どれでも正解

読んだ人が思ったことが正解。

成田名璃子さんの『今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私』を読みました。

『「見ての通りだ。主人公の気持ちは一と二は無。すなわち、あまりの衝撃に一時的に真空のような無の状態になっている。三問目の雀同士のケンカを見ている時の答えは、裏設定だがトイレに行きたいと考えていた。以上だ。著者自らが言うんだから間違いないぞ――ただし」
「ただし?」美空が真剣な顔で先生を見上げる。
「君の書いた解答も正解だし、他のどんな生徒が書いた答えも正解だ」
「ええ、どういうこと? それじゃ、テストなんて意味ないよ」
「そうだ。テストに意味なんてない。小説は書き上げた瞬間に作者の手を離れ、読者のものになる。作者が何を意図して書こうが、読者の感じたことこそが正解だ」

主人公はトイレに行きたかった。
それが正解。
それでいいんだ。

感想は読んだ人の自由。
でも辛口レビューが付くと書いた人は凹みますね。

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