2020年の日々・コロナ前夜

2019年12月31日

2019年は、劇団にしても立川にしても洗足にしても、自分の仕事でこの数年行ってきたことが、過渡期を乗り越え、ある到達に至ったと実感できた年でした。到達、しかし、それはそのままでは停滞あるいは潤落へと転じます。来年再来年は、はっきりと転換期にしなければいけません。
何度も転換期と過渡期を繰り返しながら、成長してきましたが、年齢的に演出家としては、これが最後の転換期かなと思います。「これまで」を踏まえて、新たな「これから」をデザインして奮闘してまいります。倉迫やOrtとこれから面白い仕事をしてみたいという方、ぜひ個人法人、国内各地域、海外問わずお声がけください。
2019年、さまざまな現場でお世話になりました。また、あたたかい応援やご協力をありがとうございました。2020年もよろしくお願いします。10年後の良き未来を共に築きましょう。

1月4日 

年末にエピソード9を観て、大晦日から三ヶ日にかけて、エピソード1~3を公開以来に観て、続けて『ハン・ソロ』(これは初見)、『ローグ・ワン』、エピソード4~6を観た。年代順に復習したら、エピソード9を再び観に行く。

公開順では無く、年代順に観ることで感じたことが様々あったので、完全に趣味として書いとく。

実はもともと「一番面白いのはローグ・ワンじゃね」派だったのだが、あらためてその想いを強くした。やはり名作。ジェダイの騎士よりもシスの暗黒卿よりも、俺はこっち側の連中に肩入れする。フォースよりも自分の意志の力にしか頼れない連中。ハン・ソロはこっち側の住人だったのがフォースの世界の住人に巻き込まれたように見える。
ローグ・ワンからつなげてエピソード4を観ると、4は今まで何度か観たけど、ローグ・ワンの希望がこうして託されたのかと思うと、胸熱が半端ない。これは年代順に観たからこそのもの。

で、6まで観終わったのだが、1〜3を観てからだと、アナキン=スカイウォーカーの物語の結末としては消化不良。というか、4〜6だけだとジェダイVSシスの物語としての側面よりもルーク、レイア、ソロの成長の物語の面白さが強い。それはおそらく、ウォーズと言いつつ、戦争よりも冒険を描くことに力点が置かれているからだろう。ローグ・ワンが戦争の犠牲、1〜3が戦争の陰謀を描いた印象が強いので、4〜6がその意味では軽くなっている。
ただ、映画としては1〜3より4〜6の方が面白い。4〜6では主要人物たちが「大丈夫、なんとかなる」か「大丈夫、僕にまかせて(俺にまかせろ)」ばかり言ってる上に、失敗するんだけど気に病まない。対して、1〜3では「かもしれない」と悪い予感に引っ張られることが多い。で、気に病む。行動原理が前者は良くも悪くも脳天気で、後者は疑心暗鬼。前者の方が話が動く。

そして、7、8を公開時に観たときには、フォースの力が都合良すぎねえかと思ったが、1〜6とローグ・ワンを観るとフォースの定義とかルールは曖昧すぎてどうとでもできるとわかった。いや、関連書物とか設定を読み込んでる人は違う感想を持つんだろうけど。
『ハン・ソロ』を観ると、裏切り(というより裏切らざるを得ない人の事情や心情)を受け入れられるハン・ソロの陽気さが、ルークやレイアにとって光だったのだとわかる。何せ、スカイウォーカーの家系は基本、狭量だ(才能主義だからか)。なので、ダークサイドに堕ちやすいのだが、周囲の陽気さが光となる。つまり、フォースの持ち主にとって大事なのは修行よりも「陽気な仲間、相棒」ということだ。実際、ジェダイもシスも陰気じゃない?

ここまでの感想としては「人間はフォースになんか頼らない方がいい」という想いが強くなっているが(笑)、あらためて7〜9を観てどう感じるか、ひっそりと楽しみたい。

1月5日 

Theatre Ort(シアターオルト)、本日より稽古始めです。2020年最初の作品は『ブレーメンの音楽隊』。その後、新演出となる『そんごくうの冒険』、新作の『ドン・キホーテとサンチョ・パンサのおかしな冒険』と続きます。今年も地域密着のリージョナルシアターとして、様々な上演を行なっていきます。

引き続き、街づくり、教育、福祉、観光といった産業との協働の可能性も追求していきますし、新たな展開としては、今後の国内外を問わない他地域での活動を視野に入れた準備もスタートさせます。演劇がこの社会に何ができるか、どんな未来を切り開けるのか、Ortの全力の挑戦は今年も続きます。

老若男女を問わない地域に開かれた演劇集団であると同時に、大人に密やかで上質な楽しみを提供する集団として、Theatre Ortは皆様の前に多種多様な演劇の場を出現させますので、ぜひとも、その場にお立ち合いいただいたり、応援の輪を拡げていただけると幸いです。今年もよろしくお願いします。

1月13日

立川市では一昨年度より、たちかわ創造舎のプロジェクトパートナーであるシアターOrtが、文化庁によるコミュニケーション能力向上事業のコーディネーターに採択され、立川市教育委員会と協働で市内の小学4年生を対象にコミュニケーション教育のワークショップを行っています。昨年度までに7校を行い、今年度は5校で実施しています。Ortには記事中に紹介されている青山学院大学ワークショップデザイナー育成講座の修了生が3人います。僕は、こまばアゴラ劇場のワークショップ研究会の二期生となります。

なぜ、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と、生活において「健康」と「文化」が並べられているのかというと、体の健やかさを保つのが健康であり、心の健やかさを保つのが文化だから。体と心から命はできている。

1月14日

今日は午前中、立川市の小学校でのコミュニケーション教育のワークショップ、午後は早稲田の卒業生からなる立川稲門会の談話サロンに呼ばれ、創造舎についてお話、夕方は立川市の地域文化課と3月のアートイベントの打合せ、夜は立川南口商店街連合会の新年会に参加と、岩手、長野から一気に頭をホーム立川に引き戻された一日でした。さあ、今年は立川、もっと面白くするよ!

1月16日

本日、2020年最初の劇団ミーティングでした。新劇団員の鈴音彩子も入っての初の全員集合写真です。倉迫康史、村上哲也、平佐喜子、小林至、竹原千恵、岩倉真彩、井藤あやほ、大谷昌史、鈴音彩子、以上、入団順でメンバー9名になります。今年も応援、よろしくお願いします!

1月20日

「担任になって初めての学芸会」とか「経験があまり無いのに演劇部の顧問に就任」など、いきなり劇の演出や指導をしなければいけなくなった教員に向けての単発ワークショップを1回6時間5000円(後日の個別アドバイス1回付)、定員10名というのを構想中。

2月6日

「劇の上演をお願いしたいんだけど、初めてのことなのでどうお願いすればいいのかわからない」の声を受け、セミオーダーシステムを導入しようかと検討しています。団体さまや施設さまの実情に応じて、上演形態をカスタマイズするというものです。Ortの「よみしばい」だからこそ可能かなあと。例えば、こんな条件をプルダウンメニューで選べるようにして、ポイントは注釈でいれる。

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劇団を呼んでの演劇の上演を検討のファミリー団体、児童施設、図書館、学童クラブ、PTAの方、貴団体のご希望に応じて上演作品をカスタマイズします。
遠慮無くご相談ください。

【設問例】
どんな題材をご希望されますか-レパートリー20作品からいくつか選べるようにする
対象年齢は何歳ぐらいですか
対象人数は何人くらいですか
会場の広さはどのくらいですか 注釈:会議室のような場所でも可能です
会場の設備はどのようですか 注釈:照明設備、音響設備、暗幕など無くても可能です
上演時間はどのくらいをご希望されますか
開演時間は何時をご希望ですか 注釈:1時間30分〜2時間前から準備ができれば9時より上演可能です。
車を停められるスペースはありますか
注釈:最大で普通乗車1台分あれば充分です。スペースが無い場合はスーツケースで行ける演目をご提案します
予算はどのくらいをご希望ですか 注釈:出演者の数の増減などで対応します。
上演と合わせてワークショップの実施をご希望ですか 注釈:上演前後に演技、音楽、工作などのワークショップに対応します。
ご希望の時期はありますか(自由表記)
注釈:今年度中にできれば、まだ決まっていない、などで詳細未定の場合、その旨、ご記入ください。
伝えておきたい団体の事情があればご記入ください(自由表記)
注釈:上演中にずっと座ってられない、声が出てしまう、などの方を対象に含む上演もご相談ください。

2月19日

2月12日にTPAM(国際舞台芸術ミーティングin横浜)でようやく観ることができたOiBokkeShi(オイ・ボッケ・シ)の演劇、14日に都立武蔵台学園小学部で知的障がいを持つ子どもたちへ行った上演、15日に地区のコミュニティ・スクールの委員として参加した学校運営協議会で話された不登校の問題、16日に学校や図書館などでの読み聞かせ経験者向けに行った演劇の手法を取り入れるためのリーディング講座、17日に副委員長として出席した立川市文化芸術まちづくり協議会企画運営委員会で議論されたこれからのビジョンと、この一週間、演劇が地域の市民に社会包摂として何ができるかを考える機会にめぐまれた。集中的に考えていきたいと思う。いや、もう、山ほど考えなきゃいけない。

2月24日 

ほうかごシアターご来場予定の皆さま

明日、たちかわ創造舎では、ほうかごシアター『ドン・キホーテとサンチョ・パンサのおかしな旅』を開催予定です。しかし、近隣市にて新型コロナウイルスの発症者が確認されたことが公式に発表され、心穏やかでない方も多くいらっしゃると思います。
ほうかごシアターは地域の皆さまに演劇を気軽に楽しんでいただくために始めた企画であり、お年寄りや子どもたちが観客の大半を占めます。現在の状況や心の状態の中で開催するべきかどうか判断に悩みましたが、スタッフと相談の上、下記シェアの内容での対応を現在は考えています。
本日、舞台と客席および客席同士を離した形で会場を設営しました。演出も俳優と観客の接触が無いように変更しました(それを楽しみにしていた方、すみません!)。また、明日は休館日のため、観劇以外の来館者は職員および関係者のみですので、開場前に玄関のドアノブなど接触箇所の消毒を行います。スタッフはマスクをしての対応になるため、声がお聞き苦しくなること、ご了承ください。
このような形の上演でもご観劇いただけるようでしたら、ぜひご来場ください。一同、誠意をもってお迎えいたします。よろしくお願いします。

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