ネーム漫画「ラッパーちゃんとカントクちゃん」
まずはコラボ曲について
シンガーでありご自身で楽曲制作もされている桜川ゆいはさんと私とのコラボレーション楽曲である、『Eyes On Me』がMVと共に公開となりました。「ネームを元にした楽曲」という形でのコラボです。
なお、MVも私が作ってます。リリックビデオ的なものに初挑戦したんですけどめっちゃ楽しいですね。サビのとこがんばったのでぜひ観てください。
というわけで、その元となったネームを公開するべくこの記事を書いたのですが、その前に経緯を書きます。長いけどごめん。興味なかったら飛ばしてね。目次から飛べますので。
ことの経緯(漫画だけ読みたい人は飛ばしてね。)
元々私がゆいはさんのアルバムジャケットを描かせていただいたというご縁があったのと、ゆいはさんご自身が「漫画家さんとコラボしたい」と仰られていたのを聞き、私の脳裏に浮かんだのは、2022年春ごろに商業誌持ち込み用に描いた読切ネームの存在でした。
それは私がここ5〜6年くらい、HIPHOP、主に日本語ラップを聴くようになり、そのかっこよさ、嘘のなさ、現代性、言葉がビートに乗って心地よく熱くまっすぐ届く感覚(そもそも私は言葉というものが好き)に魅了され、「好きになったのは遅かったので遠慮していたが5年も聞いてるならそろそろ好きな気持ちを作品にぶつけてみてもいいのでは」と思い立ち、描いたネームです。
「駆け出しのラッパーの女の子と元映像作家志望の女の子が出会ってMVを撮る」というログラインはすぐ決まりました。私自身、元々映像作家志望で大学で映像を勉強していたので「音楽のことはわからないけど映像の事なら多少はわかるかも」と思ったからです。
ですが残念ながらこのネームは企画が通りませんでした。企画段階で「ラップを漫画で表現するのは難しい」と断られたり、編集さんのOKが出ても会議で落ちたりしました。この件に関しては愚痴や文句ではなく、素直に実力不足かなと思ってます。ラップを漫画で表現する事自体はうまくやればできると思うし、うまくやれている漫画家さんはいると思うし。
とはいえ。このままお蔵入りするのも悔しいと思っていたのは事実でした。ちなみに私はこの当時(2022年春夏頃)わりとメンタルが駄目になっていました。このネームに至るまでいろんな連載企画がいろんな理由で闇に葬られたり自ら葬ったりで没の山を重ねてきたからです。自信もだいぶなくなっていて「漫画とかしばらくいいから同人ゲーム作りてえ」とか言ってました(ゲームはマジでどっかのタイミングで作りたいです)。そんな時寄り添ってくれたのが日本語ラップ(特に女性ラッパーが自身のダメな部分を歌ったりありのままの自分を鼓舞したりする曲)でしたし、この時期の私のリアルな感情を「ある程度フィクションにはしつつ)乗せたネームでもあったので、思い入れがありました。
(ちなみにこの駄メンタルは年末頃決まったコミカライズ連載のお陰ですっかり回復しました。よかったね。アウターQコミカライズ、読んでね。)
とにかく、このようなクソデカ感情をモヤらせたまま眠っていたネームを、楽曲コラボという形で世に出せるのでは…!?と思ったわけです。ですが、この時は「漫画はいいが私が考えた素人ラップを見せるのが恥ずかしい」という理由で名乗り出るのをやめました。
ですがその後、ゆいはさんと野口純史さんのツーマンライブ「グレートステップ」を見に行き、その全力パフォーマンスを見て触発され「恥ずかしいとかいうくだらん理由でやめていいのか?」と思いたち、ライブ後の打ち上げ的な場でゆいは氏にノリと勢いでコラボの話をし、秒でご快諾いただけ、翌日にはネームを送って…という流れです。
コラボ曲は、私のネームに出てくるラップの再現をして欲しいわけではなく、ネームで伝えたかった事をゆいはさんご自身の表現もプラスして作って欲しい、ということをお伝えしました。ゆいはさんはそのコンセプトをじつに丁寧に読み取ってくれて、「Eyes On Me」は出来ました。本当にありがとうございます。ライブでぜひ生で聴きたいですね。
さて、長くなりましたが、このような経緯で楽曲公開時にはネームも公開しようと思っていたので、「ラッパーちゃんとカントクちゃん」のネーム漫画を公開します。ネームそのままでは見づらいので、軽く色をつけました。本当は絵ももうちょいクリンナップしたかったですが、時間がなかったので色だけです。では。
「ラッパーちゃんとカントクちゃん」
以上となります。読んでくださりありがとうございました。
ちなみに私のFANBOXでは他にも色々な理由でお蔵入りとなった幻のラフやネームを有料プランでこそこそ公開してます。こんな感じで近況ブログも書いてます。100円〜300円のサブスクなのでご興味ありましたらぜび。
私がジャケットを描かせていただいた桜川ゆいはさんの1stアルバムはこちら
投げ銭、心と生活の糧になります。大歓迎です!!