言葉のない手紙
言葉のない手紙
ある日言葉のない手紙が届いた
その手紙は
誰の思いや意思ものせずに
ただ真っ白な手紙としてそこにあった
誰かのための手紙ではなく
ただ自分のための手紙として生きていた
手紙は手紙のまま
たとえ言葉を知らずに死んでいったとしても
それでよかった
どうしてそんなことができるのか
手紙は僕の問いには答えない
そして手紙は大きな帆を張り
夜の海に消えていった
あれからどのくらいたっただろうか
僕は今あの日届いた手紙に
言葉のない返事を書いている
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