私にもおすすめしてほしいです

本と美味しい料理。
自分にぴったりな本をおすすめしてもらえる。

このブックカフェ、どこにあるんですか?

里見蘭さんの『古書カフェすみれ屋と本のソムリエ』を読みました。

古書カフェすみれ屋さん。
玉川すみれさんがオーナー店主のお店です。

すみれさんがカフェを運営していて、紙野君が古書店を運営しています。
紙野くんはすごい書店員です。

『書店へ本を探しに来るお客様のなかには、本の題名や著者、出版社などをきちんと把握してない人も多い。うろおぼえの人やおぼえちがいをしている人も、けっこう多いのだ。書店員が書いたエッセイで、来店客から『情事OLの1984年』という本を探しているとメモを渡され、ジョージ・オーウェルの『1984年』かと確認したら、そう書いてあるでしょう、と言われたというエピソードを読んですみれは噴き出したことがある。なかには、「さっきテレビ番組で紹介してた、あの本ちょうだい」と書店員にしてみれば雲をつかむようなリクエストをするお客様珍しくないらしい。
ベテラン書店員でも目的の本を特定できないことは多い。だが、紙野君はちがう。ほかの書店員ではお手上げの問い合わせであっても、彼にかかれば百発百中、お客様のわずかな言葉を手がかりに、“お探しの本”をぴたりと的中させることができるのだ。
それだけではない。ときに彼は、そうしてお客様が探している本を特定したあとで、「お探しの本が見つかってよかったです。でも、もしかしたら、こちらの本もお役に立つかもしれません」と、探していたタイトルとはべつの本を差し出すこともあった。けげんに思いながらもお客様はその本を購入し、そして――つぎに店に来たとき、感謝とともに紙野君にこういうのだ。自分が本当に欲しかったのは、あなたが薦めてくれたあの本だったのだ、と』

私にも本をおすすめしてほしいです。

紙野君もすごいですが、すみれさんのつくるカフェのご飯もおいしそうで、おいしそうで、食べたいです。

『すみれ屋のメニューは日によって替わる。この日は、鶏のほろほろカレーと、フィリーズチーズステーキサンドイッチの二種類だった。
いすれも数百円で、コーヒーなどのドリンクもセットになる。
鶏のほろほろカレーは市販のカレールーを使用せず、トマトとにんじんのピューレを大量に使い各種スパイスで味付けした、さらさらのヘルシーなカレーだ。
スパイスの香りを油に移すところからはじまり、鶏の胸肉を文字どおりほろほろの状態になるまで煮るので、仕込みに時間と手間がかかる。が、リピーターも多く、限定二十食が毎回完売する、すみれ屋の人気メニューのひとつだ。
しかし、すみれがそれ以上にこだわっているのがサンドイッチだ。
中略。
具材は、グリドルで炒めた和牛の腿肉の薄切りと玉葱の上にたっぷりのチーズを載せ、とろけさせたもの。水平に切り込みを入れたロングロールは本のように開いて切断面をグリドルでかりっと焼き、マスタードバターを塗る。具材からあふれる肉汁を受け止めるよう、ワックスペーパーを敷いた皿に盛りつける』

古書カフェすみれにやってくるお客さんは悩んでいたりします。
紙野君は悩みにぴったりな本をお客さんに紹介します。
紙野君がすすめてくれた本によって、お客さんたちは悩みの答えに気がつきます。

誰かにとってはその一冊の本が、人生を変えることもある。

美味しいご飯と自分にぴったりの本。
ああ、このお店に行きたいです。


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