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シニアの食事

こんにちは。健康生活アドバイザーのだんごママです。

先月、主人が古希を迎えました。この十年で体力も気力もそれなりに衰えています。服用している薬の影響もありますが、食事の量も減り、足や腕もずいぶん細くなってきました。(お腹周りは別ですが)

現役時代の主人は、食事の時間がきちんととれず、昼食を抜いたり、菓子パンと野菜ジュースで済ませたり、お弁当を持たせても何を食べたのかわからないような食生活を送ってきました。定年退職後、規則的に食事をとることができ、それなりに豊かな食生活を送ってきたと思っています。ですが年には逆らえず、それなりの状況になってきました。食事量が減ってきて気になるのが、タンパク質のとり方です。主人の食事は糖質を制限しているため、カロリー不足をタンパク質で補うように気を付けているつもりでした。このままの食生活を続けていたら筋力がもっと落ちてしまう。筋力がこれ以上衰えることがないよう、良質のタンパク質がとれる鶏胸肉の料理にしようかと提案しましたが「味がしない。紙を食べているようにパサパサしているからできれば食べたくない。」と言われてしまいました。最近、ハヤシライスやカレーなど味のしっかりした料理を食べたいと言っていたことを思い出しました。ひょっとして味覚異常になっていたのかと心配になりました。

味を感じる閾値(いきち)は、年を取るごとに低下していきます。味蕾の総数は、若年者ほど多く、高齢者はこれから味覚が形成されていく新生児期の半分から1/3といわれています。年齢を重ねるだけでなく、薬の副作用や微量金属の欠乏、コロナのような全身性疾患や臭覚障害など様々な要因があります。古希という年齢を考えると、年相応と思えるのですが、できるだけ長く仕事を続けたいという主人の思いを考えるとこのままではだめだと思いました。今はフレイルの入り口で(フレイル:健康な自立状態と要介護の中間)サルコペニア(筋力低下を伴うフレイル状態)もまだ何とかなる状態だと思い、健康寿命を延ばす対策をプラスしてもらうことにしました。

食事の一回量を増やすのは無理なので、仕事の合間につまんでいたアーモンドチョコレートを常温保存可能な魚肉ソーセージに変えてもらいました。筋肉量を減らさないための運動ですが、今の時代ジムに通うのはリスクが伴うと判断し、夕食後にテレビを見ながらゴムの負荷をかけながらの運動や、バランス運動をすることにしました。今までも職場では階段を使い、毎日1万歩近くは歩いていましたがそれだけでは足りていなかったようです。

勤務先の病院に入院してくる高齢者は、整形外科や循環器内科、感染症など様々ですが、アルブミン値が低く低栄養状態の方がかなりの割合でいらっしゃいます。アルブミン値が低いと、感染症にかかりやすくなったり、傷の直りが遅くなったり、むくみが取れないといった症状が現れます。主人のフレイルの状態がこれ以上進まず、もう少し仕事が続けられるように、新たに始めた対策を続けていくつもりです。余談ですが、以前から医薬品の供給不足が続いていますが、最近になって緑膿菌の治療薬が入荷しなくなりました。それに伴い腎機能の衰えた高齢者によく使われていた抗菌薬も出荷制限がかかってしまいました。今までのように重症感染症の治療ができなくなるかもしれないという思いが日ごとに増しています。

ちなみに、主人が食べたくないと言った鶏胸肉ですが、主人の意向を無視してお弁当に入れました。鶏胸肉を薄切りにしてマヨネーズを絡め、薄く小麦粉をまぶして焼きました。マヨネーズの卵と小麦粉で肉汁が失われにくくなるためしっとりと仕上がり、おいしかったと言ってもらいました。フル勤務でなかなか食事に手をかけられなくなっていますが、健康でいられるようなシニア夫婦の食卓を目指して工夫していきます。

参考:高齢者の栄養状態と予後
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/47/5/47_5_433/_pdf/-char/ja

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