比べられるものじゃない

比べられるものじゃない。
どれくらい大変とか、つらいとか。

瀧羽麻子さんの『東家の四兄弟』を読みました。

『「誰がどれだけ大変かなんて、比べられるもんじゃないでしょ」
母はあっさりと言う。
「そうかな?」
「比べられないっていうか、比べても意味がなくない? だってみんな、自分の人生を自分で生きていくしかないんだもの」
言葉を探すようにいったん口をつぐみ、静かにつけ足した。
「それに、大変さって、結局はひとりひとりの主観じゃない? 他人には計り知れないよ」』

どれだけ大変か、なんて他人に伝えられない。
それはその人だけのものだから、伝えられない。

比べても意味がない。
自分だけのものだから。

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