情報収集 ノルウェーのEV普及の背景 22-10-1

情報収集 ノルウェーのEV普及の背景 22-10-1
 
ノルウェーは今、新車販売の4割が電気自動車だそうです。

 

世界各国でも一番の普及率です。

ヨーロッパで電気自動車の売上とシェアが拡大中【最新情報/2022年7・8月期】

https://blog.evsmart.net/.../electric-vehicle-sales-in.../

 

しかし一方でEVは寒さに弱いです。寒いところで携帯の電池が一気に減ったことはありませんか?車ももちろん同じです。

しかも、極寒のため、ヒーターを必要とします。ガソリン車はエンジンの熱を利用してヒーターに使っています。しかしEVは発熱減がないので、バッテリーの電力でヒーターを動かします。つまり、バッテリー容量も少ない。けれど、消費は多い。という、EVにとって非常に勝手の悪いのが、寒冷地なのです。

 

というわけで、極寒のノルウェーでEVが普及することは非常に不思議です。

 

そこで、なぜこんなに普及しているのか?普及にどのような政策がとられているのか?を調べました。

 

  • 石油を世界に売り外貨を獲得する

  • 市民の生活にEVがなじみやすい

  • 政策による優遇

 

■石油を世界に売り外貨を獲得する

 

まずはこれでした。

 

全く知らなかったのですが、ノルウェーは北海油田があり、世界10位の石油産出国。輸出額の50%以上が石油・ガスだそうです。

 

一方で人口は少なく、工業や大規模な農業は発展しずらく、外貨を稼ぐ手段が少ない。

 

また、主に水力発電で電力の90%以上を賄っており、石油に頼らず発電が可能。

 

そのためにEVを普及させて、石油は発電や車の燃料に使わず、海外に売りたい。

つまり、CO2削減ではなく、外貨獲得のためなんです。

CO2削減のためなら、石油を海外に売って使わせるのはどういう理由なのか説明がつきません。

 

非常に納得。

 

出典:なぜ雪国の大半が電気自動車なの? EV&PHEV80%占める「ノルウェー」 日本と異なる事情とは

https://news.yahoo.co.jp/.../4141db3daa12f57cad8f06415b80...

  

■市民の生活にEVがなじみやすい

 

EV普及のためにどうしても充電インフラが必要になります。

 

これがノルウェーではやり易い環境があったようです。

ノルウェーはあまりにも寒いので、エンジンオイルが固まらないように普通のエンジン車にブロックヒーターというヒーターがついています。その電源コンセントが車庫には付いているんです。だから各家庭の駐車場、公共駐車場には必ず230Vの電源があるそうです。

そのため、EVに必要な充電設備の導入が非常にやり易く、ガソリン車も冬には電源コードをコンセントに挿していたということです。だから電源コードをコンセントに挿すのは慣れているとこのと。

 

出典:「新車の4割」EV大国ノルウェーの裏事情「水力発電が96%」で使わなきゃ損

https://president.jp/articles/-/23053

 

他にも、高い環境意識。もともとノルウェーでは地形的に自動車の移動は狭い都市域の中が主などがあるようです。

 

■政策による優遇

 

電気自動車はあらゆる税を減免されており、車体価格がディーゼル自動車よりも安くなっており、他にも下記のように多くの優遇があるようです。

 * 購入・輸入時の税金がかからない(1990年~)

 * 購入時の25%の付加価値税を免除(2001年~)

 * 道路税(1996年~2021年)の免除。2021年から軽減税率。2022年からは全額課税

 * 有料道路やフェリーの料金が無料(1997- 2017)、フェリー料金は定価の50%以下(2018年~)

 * 有料道路の料金は最大で定価の50%(2019年)

 * 市営駐車場の無料化(1999年~2017年)、 駐車場料金の上限を定価の50%以下(2018年~)

 * バスレーンの利用が可能(2005年~)

 * 社用車税を50%減税(2000年~2018年)。軽減率を40%(2018年~)、2022年からは20%に引き下げ

 * リースにかかる25%の付加価値税を免除(2015年)

 * 電気ワゴン車に変更する際の石油ワゴン車の廃車に対する補償(2018年)

そして、これだけの優遇税制は財源どこから??

というと、それは先の北海油田の石油だそう。

まぁ何とも、地球温暖化には厳しいことで。

 

出典:「EV先進国」ノルウェーを支えているのは"北海油田"という矛盾

https://cigs.canon/article/20220217_6563.html

また優遇税制だけでなく、専用バスレーンをEVだけに解放したそうです。

これが一気にEVを加速したそうです。

優遇税制よりも、バスレーンの解放が効果的だったのは意外ですね。

毎日の生活の苦労が大きく改善されるというのは、ユーザーにとって大きなメリットだということですね。これは大変学びになりました。

 

優遇税制は財源が付きまとうので、日本には難しい側面がありますが、こうやって例えばバスレーンの解放など、市民の生活を楽にする施策とセットで普及するのは大変に有用だと思いました。

 

ちなみに出典のどの記事も、大変勉強になりました。

皆様もご興味あれば、全体的に目を通されることをお勧めいたします! 

以上

ノルウェーのEV普及背景でした。

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