そうなると答えは1つに絞られる

「つまり、彼が見たのは仮面ライダークローズ…これでほぼ確定だね」

「ああ、ただなぁ…弦太郎は別世界のライダーだって言ってた。そんな奴、どう探せばいいんだよ…」

変身を解除したゴーストが申し訳なさそうに俺に謝る

「役に立てなくて、ごめんね…あのさ、良かったらアンクさんと2人で話したいんだけど、時間とか大丈夫そうですか?」

「僕達はクローズに絞って検索を掛けてみるよ」

その流れで俺は半強制的に寺の中に通された。テーブルに茶を置いたゴーストが俺に尋ねる

「アンクさん、人の命が掛かっているって言ってたけど、理由とかって聞いても大丈夫ですか?」

「そいつが俺の目の前で殺される夢を見たからだ。俺はそいつから命を貰った、だから今度は俺が救う」

俺の言葉にゴーストは衝撃の一言を告げた

「命を貰った…そっかぁ。俺の命も一度は失った命だから、似た者同士かもしれませんね」

命を失った、だと?人間が命を失ったら、二度と生き返ることなど出来るはずがない。それが出来るのなら俺は絶対に前の世界で映司を復活させている

「おい、どうやって生き返った」
「うーん…説明しても多分分からないですよ?」
「別に良い、ヒントになるかも知れんだろ」

そういって俺がゴーストに答えを急かしたと同時に緑の男が入ってきた

「お話中すまない、検索が完了したよ。仮面ライダークローズの変身者は万丈龍我、仮面ライダービルド、桐生戦兎の仲間だ」

その言葉にゴーストが反応した

「桐生戦兎って…どこかで聞いたような…あっ、そうだ!アカリが言ってた物理学者だ!確か直近は色んな発明品を作って売ってるって聞きましたよ!どこで売ってたか、ちょっと聞いてみます!」

そう言いゴーストはアカリなる人物に電話を掛けた

もうすぐだ、映司に辿り着くための手掛かりが、もうすぐそこまで近付いている。待ってろ、映司。必ずお前を救ってみせる


晴人 Side

「世界を超えてきたって、一体どうやって?」

晴人の言葉に進ノ介は静かに尋ねる

「方法は分からない。だがそいつはそう言っていた。俺も一度不思議な魔法石に吸い込まれて、別の世界に行った経験はあるが、一連の出来事が終われば帰ることができた。でもあいつは…」

「自分の意思でこの世界に留まってると?」

進ノ介の問いに晴人が頷く中、店員が飲み物を運ぶ

「オレンジジュース…?」
「あの、頼んでな…」

「今の話、俺にも聞かせてくれ」


「鎧武!?」「神様!?」


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