不思議だったんです

トレーの上にしたたり落ちた、あざやかな赤い色をおぼえている。

10年以上前の11月の平日にお店に行った。
いつも行列だと言われていたけれど、その日の午前中は行列がなくて、お店に入れた。
お店の中は人でいっぱいだった。

あのとき、メンタルが最悪で、落ち込んでいて、会社に数日休みをもらっていた。
ほんとうなら仕事行かなきゃいけないのにな、と思いながら、平日に出かけた。

あの時のことを本を読んだら思い出した。

『ひみつ堂のヒミツ』という本を読みました。

ひみつ堂のヒミツ 1000円のかき氷を1日500杯売り続けられる理由

谷中にある一年中やっていて、行列のできるかき氷屋さんの本です。
整理券がすぐになくなってしまうそうです。

初めて行ったのは10年以上前だと思います。
落ち込んでいて、気分転換したかったんです。

ふと、平日ならあのかき氷はそんなに並ばずに食べれるだろうか、と思いました。
ぐあいわるいっていって会社休んでるのに、遊びに行くなんてうしろめたい気持ちもありました。

あっ、これって新型うつってやつかも、会社休むと普通になって、元気になるっていうのだ、とか思いました。

思い切って谷中まで出かけて、かき氷を食べました。
あのとき、ひみつのいちごみるくを頼んだと思います。
たっぷりの蜜がトレーにこぼれて、あのあざやかな蜜の赤を覚えています。

『あるお客様に、
「今日は東京ディズニーランドに並ぶか、ひみつ堂に並ぶか迷って、ひみつ堂に来ました！」
と言って頂いたことがあります』

5時間待ちなんですね。
あのときすんなりお店に入れた私は、すごくラッキーでした。

お店の外観をみたときに、これなんでだろう？って思ってて、本を読んで謎が解けました。
なんでこれを使ってるんだろうと不思議だったんです。

またいきたいなと思います。
コロナが落ち着いたらいきたいと思います。