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暮らすroom's@飯山 トーク&マルシェ -vol.1-

こんにちは!暮らすroom‘sです。
女性が自立し、主体的に生きることのできる社会の実現を目指してスタートした「暮らすroom‘sプロジェクト」。

長野県内の各地で、地域と行政、そこに関わる方たちを繋ぎながら、一緒に暮らしを考えるきっかけの場を「キックオフ」という形で作ってきました。

今回は、2023年12月10日(日)に飯山市なちゅら文化交流館で行われた、『暮らすroom`s@飯山トーク&マルシェ〜地域と共に女性の自立を考える〜』の様子をリポートします。

当日は、
・参加型トークイベント(第1部、第2部)
・つながりマルシェ
を同時開催しました。
トークイベントでは地域の多くの方からお話を伺い、マルシェでは大型の遊具も出展し、にぎやかなイベントとなりました。
 

今回の記事では、参加型トークイベントの第一部をお届けします。

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【第一部ゲスト】

・伊東ゆかり 飯山市副市長
・鹿児島理恵 女神ハウス代表
      スピーカー:高橋昌子さん(ライフコーチ&タロット占い師)
            山口沙織さん(キラキラスマイルレンジャー)
            MiHoさん(切り絵作家)       
・上野眞奈美 IAA代表 元オリンピアン
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はじめに、女性の活躍という観点から、飯山市の取り組みと、北信地域で活躍している女性たちのトークセッションと題し、それぞれの今までの取り組みや現在の課題などをお話しいただきました。


女性が意思決定の場に立つことの大切さー

伊東ゆかりさん(飯山市副市長):
私は、飯山市では初の女性副市長ということで、今年の1月1日に就任をさせていただきました。テレビ信州・長野朝日放送でリポーターとして活動し、結婚後に飯山へ参りました。その後、フリーアナウンサーとして30年以上ですけれども活動して参りました。副市長就任した今年(2023年)の1月1日は、正に晴天の霹靂で、突然意思決定の場に立つことに なりました。

実は、この夏から秋にかけて、飯山市役所の中で346人の職員を対象にジェンダー平等に関する意識調査のアンケートを行い、226名が回答をしてくれました。
このアンケートの中では男性の育児休業取得に関して問うものもございましたが、5名ぐらいの男性から育児休業は必要ないと思うと回答がありました。
こうした意識をやはり、今後は変えていかなければいけないということで、町内の勉強会を開催したり、若い20代30代の職員の皆さんで、プロジェクトチームなどを作れたらというように考えております。

ジェンダー平等ですとか、男女共同参画について、私が自分を省みて思うことは、意思決定の場に立っていただくということがとても大切だと思うんです。
人を立場に立たせるという例で私が経験してきたのは、学校のPTAの役員があるんじゃないかと思うんですけれども、くじを引くのは女性で、結局役を勤められるのは男性というようなケースがありますよね。
是非そういう場でも、今後は女性の皆さんに役員についていただいて、意思決定をしていっていただく。そういう経験を積んでいただくことが大事ではないかというように思っています。

私自身こうした責任ある立場に立って、それまで意思決定というのはなるべく避け て生きてきた人間でしたけれども、私自身が生き生きと振る舞うことと、失敗も全て前向きに捉えて実行していくということ、これを今後も心がけていきたいなと考えています。

「こんなのがあったらいいな」の声を拾うことー

鹿児島理恵さん(女神ハウス代表):
隣の中野市で、「女神ハウス」という女性の起業・副業を応援するサポートコミュニティを運営しております。
そこでは、場所を持たない女性のためのレンタルスペースや、ハンドメイドの作家さんの作品などを販売するショップを一緒に併設して運営しています。

私は、子育てが終わってから自分の時間ができたことで、何でも自分でやりたいことをやってみようということで起業にチャレンジしました。そしてフラワー講師の資格を取り、自宅サロンをオープンしました。その後、全県でやっているイベントにも携わるようになりまして、たくさんの人との繋がりができてきました。

そんな中で、コロナになりイベントができなくなり、皆さんとの交流を兼ねて、こういう場所があったらいいなという声と、自分の中でも思いがあったので、この女神ハウスというものを立ち上げオープンしたのが2年前になります。
今日はそのコミュニティの中から躍動的に活躍している女性3名の話を皆さんに聞いていただきたくお呼びしていますので、ご紹介します。


「何でもとりあえずやってみる」と、それがいつか繋がるー

高橋昌子さん(ライフコーチ&タロット占い師):
普段はパートタイマーとして働いてます。ガソリンスタンドは6年目ですね。そういう時給のお仕事をしながら、ライフコーチというコーチングのお仕事と、こういったマルシェットに出店するタロット占い師の仕事も一緒にやっております。
コーチングは、自分がコーチングに出会って生き方だとか、自分の心の持ち方をすごく整理できた中で、悩んでる方の役に立てたらいいなと思って始めました。

やってることもごく普通なので、お話することもそんなにないんです。これまで「やってみない?」と言われて始めたことばっかりで、「何でもとりあえずやってみる」がポリシーだったので、今日も出ることにしました。
やりたいと思ったことをやってるんですが、何か全部が繋がってきているなって、今はすごく感じていますね。
だから何をやりたい、これからどうしていきたいとか、今何を中心に頑張ってるとかは特にないんですけれど、それがいつか繋がって、誰かの何かの役に立てたらいいなと思って活動しています。


将来ある子供たちに夢を与える存在になりたい。 そのためには、自分自身が輝くことが1番ー

山口沙織さん(キラキラスマイルレンジャー):
周りから呼ばれている私のキャッチコピーが、「キラキラスマイルレンジャー」なんですが、そこにはこれまでの私の経験の中で、上京・就職・出産など4つの起点があります。
中でも私の一番の転機は、昨年今年とミセスコンテストへの出場をしたことです。かつてのCAになりたい夢は叶わず、真面目な仕事につき、母親として生きて、周りの目を気にしてきました。でも本当はそうじゃない。後悔なく生きるために、変わりたいと思いました。

今後はこのような経験を活かして、将来ある子供たちに夢を与える存在になりたい。 そのためには、自分自身が輝くことが1番で、これからはまずマインドに加え、歩き方や姿勢が、生き方を変えるほど大事で、それを広げられる場を作りたいと思っています。

もう1つは、閉鎖的な長野県から、いい意味で開放的な長野県になるための女性の活躍の場に携わりたいと思っています。私はキラキラスマイルレンジャー。笑顔で輝く日々を過ごし、多くの方の心の平和を目指していきたいです。


背伸びをして、自分にはちょっと無理だなと思うことをやっていくー

MiHoさん(切り絵作家):
結婚して子供の時の夢をもう一回叶えたいなと思って、洋裁師の叔母にチクチクした裁縫を1個教えてもらったんです。こんな洋裁やってても、パリコレに行きたいとか、世界に行きたいとかって、ずっと言ってたんだけど。これ無理だなと思ってる時に切り絵に出会って、切り絵をやり始めたんです。

そしたら、ある会社の社長さんが、震災があってその時にチャリティをするっていうので、じゃあ何かお手伝いできることありませんかって言ったら、「じゃあ切り絵やってもらえますか」と。パパパって作って、すぐそのファイリングを送ったら、「じゃあこれでニューヨークの方でチャリティーするんで、ニューヨークに持っていきます!」。え、いきなり世界…って思って。
「いきなり世界か、これなら世界に行けるんだ!」と、活動を始めてから6年目、去年ここに書いてあるフランスのデザイナーさんに声をかけていただいて、パリでファッションショーをしました。

今年で7年目になったんですけれど、今後の夢は、ここに書いてある「モンサン・ミッシェルで展示会をやりたい」っていうのが私の希望です。来年じゃなくて、再来年。とりあえず、3年後を目指して、今お金貯めてるとこです。そんな風に、今自分のやりたいことをどんどんやっています。

自分の夢を叶えるためには、コンフォートゾーンを越える。今の自分と、昨日の自分と、今日の自分、同じことやっていてもまず無理なんで、背伸びしてください
背伸びして、ちょっと自分には無理だなと思うことをやっていくとできます。それも漠然とでも大丈夫。こんなことやりたいなって言っても言わなくてもいいです。
とりあえず今何ができるか、目の前にできることを1個 か2個ぐらい、もうそれをやっていきましょう。

自分を満たした上で、他者に与えられるのが本当の幸せー

鹿児島理恵さん(敬称略):
女神ハウスを立ち上げて2年になりました。暮らすroom`sさんをこう見ていると、ウェルビーイングっていう言葉が出てきます。私は2年経って、女神ハウスをこれからどうしていこうかなと思った時に、やっぱり女性のウェルビーイングというところをすごく考えたくなって。推進力となるような場所になったらいいなっていうのを思っています。

どうしても女性って自分を脇に置きがちになってしまいますので、1番は「自分を満たす」自分を満たした後で、他者に与えられるっていうのが、本当の幸せ幸福度が上がることなんだなっていうのを、最近ウェルビーイングを学んでいて感じているところで、そういった女性のウェルビーイングを後押しできるような女神ハウスにしていきたいなと思っています。


自分にとっての大切なものを理解することー

上野眞奈美さん(IAA代表 元オリンピアン):
皆さんも同じだと思うんですけれども、私にもたくさんのバックグラウンドがあります。出身は、神奈川県横浜市です。元々アルペン競技スキー競技をずっと小さい時からお兄ちゃんと一緒にやっていたんですけれども、大学でフリースタイルスキーハーフパイプというスキーの新種目に出会って転向しました。

2014年のソチオリンピックに出場し、その中で、5年前に長女を出産して、そのタイミングのちょっと前に、1度競技を引退しました。
主人の地元である野沢温泉村に移住し、子供を出産して、主人と共にアウトドアアクティビティのサービス事業と、コンパスハウスというスキーショップを開業するところから野沢の生活がスタートしました。

それと並行して、オリンピック出場を目指すような形になりました。ママアスリートとして、3年間活動し、会社の事業と並行してアスリートをやっていたんですけれども、たくさんの人たちのサポートを得ながら、2014年のソチオリンピックに出場させていただきました。

私がなぜ挑戦できたのかというところは、挑戦しなくてはならなかったという風に思っています。私がプロスキーヤーとして、このスキーを通じてスノーリゾートの素晴らしさを知ってもらいたかったからです。
スキーを通じてスキーの魅力を発信したいという、大きな自分に掲げたミッションがあったので、その自分を大切にしたかったんです。すごくしんどかったんですけれど、自分がそこまで命を削ぎ落として時間と労力を継ぎ込み、投資してやろうとしていたこと、その気持ちを私は大切にしたくて挑戦しなくてはならないと思ったんです。

なぜ諦めなかったのかというと、諦めることの方が難しかったというところがあります。それは、子供の存在です。私はママにならなかったら、絶対にオリンピックに行けなかったと、もう絶対的に思うんです。ママになったらあんなに頑張れる自分になれるんだっていう、新しい自分に出会ったんですよね。
子供が夢を持った時、頑張りたいって思った時、挑戦したいって思うものが持てた時に、思いっきり「挑戦しなさい」って背中を押してあげる。私は、そんな母親になりたかったんです。
そうなった時に、じゃあ育児があるからちょっと両立は難しいなって諦めてしまったら、背中を押せる母親にはなれなかったと思うので、そういった思いから諦めることの方が難しかった。なので、目の前にある可能性にチャレンジすることに決意しました。

必要だったサポートは何かというと、今実際こうやってお母さんになって、求めるサポートって本当に多種対応なんです。1人に対して1回答。2人いれば2つ回答があって、本当に求めるサポートが多種多様すぎて。
じゃあ何が大事なのかって、自分自身が何が必要かを理解し、それを開示する勇気が一番大切だなという風に感じました。自分自身がこれが必要だっていうのを、要は打ち明けられる場所、開示できる勇気が必要だなという風に思います。

働き方が多様になってきて、女性の活躍を応援してくれるような環境が整っていく中で、その結果、働き方の時間も、自由にフレキシブルになってきている。結局その働き手が、「自分が今何を大切にしているのか」というところを自分が理解し、そして企業側はその人が何を今1番大切にしたいと思ってるのかを理解する相互理解が、女性が活躍する上ではものすごく大切なことなんじゃない かなと私は思います。

自分が今この時間、今この時代、子育てをしている時間、子育て が落ち着いた時間、そしてその後の時間、何を大事にしたいのかっていうのを自分の中で理解しておくことが、自分らしさを継続しながら、自分が社会に出て自分を生かしながら輝ける、そんな自分の人生になっていけるんじゃないかと思っています。


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