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知っているようで知らない標準化

こんにちは。くらし活き活きアドバイザーの晴兵衛です。

皆さんの家庭に当然のようにあるコンセント!まじまじ見た事はありませんが、よく見てください。左右の差し込み口の長さが違います。左側の長さがわずかに長く設計されています。更に、コンセントプラグの先の方にかならず穴が開けられています。これらの理由は別な解説書に譲るとして、このような構造は、どこのメーカーの製品でも同じです。

「もの」や「事柄」を単純化、秩序化により製品やサービスの互換性、品質
、性能、安全性を確保し、利便性を向上させることを「標準化」と言います。
そして「標準化」の標準とは、決め事、つまり「規格」になります。冒頭に書いたコンセントは、典型的な事例で、JIS(日本産業規格)に定められた約束事です。

私達の身の回りには、標準化によって、ごく普通に誰でも便利に使えるものに囲まれています。乾電池、用紙サイズ、鉛筆、ボルト・ナット、非常口のロゴマーク、シャンプーの刻み、牛乳パックの切り欠きなどなどです。最近では、コロナウィルス感染症の急拡大で、一気に需要が増したマスクの試験方法がJIS化されました。

今では当たり前の標準化ですが、歴史的にはある出来事がきっかけとなりました。時は1904年2月、アメリカのボルチモアで火災が発生しました。当然のごとく、ワシントン、フィラデルフィア、ニューヨーク、ウィルミントンなどの消防署が消火活動に駆けつけました。しかし、延焼を食い止められず36時間にわたり燃え続け、1526棟の建物が焼失しました。現在の日本円に換算すると約2兆円の損失を被ったのです。多くの救援にもかかわらず、なぜ食い止められなかったのでしょうか?

今では信じられない事ですが、救援に駆けつけた他都市の消防署のホースとフィラデルフィア市に設置されている消火栓のジョイントが合わなかったのです。

私たちが何気なく消費しているモノ・サービスは、互換性、安全性、利便性を担保する標準化という弛まぬ努力の積み重ねの上に成り立っています。

余談ですが、スマホの充電器は各社各様です。統一して一つにすればどのスマホでも使えるのに!と思いませんか。スマホを買い替える度に新しい充電器がセットになっています。古いものは捨てなければなりません。

これに対し、昨年9月に欧州委員会がEU内で販売するスマホ、タブレットの充電器の仕様を「USBタイプC」に統合すると発表しています。これによって古い充電器の廃棄物を大幅に減らせると考えています。

引用 :「私たちの暮らしを支える日本と世界の標準化」(経済産業省)

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