眠れる幸せ

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                       2019/01/11 第500号
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【 眠れる幸せ 】

こんにちは。健康生活アドバイザーのだんごママです。

4か月ほど前、朝起きると腰が痛い。布団が変わったせいかもと思っていたのになかなか痛みが取れませんでした。1か月ほどたつと右脚の痛みとしびれが始まり、痛み止めを服用しながら何とか眠れても、痛みで目が覚めるようになり、自然治癒は期待できないと整形外科を受診。腰椎椎間板ヘルニアの診断を下されました。治療薬の服用開始から1週間ほどで、何とか眠れるようになり、少しでも長く眠れるよう工夫する毎日を過ごしています。

昨年は、バス運転手の心筋梗塞・脳梗塞による事故がたびたび報道されました。病気が原因ですが、睡眠が深く関与しています。

睡眠は身体の休息だけではなく、脳の休息、脳機能のメンテナンス作業と情報整理をする役割があるといわれています。不規則な睡眠を続けることで、メタボリックシンドロームや心血管障害や代謝異常などのリスク増加に至ることが指摘されています。注意力の低下も顕著で、一晩徹夜するとかなり酒に酔った時と同等の注意力低下がみられるようになることも研究で明らかになっています。望ましいとされている7時間睡眠の人に比べると、平均睡眠時間が6時間の人は23%、5時間の人は50%、4時間以下の人は73%も肥満になる確率が高くなることもわかっています。先ほどのバスの運行にかかわっている人達の多くは、睡眠不足の翌日、本調子ではないことを経験しているはずです。

手軽に眠りにつくために、アルコールの力を借りるという話もよく聞きます。
最初のうちはよく眠れたような気になりますが、理想的な睡眠ではないため脳の休息につながらず、また日増しに飲酒量が増え、依存状態になっていきます。薬局で睡眠改善薬が販売されるようになってから15年以上たち、利用されている方も多いと思います。目が覚めた後にのどの渇きや、体のだるさ、眠気を経験されている方もいらっしゃるはずです。医師に睡眠導入剤を処方されている方も結構見受けられ、薬に頼る生活から抜け出せない人が減らず、積み重なっていく睡眠負債削減のために厚労省もようやく対策に乗り出しました。

薬やアルコールなどに頼る睡眠は理想的な睡眠パターンを得られないため、生活のクオリティーを下げてしまいます。眠りにかかわる研究が進み、長く眠ればよいというものではなく、歳を重ねるにつれ睡眠時間も短くなって行くということも立証されています。時差を解消するための食事の在り方などの研究、理想的な眠りに近い睡眠を得られる薬の研究が進み、その研究にもとづいた医薬品も販売(医師による処方薬)されるようになっています。

思い込みではなく、科学によって解明された睡眠を実践していれば、報道されたような事故を引き起こしたり社会的地位を失うことはなかったはずです。
慢性的な睡眠不足は個人の健康だけではなく社会の経済活動にも影響を与えます。健康で、充実した生活を送れるように、今一度生活パターンを考えて、自分に合った睡眠パターンを実践してみませんか。私の場合、まずは腰椎椎間板ヘルニアの症状を抑えてからになりますが。

<参考文献>
「睡眠の科学・改定新版  なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか」
   櫻井 武  BLUE BACKS
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