泣けないとき

泣けないときもあります。

望月麻衣さんの『満月珈琲店の星詠み』を読みました。

『「あなたは、涙を流してこなかったでしょう? 辛い時、苦しい時は、ちゃんと泣かないといけません。水はすべてを流してくれる作用があるんです」
そういえば、これまで辛いことがたくさんあったけれど、涙は流していなかった。
ただおびえるように丸くなって、身を隠していただけで、泣くことを忘れていた気がする。
今、頬を伝う涙は、とても温かい。
顎先から落ちた時、涙はまるで星のシロップのように、光っている。
「……っ」
これまで押し込めていた苦しかった想いを吐き出すかのように、私は涙を流した』


本当に辛い時は言葉にできない。
感情がマヒしてなにもないときがある。

泣ければ楽になれるのかもしれない。
泣くことで浄化されることはあるはずだ。

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