見出し画像

まっさら

仕事中ふと「そういやiPhoneの容量が少なかったな。バックアップ取っておこうか。」と徐ろにケーブルを繋ぐ。その行動がマズかったのか。そもそも今日の朝、カバンの中に入れていたスプレーの中身が溢れてビチョビチョになっていた時点で何もしない方が良かったんだ。


結果として、私のiPhoneは初期化された。

データのバックアップが上手く行かず、「リンゴマーク」と呼ばれる待機画面が何度も続き、復旧を試みるが上手くいかない。「iTunesがダメなら!」と咄嗟に手を出したサービスで課金してみてもエラーが出てしまう。もうその時点で

「良いや。こいつがまた使えるようになれば良い。だからこの2年ほどのデータは諦めよう。」

と踏ん切りがついていた。初期化してこのiPhoneが上手く使えれば良いとだけ思っていた。

京都を中心に東京や大阪、石川、富山、広島、山口、博多、小田原、北海道など各地で撮った写真がたんまり入ったiPhoneだった。友人達や風景、ご飯、呑みの席、面白インスタレーションetc。。。そのために前回の物より容量を大きくしていた。それらを1度もバックアップせずにこの流れだ。このクラウド時代にiCloudに入れてないわけだ。「さてバックアップ取るか」と思ったらこれだ。「ちょっとニセコの写真見返したいな〜」って思ったらこれだ。

まぁもう全てのデータが消えた今となっては、過去にこだわっていても仕方ない。幸いなことにSNSに写真をあげていたので過去の記憶は少し蘇るし、iPadと同期してたりしたので日常的に使用するアプリはほぼ復旧した。gmailの2段階認証で少し困ってサポートにお問い合わせをしたぐらい。


便利な時代だ。

インターネットの発達のおかげで困ったことにはならない。ただ、データが消えた時の感情とどう向き合うかは人それぞれだと思う。
以前の私なら酷く取り乱しただろう。けど、実は今回ほどでは無いけど、過去にも似たような感じで数ヶ月分のデータを飛ばしていたりだとかしてると「まぁよくあることだしね。クヨクヨしない。」と自分の心に絆創膏を貼るスピードが早くなっていく。
セルフケアの方法を覚えて、覚えて。それでも治し方は分からず、分からないまま、自分を傷付けまくっていたあの頃よりかは、幾分か楽だ。

「うーん。まぁ残念だけどな…アレだね。7月入ったしね、2019年も半分切ったしね。ここで“まっさら”にしておくの案外良いのかも。過去の思い出はここで軽くして、現在を、未来を生きろってことかな、そうかな。」

今回はアッサリしたものだった。今までで1番アッサリしていた。もちろん復旧のためにいろいろと足掻いてみたけどダメだった。そういう時なんだと思う。


というわけで、写真フォルダには何もない(正確に言うとiPadと同期したデータが少し入ってる)iPhoneを手に入れた。さてこれからどんな世界をカメラで切り取っていくんだろう。未来の自分がどんなものを残すかなんて、現在の私には見当もつかないのでワクワクしているところである。

何も良い感じの写真がないので、noteのギャラリーで写真を選んでたら、タグに「ヤケクソ」とついてたこのネコのイラストが可愛かったので使う。そんな感じで良いんじゃないかな。まぁこれからも楽しくいこうよ。

いただいたサポートで本を買ったり、新しい体験をするための積み重ねにしていこうと思います。