簡単には起こらない

奇跡ってめったに起こることじゃない。
めったに起こらないから奇跡。

畑野智美さんの『若葉荘の暮らし』を読みました。


『「そういう奇跡は、起こらないんだよ」
「……うー」
自分でも、安っぽいことを言ってしまった、と感じた。二十代や三十代だったら、物語のような奇跡を信じられたかもしれない。でも、わたしたちは四十歳を過ぎている。現実は、そんなにうまくいかないということを知ってしまっている。奇跡が起こることが絶対ないわけではない。だが、それは、ごく稀なことだ。だから、「奇跡」と呼ばれる。
それでも、」千波さんに奇跡が起こることを、最後まで願い続けたい。
苦しんだから、努力したからなんていうことは、意味のない世界なのだろう。けれど、小説が全てという彼女の人生が報われてほしかった。』

努力したからって奇跡が起こるわけじゃないけれど。
でも奇跡が起きてほしいことはあります。

現実はうまくいかないけれど、もしかして、と思ってしまうことはあります。

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