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共同親権への危惧。孤立し、苦しむものへの関与を。DV外来の義務化を。

共同親権法案が参議院を可決しました。なんてこった。施行は2年後だそうで、これから廃案に向けて、尽力しなければなりません。

推進派は法案の可決を優先するあまり、条文をわざとあいまいなままにして、通りやすくし、強行採決をはかったようです。

共同親権を推進する側、とりわけ推進派の国会議員たちの意図はどこにあるのか。日ごろ、SNSを追ってるだけではよく見えてこないのですが、どうも、私の憶測のままに書くと、表向きの理由とは別の格別な事情があるのでは、とないかと想像しています。その意図が何かは判然とはしませんが。

一方で、一般の推進派の人々を眺めると、保守論客の人々が共同親権を推進し、単独親権を敵視してきたことを受けて、保守を標榜する人も単独親権を敵視している傾向がある、と私は解釈しています。

なかでも、積極的に推進派にまわっているのは、やはり、DVによって、妻子に逃げられた男達です。街頭でのデモをやったのもこの人々。

共同親権の推進派はだから、3タイプ。
①政治家 ②右派、保守 ③DV夫 が挙げられるでしょう。

私は精神医療について、かねてから、考えてきたので、この記事では③DV夫について、焦点をあてて、話を進めます。

共同親権を考えるうえで、外せないのは、元プロ棋士の橋本崇載(たかのり)。プロ棋士を引退し、私生活でも離婚。かなり、精神的に参っていたようで、彼の当時のSNSを見る限り、将棋仲間とも関係がよくなかったのか、かなり、鬱積(うっせき)していたことがうかがえます。

そして、彼は事件を起こします。

鍬をもって、元妻の実家へ行き、そこで、元妻と、その父親を襲撃。怪我をさせ、ほどなく逮捕されます。彼は心療外来、カウンセリングの対象だったでしょう。

橋本氏は事件前、SNSにおいて、無差別殺人を引き起こす可能性を示唆(しさ)した書き込みをしています。そのことで想起するのは、大阪北新地の心療内科での放火事件。

DVにより、妻子に逃げられた男は、ある時、刃物を持って、妻子のもとへ行き、逮捕され、4年間、服役します。出所後、男は通院するようになった心療内科へ放火し、多くの人を巻き添えにして、自らも大やけどで命を落とします。拡大自殺ですね。

アイドルの女性に切りかかって、重症を負わせた男がいます。アニメスタジオに放火して、多くのアニメーターを死に追いやった男がいます。アイドルやアニメに依存していたはずなのに、対象者を殺害してしまう。

「子供に会いたい」と別居親は言う、しかし、別れた子供に会いに行って、子供を殺してしまう例もあります。私が共同親権をひどく危険視するのはそうしたことによります。愛するはずの対象を殺害してしまう。

前述の元プロ棋士は自分が将棋界を去らなければならなかったことも含め、とかく、周囲を恨んでいたようです。妻や妻の側の弁護士や自分を有罪とした裁判官を含め、あらゆる関係者が憎悪の対象だった。

「妻は殺人鬼だ」共同親権運動の旗頭だった元プロ棋士、橋本氏は、SNSで妻への誹謗を繰り返したあげく、事件を起こしたわけです。

DVによる離婚の1割は女性から、9割は男性からのDVです。そして、相手を殺害するような事件化するほど深刻な事例はまず、男性側です。

こうした男性達は総じて、親から愛されてこなかった、虐待を受けてきた人々でしょう。少なくとも、アニメスタジオに放火した男はそうでした。他の男達についても、その生育史を、幼少期の家庭環境を知りたいところですが。

拡大自殺、無差別殺人で思い出す例をいくつか挙げてみましょう。

「男が交番に行き、警官を刺して、けん銃を奪い、その拳銃を持って、近所を徘徊していた」

「男が小学校に車で乗りこみ、児童らを次つぎに撥ねていった」

「男が交番に行き、警官を刺し、けん銃を奪い、その拳銃を持って、付近の小学校に行く。学校の側の建築現場にいた警備の男性に発砲し、そのまま、学校に進入し、学校内でも発砲する」

「男が刃物をもって、小学校に乱入し、多数の児童を殺傷する」

「男が刃物をもって、スクールバスの児童の列に切りかかり、児童やその保護者を殺傷、男は直後に自刃」

「男が刃物をもって、中学に行く。職員室に行き、『助けてください、このままでは人を殺してしまう』といって逮捕される」

こうした男達に共通しているのは孤独と孤立。そして、親からの虐待だったでしょう。どこの職場にもなじめず、結婚しても、DVを繰り返してしまい離婚する。他者との関係性が希薄。

棋士には珍しく、とがったファッションで注目された橋本崇載もまた、何かに苦しんできたのでしょう。

共同親権を推進している政治家や論客達は橋本氏やその事件については一切、沈黙しており、言及していません。自分達を支持している男達がどういった人々なのか理解しているのでしょうか。

共同親権は「別居親が望んだ時に子供に会える制度」ではないですし、「養育費を払わない別居親に養育費の支払いを強制する制度」でもないです。

ただ、子供が成人するまでの間、子供の転園や進学等に別居親の同意が必要、という制度です。

私は提唱します。孤独で苦しんでいる男達もそうですが、DVをする保護者、とりわけ男性は精神医療の対象であり、治療を義務化すべきであると。

心療内科にはDV外来があります。DVは心の問題であり、治療の対象なのだ、ということを繰り返し訴えていきたいですね。

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